(320) 介護期間 を 短縮する

(320) 介護期間 を 短縮する   

 厚労省やマスコミは 近年 「寿命はそのまま 介護期間を短縮する方法」を手探りしています。

♣ そこで現状を振り返ってみます。問題になっていることは、日本の平均寿命(以後 寿命)は世界一なのに、健康寿命は それほど長くない、という現実です。データを提示しましょう:― 寿命 = 健康寿命+介護期間 とすれば、女性の寿命(86.3歳)= 健康寿命(73.6歳)+ 介護期間(12.7歳)です。男性は 同じく79.6歳 = 70.4歳+9.1歳です。「介護期間って何か」と言えば、①「要支援1以上」、②「寝たきり」、③「入退院の出入り」などだと説明されます。考えてみてください:これら ①②③ は 日本だからこそ可能 かつ実在しますが、諸外国では存在困難ですね。

♣ でも 介護期間ゼロ は 現在でも 存在し得ますよ。たとえば:戦死・心臓死・交通事故死・自殺・溺死・重症感染症死(急死・ピンピンコロリ死)など。これらの死亡なら 介護期間は ゼロであり、寿命 ≒ 健康寿命となりますが、これって望ましい人生でしょうか?少しヘンですね、だって 低開発国では この種の死亡が多い のです。

♣ さらに もう一度 介護期間ゼロって何なのか を確認するために、80年前の日本に戻ってみましょう —— その頃の寿命は45歳、上記の①②③はほとんどなく、介護期間は限りなくゼロでした。つまり、歴史的に見ると「人様のお世話にならない時代では、寿命も短かかった」ことが分かります。パラドックス(逆説)のように聞こえますが、「介護期間を伸ばせたら、その結果 寿命も確実に伸ばせた」のです1) 。つまり、馬齢 (ばれい) を認めることによって 2) 、数値上の寿命も伸ばせます。せっかく伸びた介護期間を 厚労省は短くしたいと言いますが、それは寿命の真実を理解していないのです。

♣ 以前、この「安全管理」で「介護期間 8%の法則3) をお示ししました。今の日本女性の寿命は86歳ですから、86歳×8% ≒ 7歳 は「介護期間の平均値」です。この介護期間を5年~3年などと短縮すれば初志貫徹ですね。ところが 現実の「介護認定者数」は この10年で 2.2倍 に増えています(日経 2012.6.30)。その理由は、高齢化が進んだから です。でも、もし政府の方針によって、「元気な老人が高齢化した」のなら、「介護認定者数」は 2.2倍も増えるハズはありません。ところが 現実には 著しく増えているのだから、政府の掛声に関係なく、「老人の高齢化は必ず介護認定者数の増大を伴う」という現実を認識する必要があります(少なくとも 統計的には)。「介護期間 8%の法則」は 簡単には崩れません。私は、介護認定者数の増加を予防するためには、能動的に 「社会貢献、生き甲斐人生など」を試みて、少しでも人生を 「 活動的に 」生きることが必要であると思います —— 私の周辺では、そんな人が たくさん おられます。

♣ 人間は「繁殖期」(50歳まで)を元気に過ごし、次の「癌克服期」(85歳まで)をうまく乗り越え、そして立派に「老年期」に到達しますが 4) 、それは立派であり、平均的には それで十分ではありませんか。あまりハッスルして健康は 「受身で 無限に可能なのだ」と、老人を煽ってはいけないと思います。

♣ 長寿の達成と その維持には莫大なコストが掛かっていますが、それを「ペイゴー5) という考えで実行する現状が やっとやっとです。だって、世代会計で分析すると1) 高齢者はご自分の積み立て金の5倍を すでに消費し、不足分を 若者の世代から調達してもらっているのです。もう限度いっぱいです。この分限を越えると ギリシャの悲劇 6) が きっと襲ってくるでしょう。

♣ そこで私は提案します。私たちは「人生を 能動的に 生きることによって 初めて 要介護期間を短くできる」でしょう。それは「脳トレ」や「筋トレ」のような「受身の姿勢」では達成できないと思います。

参考:パールの安全管理  1) # 302 : 世代会計。 2)  # 266 : 年金と介護の行方(馬齢)。3)  # 297 : 健康寿命と最期。 4) # 254 : 人生を三期に分ける。 5) # 107 : ペイゴー。 6) # 311 : ディオゲネスの幸せ。

職員の声

声1: 福祉の充実により せっかく伸びた介護期間をナゼ短縮したいのですか?(係り:伸びた介護期間を「長く生き過ぎた ! 」として悲しむ老人が増えたこと、同時に若年層が支えきれないほどの大きい予算が必要となったからでしょう)。

声2: 長寿は人類の夢です;馬齢 (ばれい) の長寿はお断りですが、自立した長寿を求めたい係り: 現在、長寿の大部分は馬齢 です。しかし、求めよ さらば与えられん、という格言があります;将来の努力によって あなたの希望はかなえられるでしょう)。

声3: 私は他人の懐を当てにして長生きする つもりはないです(係り:認知症の方で経費自立の方は ほとんどありません —— 人の懐によって生きておられます)。

声4:そんな自分の老後状況を選べるのでしょうか?(係り:悪い生活態度の方 7) 若くして要介護となり、介護期間もダラダラ伸びます:国の予算が追いつきません)。

声5: 年寄りが仕事を続けてご自分の介護期間を短縮するのは結構ですが、若者の就職口が減り、自立が難しくなります(係り:憲法は「最低の生活保障」を謳っていますが、 「最低」の意味が見直され今後「寄生虫」退治と節税が提案されています)。

声6: 死ぬ日まで働けば、日本経済は潤います係り:厚生省の狙いはそこですね;でも今のお年寄りが納得して働いてくださるかどうか?)。

声7: 齢とってから「短い介護期間」を希望してもムリです;若い頃から 自分の健康・悪い生活態度回避 7) に注意しましょう;将来 介護期間を短くできない人は自業自得になると思います(係り:イソップによると、蟻はキリギリスを救えなかった ようです——若い頃 怠惰・贅沢にふけると ギリシャ病にかかり、介護期間の長い 哀れな老後 になるかも知れません)。

参考: 7) パールの安全管理 # 324 : あなたの輪廻(りんね)
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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