(200) 増える独居高齢者

 (200) 増える独居高齢者 

 昨年の集計値ですが、老人の独居世帯は全独居世帯の約半分でした(48.1%:CBニュースキャリア)。昔にも「独居高齢者」は あったけれども、社会問題とはなりませんでした。昔は「人生50年」、高齢には なれなかったのです

♣ 第7回の安全管理(11.7.12)は「医学の進歩が年寄りを苦しめる1) でしたね。その話では、「長寿問題にどう対処しようか?」で結びました。)

♣ 「長寿には問題があるから、早く死にたい」とは 誰も思いますまい。しかし、欧米の長寿国は 庶民の隅々までもが 長寿の問題を知っています。これに無知で「長寿はめでたい ! 」と言っているのは、 日本だけ です。 そして「年金が足らない、施設が不足している、政府は何をしている? 独居高齢者の不幸を何とかせよ !! 」と庶民は不服を述べ、マスコミさえも これに同調しているのが現状です。

♣ さて 独居高齢者の問題解決法には3通り があると思います。お金がある人は「皇帝」の老後を過ごすので、ソロモン大王のようになさるでしょう1) やや ゆとりがあれば「有料老人ホーム」で過ごし、これもまた、問題は少ないです。 普通の庶民は 「自宅または特養」で過ごしますが、ここで問題が発生します。なぜなら、お年寄りの問題とは「ヒト モノ カネ」の問題だからです。

♣ 昔の社会では「下男・下女」(げなん・げじょ)という サービス専門の 一群のヒトがいましたが、今では居ません。昔の社会では「70歳は古希」(希(まれ))で、老人問題は ほぼゼロでしたが、今の世は問題老人で あふれています。こうなった理由は 福祉社会が 人々の長寿希望を尊重し、医療・介護を発展させ、その目標をほぼ完成に近づけたから です。かくして、介護側は「供給不足」に、長寿側は「需要過大」に陥りました。

♣ この問題は、都会では大きく 田舎では小さいと言われますが、スエーデンの片田舎の事例を見ても、やはり「ヒト モノ カネ」が必須です。第一、高齢夫婦の一方が死ねば、その補いに兄弟や子が住みますか? 世界中、それはイヤだと言うのです。結局、お年寄り本人の希望を尊重すれば、税金を投入 して 他人がお世話する以外の手はないようです。これでは、ソロモン大王と同じです2) 。だって、そうでしょう?みんなが王侯貴族のような老後生活にあこがれるって、そもそもムリだと思いませんか?

♣ さらに 多くの人たちは、この地球上で生命が どのように進化してきたのか、という 科学の法則 3) を無視しがちです。つまり、「動物の親は子を育てるために自分の命を削って死ぬ」のが 天然の生命のあり方です;しかし「親を長生きさせるために 子が死ぬ思いの自己犠牲をする」のは ヒトだけ で、これは進化の流れに反します —— そんな動物は 他にいません。しかも 現実の介護者の多くは 自分自身が すでに高齢者だから 他者を雇用せねばならないし、その場合 遺伝子上で 赤の他人の介護となることは 避けられません3) 。いま人類は 「何億年も続いた親子生命の営みの流れを 変えようとしている」のです。生命の流れに反する この無理を承知の上で 続けるのなら、高齢者も 介護者も、共倒れ になってしまう可能性があります。

♣ 私とて この問題に対する確実な解決法を持っている訳ではありませんが、今回の「3.11福島原発事件」で思い知った「電気過剰使用の実態」から 多くのの教訓を学び取りました —— つまり、電気は 金さえ出せば 無限にあるモノではなかったことを思い知ったのです。介護にかける「ヒト モノ カネ」も無限にあるものではなく、その出所は私たちの税金です。だから、私たちは自分の「ライフスタイル」を変え、工夫をこらした 新しい生き方をすべきだと思いす。

♣ 私の結論は ① 人手に代わるロボットの開発と実地応用、② 欧米諸国が採用する「処置の定年制」を導入、③ 延命医療は“私費で利用する”4, 5) 、または“しない”こと の三つを申し述べます。仏教国の日本では ② ③ が困難なのは分かりますが、きっと 「みほとけ」も了解して下さる のでは ないでしょうか。

  参考:パールの」安全管理 1) # 173 : 医学の進歩が年寄りを苦しめる。 2) # 3 : ソロモン大王の介護。 3) # 100 : 赤の他人の介護。 4) # 135 : 生きざま 二態。 5) # 128 : 救命と延命。

職員の声

声1: 高齢者が増加すると言うのに、若い世代が減って行きます;今後 誰が面倒をみると言うのですか?(係り:今、大阪大学の目黒教授たち が世界をリードするような介護ロボットを開発しています6) ;昔 馬方(うまかた)や駕籠方(かごかたが人を運びましたが、いまはバスや電車の運転手が能率良く人を運んでいますね;パールもこの視点で介護ロボットの使用を世界に発信したいです)。

声2: 私の在宅サービスの症例ですが、ご自分の母親に水分を飲ますのに時間がかかってめんどうくさくなり、ドクターに頼んで点滴を始めて貰いました(係り:頼むほうも 頼まれる方も モラル・ハザードですね7) 。このようにして、良き日本は衰退して行きます)。

声3: 私は理事長の結論の ① ② ③ に賛成です;とくに高齢者の「延命は自費」にてお願いします(係り:こうすることによって、命の尊厳が正しく守られると感じます)。

声4: 明日は我が身」の話題でした;人は長寿を望んだものの、病院の長滞在はできないし、独居高齢は不安だし、お金も力も尽きるし . . . ロボットなら気を使わなくてもすむから 使ってみようかしら . . . 何だか私の将来は SF の世界みたいです係り:さびしさをまぎらす愛犬も結構ですが、ロボットなら耳の後ろのボタンを押すと救急車がやって来ます)。

声5: 政府が1000兆円もの累積国債を発行したのは 独居高齢者の増加に一役買ったような気がします(係り:もし政府が国債を発行せず、医療・介護費を切り詰めていたら、高齢者のさらなる高齢化は防げたでしょう;でも それでは政治家の票は集まらないし、医療も衰えて困るから、国債は再発行され 悪循環は続くでしょう)。

声6: 年をとるのにもお金が掛かるということですか?(係り:国民が一年長生きするごとに一兆円余がかかります)。

声7: 「病気で長生き」というのではたまりません;医療は進歩を止めたのですか?(係り:延命に続く延命の努力が続いています;新しく育つ若い世代の大きな任務は老人延命にあるようです;戦前ならいざ知らず、今これが人類社会の正しい有り方なのかどうか、問題になっています)。

係り: 今、年金問題が大きいですが、そもそも「年金を頼りにする生活」と言うものは1990年まで存在しませんでした。それまでは 自分の甲斐性(かいしょう)で人々は生きていたのです。年金制度は有難いことですが、「掛け金」だけでは経費をまかなえません。だから政府は国債を発行し、ツケを若者に押し付けるという設計です。次の総選挙では この点を明らかにしてくれる候補者を選んだらいかがでしょうか?

 参考: 6) Us. And them. Robots are being created that think, act, and relate to humans. Are we ready? By Chris Carroll in National Geographic 8: 66~85, 2011. 7) パールの安全管理 # 197 : モラル・ハザード。

(199) 筋トレ と 生理学

(199) 筋トレ と 神経  

今日は老人介護で花形の「筋トレ」を勉強しましょう。

♣ 筋肉には「随意筋」と「不随意筋」があります。「筋トレ」の「筋」は、もちろん「随意筋のトレーニング」ですね。 「随意」とは 自分の意思で「随意に」動かすことができる、という意味です。

♣ 「不随意筋」って言うのもありますよ。血管・胃腸・胆嚢・膀胱などにくっついている筋肉は「不随意筋」であり、これらは“自律神経”が管理しています。間違わないで下さいね;随意筋の「筋トレ」は可能ですが、不随意筋の「筋トレ」は不可能です。

♣ さて、随意筋は運動訓練により、何割か肥大します。すると外見はプロ選手のように「筋肉マン」の姿を呈します。ここで混乱しないで下さいね、 「肥大」と「成長」は はっきり違います。たとえば、10歳の子供が20歳の大人になるのは「成長」であって「肥大」ではありません。「成長」は細胞数の増加を伴いますが、「肥大」は細胞の数は不変で 一個一個の細胞が太くなった状態です。

筋肉の肥大の場合、筋細胞は太くなるが、筋細胞数は増えず、それに栄養を与える血管も増えない、② 筋細胞一本一本には 動く命令を伝える“随意神経”がくっついているけれど、それも増えない。③ 筋肉の鍛錬を怠ると、数ヶ月で元の状態に戻る;つまり「遺伝子はトレーニングする前の基本状態に戻す働き」をします。

♣ 「筋トレ」と聞けば、「筋肉」しか連想しないでしょうが、筋肉は自分では動きません。実は、筋肉を動かすのは「神経」です。解剖学的には、神経と筋線維は1対1でペアになっています。たとえでいえば、神経は「司令官」、筋肉は「兵隊」です;訓練によって兵隊が強くなっても、司令官がそのままでは、良い「いくさ」はできませんね。つまり「筋トレ」とは、司令官(神経)と兵隊(筋線維)の両方の機能が向上しなければ、有効となりません

♣ ところが、人間の神経細胞は年齢に伴って減少します(20歳を越えると脳細胞は毎日10万個ずつ減ります)。すると筋線維は「司令官」を失った兵隊のように、不活性または線維化して、役立たずになります。これが高齢者の「筋肉と神経の関係」です。つまり、訓練は「司令官と兵隊」の両方に行うべき であり、「受身で」または他人の希望によって行う場合の「筋トレ」は期待通りの結果が出にくいです。

このことはピアニストを念頭 におくと理解できるでしょう。アマチュアなら「毎日1時間以上」、プロなら「毎日10時間以上」の練習を、本人が その気で行い続けなければ、「神経と筋肉の技」は、その維持はおろか、進歩などはとてもおぼつきません。一日休めば 一日分だけ後戻りします

♣ また、一般にトレーニングを行う場合、ルー(Roux)の法則 を忘れてはいけません。つまり、① その人相応の運動が有効、② 運動をしないと衰える、③ し過ぎると損傷する。まかり間違っても、「運動すれば筋肉が発育する」と勘違いしないでください。使い過ぎた筋肉の治療は「安静」です、鍛錬の利はなし。

♣ 同じ筋肉でも「自律神経の支配を受ける不随意筋(胃腸・血管など)」は「筋トレ」することができませんね。その他 トレーニングになじまない臓器として腎臓・脾臓・リンパ腺など多数があります。体の大部分は「健康を維持するだけ」の注意がベストなのであって、過剰に 使い過ぎれば「ルーの③」に陥るのが関の山です

♣ 私たちは有限の可能性を持って生まれています。激しく使うと 早く寿命が尽きてします。「B29を竹槍で突き落とせ ! 」というような「精神主義」は若い人の訓練に用いましょう。大人になってからは、「ルーの法則」こそが条理にかなった「筋トレと神経の関係」なのです。

参考: * パールの安全管理 # 45 : ルー(Roux)と智恵。

職員の声

声1: 運動すれば「肉が増える」と思っていたのですが、違うのですか?(係り:人間の神経細胞と筋肉細胞は 一定の数で生まれて来、成長と訓練で所定の大きさに育ちます。筋肉は、スポーツなどで筋細胞の肥大を起こしますが(肉が増える)、筋細胞の数は増えません。絶えず刺激を与えて訓練しないと、筋細胞はスタートの状態に戻って行きます)。

声2: 我々は歳とともに神経細胞を失う;その時、神経支配をしていた筋肉細胞を道連れにして失う;これで歳と共に筋力が弱まっていく謎が解けました;筋肉を動かしているのは「神経でもあるのだ !」と気付きました(係り:スポーツマンは、ある年齢になると現役を退きますが、その理由の一部はここにあります)。

声3: お年寄りの場合、筋肉鍛錬ばかりに注意し勝ちだが、実は「神経の働き」が鍵だったのだ ! (係り:神経性の麻痺の場合、マッサージをしても、筋肉は日々衰えます)。

声4: 私は「筋トレ = 老化防止」と思っていました;真実は「年齢 => 神経 => 筋肉」だったのですね、自分の単純頭を反省しています(係り90歳の人の目標を60歳などにするのは不適当です)。

声5: 「早く回復させてあげたい」との思いから、鞭をふるいますが、その人のペースに会った「ルーの①」でやるべきでした(係り:正しい知識があってこそ良い効果が得られます)。

声6: 神経と筋肉がペアになっているとは初耳です;やる気があってこそ、筋トレの意味がある、と理解しました。

声7:90歳で四国お遍路を済ませた;99歳でモンブランに登頂した、などの行いは良くないのですか?(係り:残り少ないガソリンをどう使うのかは、その人の趣味であって、科学の問題から離れます)。

(198) 虫卵と洗い過ぎ

 (198) 虫卵と洗い過ぎ 注意 

 私(Dr.冨士雄)が学校卒業後 病院で勤務し始めた頃(1958年)は、まず、受け持ちの患者さんの「検尿・検便」を自分で行う ことから始まりました(今では検査シートにチェックするだけで すみますが、当時は“中央検査室”や業者請け負いの検査システムはありませんでした)。便を顕微鏡で見ると、過半数の頻度で「サナダムシ」の虫卵が見つかりました。現在の清潔な時代の目で見ると、想像もつかないほど、ヒトの体はバッチかったのです。

考古学者は、遺跡(いせき、人が住んでいた所)を証明するのに、必ず「便所」を探索します。そこの土にサナダムシの虫卵の「化石」を発見できれば、確実に「遺跡の証明」になるそうです。つまり、このように、人類とサナダムシは「共存共栄してきた」のです。

♣ サナダムシを自分の腸の中に一匹飼育していると、血液の中に「抗酸球」という白血球が増え、抗アレルギーや免疫作用が保たれ、元気になるといいます1) 。ところが近年、特に日本では「汚いもの大嫌い」「抗菌グッズ」という考えが流行し、サナダムシ駆除はおろか、入浴しても 強力洗剤で体を「磨き上げ」ます。これは若者や老人にとって、非常によくない 常在菌と皮膚脂肪を保つため、「軽く洗う」だけが、一番 健康に良い藤田先生はおっしゃいます。世の中には、いろんな考えがあるものですね。

  参考: 1) 藤田絋一郎(東京医科歯科大学 教授):”きれい”社会の落とし穴 :学士会報 # 851 : 94, 2005.

職員の声

声1: インドではガンジス川に排泄し、その水で体を洗い、しかも元気;彼らは天然のウオッシュレットを活用しています(係り:日本でも、私の若い頃は“三尺さがれば水清し”と習いました;つまり川に流したオシッコでさえ、三尺下流であれば 清い“と言うのです;信じられる?)。

声2: 日本でも、夏の海水浴場は混雑しているのですが、有料トイレ に入る姿はあまり見かけません(係り:日本の人々は海をガンジス川に見立てている のでしょう)。

声3: サナダムシに感染しても 健康に悪くはないのですか?(係り:悪いにきまっています;藤田先生は ご自分が医師であるから抑制法をご存知ですし、面白い考え方を発表なさるのです:ちなみに現在、サナダムシを見つけるのは困難です)。

声4: 人間の皮膚に常在する良い菌を流し去ってしまうと、皮膚脂肪は減り、ツヤは悪くなり、別の細菌類に感染しやすくなって、アレルギー疾患は増えるのですか?係り:強力なボディー・シャンプーは綺麗好きの日本人の好みに一致するのですが、それでは皮膚の常在菌が一掃されてしまいます;肌の脂肪が少々残るくらいの洗浄が適当なのです)。

声5: 抗菌グッズも良くないのですか?(係り:テレビと業者に踊らされてはいけません;人間は「抗菌」「無菌」にさらされると抵抗力が弱まり、イザという時の力が失われます。日常生活の中で「抗菌」である必要はありません)。

声6: 女性のウオッシュレットは一日に一回が適当、それ以外の時は 従来通り ウオシュレットなしで ただ「拭うだけ」 との意見にビックリです(係り:毎回洗い過ぎると、正常な膣のデーデルライン菌が抜けてしまい、別な感染症を誘発してしまいます)。

声7: 特養では「ボディー・シャンプー」から「液体石鹸」に切り替え ています;お年寄りの皮膚のカサツキが減ったようです係り: 何事によらず「中庸」が良い と言うことですね)2)

参考: 2) パールの安全管理 # 45 : ルー(Roux)と智恵。

(197) モラル ハザード

 (197) モラル・ハザード   

 最近 “モラル・ハザード”は よく聞きますね——でも、この言葉、喉につかえます。今日は 言葉の意味から入ってみましょう。

♣ 「モラル」はふつうに“道徳的”と理解して良いでしょう。「ハザード」(hazard)は“予測できない危険”です。がんらいは「さいころ」に語源があるようで、“どの目が出るか予測できない”ことから出た意味です。日本語の「危険」は 英語のdanger に対応するゆえ、ハザードという言葉は 翻訳せず そのまま、カタカナで使われることが多いです。たとえば「ハザード・マップ」= 危険が予測される地図(危険が どこにあるか ないか わからないけれど);「ファイアー・ハザード」= 火の用心 など。

♣ そこで“モラル・ハザード”は「倫理の欠如・崩壊」などと訳し、“節度を失った利益追求の姿勢”を表わします。新聞・テレビなどで よく見かけますね —— ① 火災保険に加入して、自ら火災を起こし、保険料を受け取る「焼け太り」、② けっこう裕福なのに、学校給食費を払わない親たち、などを表わします。

♣ ヒトのモラル・ハザードの歴史も長いです。たとえば、 大阪城の落城(1615年):豊臣秀吉の死後、徳川家康の攻撃を受けて大阪城が炎上・落城した。その際、城に残った巨大な財宝は攻撃兵たちに争って略奪され、子女たちも乱暴狼藉らんぼう・ろうぜき)の憂き目に会っいました。さらに新しいハザードは、中東の国、リビアで、勝ち目に乗じた反乱軍が、首都トリポリの都で略奪を始めました(2011.8.24)。おろかですね。

♣ 以上の 例は、モラル・ハザードと呼んでいいでしょう。私どもは ヒトを愛し、その能力を尊敬します。しかし、世の中には「神仏」が必要と思われるほどに、暴走するヒトがあります。ただ ひたすら「残忍だけ」なこともあり、また「節度を失って利益追求に走るだけ」のこともあります。私たちは そんなヒトの歴史と現状の中から「教訓」を学び取りたいと思います。

♣ 社会環境の中で大切なことは「自由」であること「秩序」が保たれていること でしょう。現在の先進国は、努力を積み重ねて やっと「自由と秩序」を手に入れていると思います。自由と秩序は互いに相矛盾する概念ですが、モラル・ハザードの危険を防ぐために必要な能力とは、優れた「バランス感覚」ではないでしょうか? バランス感覚とは、両極端にある事柄の中間に腰を据えることです。両極の間を“行きつ 戻りつ”を繰り返して、しばしば一方の極に接近する場合もありますが、問題の解決に適した、ある一点を探し求めるという、ある種の 永遠の移動行為ではないでしょうか?

♣ モラル・ハザードは 今、世界を席巻(せっけん)しています(例は無数 !!!)。前回 申し上げたように、日本は「落とした財布が現金ともども交番に届けられる国」です。パールは 誇りをもって世界に模範を示したいと思います。

職員の声

声1: モラル・ハザードって初めて聞きます、勉強します。

声2: 震災地に行く高速道路の割引料がインチキ利用者の横溢おういつ)のために中止となりました;このインチキは復興の足を引くモラル・ハザードです。

声3: 給食費を払わない親が当然顔をし始めたのはいつごろからですか?(係り:モンスター両親の現れと関係あるでしょう;2005年には既に社会問題化しています)。

声 4: アメリカのインディアン(原住民)は今でもアメリカの土地はインディアンのものだ、と主張しています:NHKの大河ドラマで「おごう」が活躍していますが、下剋上(げこくじょう)の世の中、主君・織田信長の領地を奪ったのが豊臣秀吉、その秀吉のモノを乗っ取ったのが徳川家康、誰が英雄で モラル正しい人だったのだろうか?(係り:170年前、イギリスの最盛期の女王ビクトリアは「平和・進歩・繁栄」を謳って(うたって)得意の絶頂にありましたが、東洋の支那へは侵略戦争を仕掛け、猛毒のアヘンを高値で売り付け 略奪三昧でした——強い者のモラルが まかり通ったのは皮肉ですね)。

声5: いろんな人々が円く収まるためには妥協が必要です;でも、人が人を思いやる心は変わらないものがあるでしょう。

声6: パールは常にhazardと隣り合わせです;いかにhazardに対して適切・確実に対応して行くか、諸先輩の実力に感嘆しております;さらにパールでは自由と秩序がよく保たれている、この誇りを汚さないように頑張ります。

声7: 「自由と秩序」は相矛盾する概念ですが、近代国家は できるだけ「自由」の多い状態を保証したいようです;でも「自由」が望み通りにあれば、「節度を失った利益追求」に走る人が現れ、「秩序」は脅威にさらさるし、モラル・ハザードが横行しかねません係り: 「自由と秩序」の両極端の間を絶えず見据えて、バランスの取れた判断と対応が求められますね)。

89: 「老人医療の無料化」は理想ですが、それを実行したら国がパンクし、モラル・ハザードに陥りました(係り:ものごとを無料にすると財政はパンク、質は低下;心の荒廃こうはい)も起こります)。

声9: モラル・ハザードにはマスコミの煽動(せんどう)が深く関与しています:“リテラシー”とは識字・情報受信の能力のことですが、情報の発信能力も欠かせません;見聞きしたことを鵜呑みせず、“リテラシー”で判断して頂きたいと思います)。

(196) 「うつ」の合言葉は ”星よ !”

 (196) 「うつ」の合言葉は“星よ ! ”

 日本では「うつ病による自殺」が増え、年間3万人と報じられています(朝日)。

♣ パールの高齢者に「うつ」の症状で悩む方は少ないようですが、ナゼ 世間一般では このように多いのでしょうか?調べてみると、「うつ」は老人に少ないとは言えません。 「うつ」は広い年齢層にみられ、最近の渋谷区の調査では80歳代の症例が報告されています。また、パールに近い あの“霞が関”では、ストレスが多いせいか、自殺例が絶えないそうです。

♣ 「うつ」については社会的に“偏見”があり、大企業では精神保健医が配属されて 対策が練られますが、中小企業では 診断と治療の継続という点で 勤務の継続がし難いという風土があるようです。バブルがはじけて、社会構造が変化し続ける日本では、秩序の多様性に付いていけない“完璧主義者”は落ちこぼれる人があり、これが「うつ」の発病に繋がります。

♣ インターネットで「うつネット」を引いて下さい。そして 自分が「うつ」かな?と思う場合は、次の質問を自分に向けます:晴れた夜空には何が見えますか?その答えは 「星よ !」 ですね。その心は:― 「」 は 「ほどほどに」、 「」 は 「趣味を持つ」 、 「」は 「良い相談相手を持つ」 です。パールの精神科の嘱託医であった「恩田先生 は、そう語っておられまし た。

「うつ」は治る病気です。① 内科ではなく、精神科医に相談し、② 正しい治療を3ヵ月続けます。③ さらに 薬のない3ヵ月の観察を受けます。①、②、③ の全部が守られれば、これで「治療は上がり ! 」です。  「星よ ! 」を忘れないで下さいね。

職員の声

声1:なるほど、良いロゴを聞きました; 「ほ」 は “ほどほどに”、 「し」 は “趣味” 、そして 「よ」は “良い相談相手” ;私は「星よ」とつぶやき、「うつ」を防ぎます(係り: 「ほ」 = “ほど ほどに” は 「うつ」 に限らず、ルーの法則 1) として、筋トレや人生一般に適用されています)。

声2: 私は従来の職場で 「うつ」っぽい時期がありましたが、よいお話を聞きました;あまり自分を追い詰めないように、仲間に胸を開きます。

声3: 「し」=趣味は何でもよいのですか?(係り:何でもよいのですが、「仕事が趣味」だけは例外でダメ ! )。

声4: 「よ」=よい相談相手とは、「自分と性格が違う人」が良いと思います;もし同じ性格だったら、悩みが「増幅」されてしまいます。
]
声5:ストレスの多い現代社会で、いつ自分が「うつ」になるのか不安ですが、「星よ」の合言葉を学んだので 有効活用したいです

声6: 勤務のシフトで、日勤と夜勤の頻度が変わるとき、私は弱くなることがあります(係り:夜勤のある職種では、睡眠と「うつ」とが干渉し合うことがあります;介護職は看護・医療または交通・航空などと同じく、「星よ」を復唱して注意を促しましょう)。

1) 参考: パールの安全管理 # 45 : ルー(Roux)と智恵。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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