(404) 介護・大家族・世相

 (404) 介護・大家族・世相 
  
 私が福祉活動をスタートしたのは1955年で、当時の中心課題は「結核と救貧」、これに対して 近年は「年金・医療・介護・育児」;すっかり様変わりです。とくに 大家族の崩壊が社会の中心問題となりました。

♣ あなたは今、何人家族ですか?私は 当時 7人家族+お手伝い+出入りの人々等で、家ははち切れんばかり —— 個室や寝室などの概念もない 大家族の「兎小屋」  でした。その後 忙しい30年が過ぎて「経済バブル」が終わってみると、「生活保護の家庭」であっても 自家用車や冷暖房機が なにげなく保有されていたような 様変わり です。

♣ 世界的な傾向として、所得が増える につれ 個人主義・合理主義は広まり 大家族主義は消えて行く運命のようです。いつの間にか ここに 新しい問題が忍び込みました . . . それは「裕福の不均一さ」つまり「経済較差」の問題で、「大家族」の衰亡や「介護問題」の台頭も 一連の物語として発生してきたのでしょう。ここで経済較差の原因を「四つの観点」で 探ってみます。

経済較差が起きた最大の要因 は「延寿」だと言われます。一般に 人は歳と共に蓄財を心がけますが、平和な延寿が進めば その蓄財較差は広がります。延寿者の較差を社会的に是正しようとすれば「介護問題」が全国的に広がり、社会は 倫理・財政的につまづきます. . . これは世界的な問題ですが、日本は世界一高齢だから 世界一大きい問題となっています。

次の要因は「大家族の衰退」です。大家族なら、相互の人間的な助け合い があり、その上 一人あたりの生活単価は安くて 楽 でしたが、今や小家族が優勢な時代になると、大きな欠点が露 ( あら ) わになりました。つまり、親は高齢になり、それも 親と言うより「祖父母」と呼びたい90歳~100歳域の大延寿となり、社会の介護経験の守備範囲を越えて来ました。しかも こういう人たちが社会の多数層になると 倫理・経済面で未経験の問題を提起します。

三つ目の要因は「地球化」です(= グローバル化)。昔は「国際化」が叫ばれていましたが、国際化は 単に外国事情をわきまえる、だけの意味でした。「地球化」とは、国際化がさらに徹底し、地球規模で同じ土台の上で競争をすることです(例:関税をかけずに 輸出入をする;同じ仕事なら 国によらず同じ賃金で仕事を分け合う)。日本は すでに国内の経済較差の問題で悩んでいますが、これに 生活水準の異なる諸外国との較差問題が加われば ややこしくなりますね !

いま TPP 1) で国論が揺れていますが——TPP参加の利点は、省エネが達成され 良い品が広く分かち合える、と言われますが、その反面の欠点として「弱肉強食」の側面があります。日本は開国により、較差問題の拡大で 悩みも確実に増えるでしょう。明治の開国と同じように、世の中が変化して行く時には、常にこういう問題が付随してきますね。

♣ 私たちは、無思想で介護に従事するだけでは すまされません。これら ① ② ③ ④ の要因を個別に頭に描き、「介護・大家族・世相」の動きに対して どのように対応すればよいのか、あなたの意見を お聞かせ下さい。

参考:  1)   TPP : Trans-Pacific Partnership = 環太平洋 経済連携 協定

職員の声

声1:お婆ちゃん ボケちゃったのね」と言いながら介護ができたのは大家族の昔話;今 そんな会話はなくなってしまいました(係り:親を施設に預けっぱなし —— イギリスやスエーデンでも似た事情のようです)。

声2: 大家族は 単に人数が大きいというだけでなく、親―子―孫が一緒に暮らし、人間の生き方が教え伝えられた点で有難かったのだ . . . (係り:大家族は遠き良き昔の幻になりました → じゃ、江戸時代に戻りたいですか?と尋ねると、大抵の人は No ! )。

声3: 不景気が進むほど 大家族が減ってくるように思います(係り:欧米でも大家族を憧れるノスタルジアが進んでいる由、特に地中海国家で)。

声4: 延寿は素晴らしいことですが、その代償としての少子化は有難くない です(係り: 地球には住める定員があります 2) -- 老人が100人増えれば 子供を100人減らすのが理 ( ことわり ) です : 太陽の恵みは そのへんが「限度」のようですよ)。

声5: 延寿が進むにつれ 経済較差も広がる実感があります;身体が元気であっても 認知症が進む のでは 人生の有難みがありません係り:フランスの哲学者ルソー は“我思う、故に我有り”と自己の存在感を確信しましたが、現在では 認知症のため我思わなく”なった人でも存在できます よね?倫理の面で、現代社会は不思議です)。

声6: 明治維新の開国を乗り越えた日本人だから、今のTPPと福祉の問題も乗り越えられます;ただし、日本人は“長すぎる延寿”を誇るだけでなく「自立した並みコロ3, 4) の意義も確かめたいです。

声7: 農家は TPP反対、輸入業者は TPP賛成;大家族に関しても意見は やはり割れる ! (係り: 明治の開国時にも尊王攘夷 (そんのうじょうい) 血なまぐさい新撰組が京都の街を走り回りました)。

声8: TPPで、外国の職員と仕事を分かち合えるようになれば、緊張もあり 違う価値観にも接触でき 人生は豊かになると思います(係り:地球人は 今や70億人、角を突き合って生きるのではなく、笑顔と握手が必要ですよね)。

参考:パールの安全管理 2) # 401 : ついに 600歳か?  3) # 393 : ピンコロか?ジワコロか? 4) # 396 : ホッチャレと並みコロ。

This line should be written after insertion of the picture !

Andreas
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR