(206) 介護支援ロボット

 (206) 介 護 支 援 ロ ボッ ト

 皆さん方、ロボットと聞くと、どんなモノをイメージしますか? 鉄腕アトム?アシモ?アルトアイゼン?オモニー? いずれも人間型(humanoid)ロボットですね。残念ながら、人間型ロボットで役立っているものは まだ夢の世界のロボットだけです。

♣ そもそもロボットという言葉は新しくて、チェッコスロバキアの小説家 = カレル・チャペックと言う人が1920年に登場させたものです。人間の姿に似せた機械人間で、腕力が強く、ご主人様に従順であり、ヒトではないから倫理問題に触れることなく使役できる存在です。以来、ロボットはSF作家のアイドルとなり、作家ごとに夢見るロボットのイメージはふくらみ、神から悪魔までの幅広い役目を負わせてきました。

♣ 私は普段、ロボットとの付き合いはありません。ところが なんと あるのです !! たとえば「冷蔵庫」。子供の頃、私は 氷屋さんで氷を買ってきて木の箱にいれ 少量の食糧を貯蔵しました ~ 今は「自働的に冷えてくれる“冷蔵庫”」です。冷蔵庫は私の労働を代わってやってくれる のです。同じように「電灯」「冷暖房」「自動車」、さらに「携帯」「パソコン」「お掃除ルンバ」等、数えきれないほどのアイテムが機能的に私の代わりに仕事をしてくれます。これらも みな ロボットと言っていいと思います;ただし「人間型」ではありませんね。でも、温度を一定に保つ機能とか、宛名を自動的に探してくれる機能など、私個人の能力を越えた仕事までこなしてくれます

♣ ほんの百年ほど前まで、人と物の移動用に「駕籠方」(かごかた)と「馬方」(うまかた)は必須の存在でした。ご存知のように、今では その後継者として 自動車・電車さらには飛行機が「能率よく」人と物を運んでいます。しかも人間の雇用はキチンと保たれ、駕籠方も馬方も 勉強して運転手・パイロットになり、ずっと文化的な生活を営んでいます。私は ロボットと言うと「人間型ロボット」を連想していましたが、本当に役立つロボットは「非人間型ロボット」なのだと 気が付きました。

♣ きっとマスコミの誘導によるものだったのでしょうか、私のロボット観は、 将来 ヒトと同じような「姿・心・判断力と自主性」を持ち、しかも機械のように力持ちで、仕事に飽きたり ストライキを起こすことのない便利なモノだろう、でした。そして、年々増える老人介護の現場で なんとかロボットを応用できないものか、と夢見たりしていました。介護で一番 辛い仕事は「移乗すること」でしょう;ベットから車椅子に人を抱えて移す、お風呂に入れる、トイレの手助けをする . . . 力もいるし、事故も起こり易い。

♣ 日本では大阪大学の目黒教授たちが「人型ロボット」の開発にいそしんでおられます1) 。また今年に入って「床から車椅子へ抱き上げ移乗」のできる人型ロボット(RIBA -II)がお目見えしました2) 。だんだん山は動き始めています ! ただ 私は「人間型」にこだわりたくありませんロボットが「心を持ったり 顔に表情が出たり」すると、気兼ねをし、気疲れしてしまいます。ロボットはあくまで「人力代行ロボット」でよいのでは、と思います。もし私が馬に乗って出かけるとすれば、馬の気分と調子を気に掛けるでしょうが、自動車なら遠慮はありません。また、人間のように多機能でなくても良いでしょう、単機能のロボットが何種類かあれば とても助かる と思います。

人間でなければ絶対できないことと、ロボットで代用できることの区別をしっかりしたいと考えます。たとえば、独居高齢者の不安や認知症の騒乱に対して 今後ともロボットを応用することはないでしょう。病気もなく正常に老化していった高齢者に対して用いるロボットは 人力代行ロボットが最適だと思います。昔は 安い給料の人材があったのでしょうが、いま一番不足しているサービスは、まさにこの分野の労働であろうかと考えます。

♣ パールでは「安否の有無を確認する配食サービス」を行っていますが、これさえも一種のロボット機能ではないでしょうか?だって、独居高齢者が一日三食の食事を作るのは無理です;求められているのは医療機能ではなく、日常生活に関わる「介護支援ロボット」の機能 だと思います。皆さん方は 「将来のロボット像」を どうお考えですか?

  参考:1) Chris Carroll : Us. And them. Robots are being created that can think, act, and relate to humans. Are we ready? National Geographic 8:66~85, 2011. 2) 床から車いすへの抱き上げ移乗ができる介護支援ロボット:world/info/release/press/2011

職員の声

声1: お年寄りが増えれば、猫の手も借りたい でしょ;ロボット支援は時の流れです(係り:パールが始まった13年前、パソコンの操作ができた職員はたった3人 ! 今は全員 !! 今昔(こんじゃく)の念に打たれます;この調子ならロボットも扱えますね)。

声2:介護の人手不足に外国人を呼ぶのは得策ではない;英・独・仏が泣いているよロボットなら 簡単にレイオフできるし。

声3:ロボットを入れて我々が楽(らく)になるの?(係り:駕籠方(かごかた)は10人で一人をお運び申し上げた;バスの運転手なら一人で50人を運べる;能率は500倍 ! ;しかも雇用は増える ! だから バス= ロボットは受け入れられた)。

声4: 今、ロボット機能として大事なのは「フォークリフト機能」と「ベットへの体重分散機能」だと思う;もっと有益な機能をドンドン入れて欲しいけれど、とかく感情的になるご家族の教育・理解も必要です。

声5:ロボットの反乱」という映画を見ました;やはりロボットの調整はヒトが行うべきです(係り: 「心・知能」をロボットに入れれば、「反乱」も起こり得る;でも それは種切れの小説家の脚本に過ぎない;仮に「外見も機能も」ヒトと区別ができないロボットができたら、それはロボットではなくヒトです戸籍も入れ、結婚もできます)。

声6: 私はロボットに老後の世話して貰えるのを楽しみにしています係り:召使いロボットなら 気兼ねがいりませんからね)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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