(307) 日本 の 福祉 の レベル

  (307) 日本と世界の福祉    

 先ごろ 新聞・テレビで報告があった大事な話が私の頭から離れません。その話の出所はニューヨーク国連の研究機関で、タイトルは「世界の個人の富の状況」です。

♣ それによると、「日本は一人当たり 平均 約2000万円の富 を保有し、世界一である」と言います。日本の富の多さは、欧米諸国をしのぎ、豊かさで知られる産油国をも越えるそうです。この研究は国連大学・世界開発経済研究所(ヘルシンキ)が実施しました。「富の定義」は、不動産や預貯金などの個人資産から借金などの負債を差し引いたものです。

♣ 日本はトップ、米国は約1400万円の二位、他方、アフリカのザイールやエチオピアは約2万円であり、なんと千倍の格差があります。本当でしょうか? ご存知のように、日本は物価が高いので、購買力で計算し直すと、スイス・英国・米国などを下回るそうです。それにしても、個人別に計算した富が日本は世界一だって、皆さん、実感できますか?

♣ 皆さん方や私は「福祉の職員」ですから、こんな話を聞くと、すぐ、世界の福祉事情との比較を連想します。韓国や中国の人々も、日本に視察団を派遣し、日本のような福祉制度を作ることを目指しているそうですが、まだ実っていません。

♣ 先月 ドイツからお客様が見え、パールの実情や経営を視察されました(ドイツ厚生省・Dr. S.F. W.、ドイツ大使館・Dr. M. P. ほか2名)。お話によると、ドイツの福祉は、近隣諸国とのアンバランスもあって、たいへん困った実情である由、日本やパールの知恵を借りたいと申されます。私は20年まえにドイツ・ミュンヘン市の福祉施設を視察したことがあるので、感無量の想いでした。つまり、今や、日本は視察に行く立場から、視察を受ける国に育った のです !

♣ 皆さん方は日々、パールの建物を中心軸にして、自転車のハブのようにケアにお出かけです。行く先々で「日本の実情の不足」をイヤというほど見つめて、またパールに戻り 情報を交換されています。おそらく、日本は裕福だ、と感じる暇はない でしょう。でも、世界事情を踏まえ ここで頭を整頓すれば、日本の福祉のレベルは、国連機関が述べるように「世界一の個人の富」を持っている国柄を反映していると言えるでしょう。人間、不平を言い出せば キリがありません。よその国の事情を聞けば、「ヒト・モノ・カネ」の点で 日本は優りこそすれ、決して劣ることはない のです。

♣ つまり、私たちの福祉の仕事は 貴人の仕事 = 「ノーブレス・オブリージュ*) と呼べるのではないでしょうか。実感の有無は別として、私たち「富める?日本人の責任」を果たすべきでしょう。

♣ こんな話を聞いても、私たちは 決して「奢る(おごる)ことなく」、貧しかった戦後の社会から学び取った経験を活かして、前進して行きたいと思います。

 参考:  *) ノーブレス・オオブリージュ = 尊き身分を持つ者にはそれ相応に果たすべき社会的責任と義務がある、という欧米社会の基本的な道徳感。 cf パールの安全管理 # 44 : ノーブレス・オブリージュ(= Noblesse oblige)。

職員の声

声1: 日本の個人資産額の平均値が「世界一」とは驚き です(係り:そうかも知れませんが、信じ難い思いですね)。

声2: 日本の富の分布は、以前より拡大したと報じられています(係り:戦後の一時期は「生活給」で、ほとんど皆同一給、今は給料の幅は拡大しましたが、しかし欧米の幅より1/10以下です)。

声3: 物質的にはともかく、日本はまだ 心貧しい国 です(係り:資産とは別に、心が貧しいとき、良い効果は得にくいですね)。

声4: ドイツの介護制度が優秀だからこそ 日本が学んで取り入れたはず、そのドイツがパンク寸前とは、いったい どうしたことですか?(係り:ドイツ・フランス は大国ですが、周辺国との格差 が大きく、現金給付という制度もあり、摩擦が多い ようです)。

声5:モノの豊かさの次には「心の豊かさ」です;地域社会を支えるボランティア活動を進めて行きたいです。

声6: 日本の裕福な外交官関係のスタッフ、アメリカ在住ではボランティア活動をされるのに、日本にお帰りになると 「何もなさらない」、ナゼでしょう?(係り:ボ活動の文化は一気に育たないのですか?)。

声7: 日本の福祉を学びたい、という国々があるというのは、とても嬉しい;伝えたいし 教えたいです。

声8: ノーブレス・オブリージュ富める者の責務、Noblesse oblige)とは良い言葉、日本が裕福になっても、私は福祉を支えて行きます(係り:世界には「富める者の病い」(= ノーブレス・マラード、Noblesse malade)というのもあります、(たとえば 守銭奴 (しゅせんど) 、族議員、天下り官僚など)、いろいろの社会の実態を よーく研究 しましょう)。

声9:私はパールの社会的責任の重さ を実感し、進んで協力を励んでいます。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR