(456) 痛し 痒 (かゆ) し

  (456) 痛し 痒 ( かゆ )

  “掻けば痛いし,掻かなければ痒い”ことを 私たちは よく経験する。その意味は‘ 一方を立てればもう一方に差し障りがある ’ことだ。今日は 前回の「安全管理(= # 455: 多々老・少子化)」で懸案になった三つの問題を紹介し、あなた方や私が意見を出し合って その解決案を練ってみたいと思う。

まず 井上智未さんの「声8」= 私が生まれた年の赤ちゃんは120万人で、老人数は約2,000万人;逆に 私が老人になる頃は「少老・多子」になっているだろうか? 係り: 面白い質問だ。あなたの歳に30年を加えると50歳かな? その頃なら 老人は今の2倍に増えて45%だ . . . さらに15年加えて あなたが65歳になると どうなるだろうか? ―― 今の中年の人たちは医療介護の進歩によって 更に多数が生き残る運命にあるから、「多々老・少子」は もっと膨れるだろう ―― 選挙票を持つ老人のエゴイズム が続く限り、ご期待の「少老・多子」は夢のまた夢に終わるかも知れない)。

✄ 検討 ✄ ① 30年後に老人の人口比率が45%に増えることは推計学で確かめられている。ただし45年後に 更に増えるか否かは定説がない。ただ言えることは、医療介護の進歩は想像もできないほどの高度に達することは確実だ。山中伸弥先生のiPS臓器作成は完成しているだろうし、ガン征圧は90%達成しているだろから、「人は死ぬに死ねない ! 」。話題提供の井上智未さんより年上・‘中年’の人口は多数が生き残り 老人人口を著しく増やしていることは ほぼ間違いない。その上、老人と言えども 我が身は可愛いいから政治家に働きかけて 老人の優遇策を練るハズだ。かくして「多々老少子」は膨れ上がる。福祉家のあなたは どう裁定するか?

♥  第二の懸案 = 老人が ‘幸せで 長生きすること’ に異存を挟む人は どこにもいないだろう。昔は その達成のために個人とその家族が それなりの甲斐性で努力をした。しかし現代では 政治家が ‘幸せと長生き’を配給する時代に替わった。政治家は国民から税金を徴収し この目的に支出、老人一般は 個人的な努力なくして多数化する。そして この流れを支持する お金は いくらあっても需要を賄えず、「多々老少子の問題」に突き当たる。

✄ 検討 ✄ ② 現在は、老人の‘幸せと長生き’は政治家が“配給”する時代に替わった ―― は 小金( こがね )を貯められる家族が老人を家に抱えて世話をした――は 福祉制度の進歩によって、老人一家の個人的努力の有無に拘わらず 高齢化が可能で しかも老人は多数化し、社会がその支援に疲弊 ( ひへい )するほどになった。格差のない民主化の流れはこの運命にあり、多々老少子化の社会経営は予算枯渇でしぼんでいく。福祉家のあなたなら どう裁定するか?

③ 最期の懸案は 入江施設長から出された = そもそも 生命存在の最大目標は「汗を流して働き、お互いに助け合い、そして子孫繁栄を達成すること」ではないか?ならば、不足するお金の使い道を どこに使えばよいか は自明の事であろう。現在の社会福祉は 老人重視の視野狭窄に陥らず、生命存続のための「王道」を思い起こし、将来を見つめるべきである。 

✄ 検討 ✄ ③ 人間に限らず、あらゆる生命存在の最大目標の三つは上記の通りである。人間だけは“知恵”のゆえに、歳をとっても 生命の喜びを謳歌( おうか )するが、基本は、その喜びが 子孫繁栄の目標に合致するハズである。ところがどうだ ! 日本では徳川時代から「親の病気を治す薬のために、娘は身を落として売られていく」という涙物語が案外に受け入れられている。現在の介護時代にも その余韻が残っていないか?それは 皆の不幸に繋がるだろう。

結論: お年寄りの不自由な部分だけを目に付けて 視野狭窄的なクレームを繰り返していては子供たちを遇する余裕がなくなってしまうく人には‘礼儀’を、育つ人には‘愛’を !  福祉家のあなたは どう裁定するか?

職員の声

声 1: 昔は それぞれの人の甲斐性で、努力した人のみが高齢化した が、今は努力なしで高齢化する時代となった ― その生活経費も‘他人任せ’で良いのか?―― 高齢化は結構だが、そのツケを僕らが払う のは“痛し痒し” だ(係り: 元来老人は「自己積立金」の年金で暮らしていたが、1990年代の半ばから、若者が老人の年金の一部を受け持つ“賦課型”に変更された ―― 相互扶助という名目ではあるが、実態は一方扶助であり、若者はやせ細る)。

声2: 親の介護で(痛し)子供が自分の人生を犠牲にする(痒し)のは不都合である;しかし「逝く人に“礼儀”を、育つ人には“愛”を」は素晴らしい合い言葉だ係り: イギリス・スエーデンでは2012年、子が親を扶養する義務から解され、社会に活性がもたらされた . . . その点、日本はまだ儒教( じゅきょう )の国なのであろう)。

声3: 福祉予算が逼迫( ひっぱく )しても(痛し)高齢化の傾向は止められない(痒し)、対策はタバコ税・パチンコ税?(係り: 徒食性老人のために、ナゼ労働者の喜びが制限されねばならないのか?)。

声4: 都議会のヤジで、結婚しない女性は(痛し)子を産まず 社会に貢献しない(痒し)と言われ、私の心は痛んだ(係り: 生涯未婚率は 男20.1%、女 10.6%であり、子の親にならない人は 男で 2倍も多い;正しくない知識で女をいじめるのは 中年男の性( さが )であろう)。

声5: 「死ぬに死ねない」で生かされている老人が増えているのは怖いことだ(係り: 戦前は 子育てが終われば 人は死んだ ―― 近年は医療介護の大進歩と共に 子育てが済んでも人は死ななくなっ ―― することが無いのに(痛し)人は生きている(痒し) ―― 医療介護は 人を長生きさせる以外の「能」はないのか?)。

声6: 日本国は福祉費の70%を老人対策に、たった4%を子供対策に使っているだけだ(係り: 老人対策は選挙の票獲得効果が大きいが、子供対策は票にならない . . . 政治家は自分の当選にしか目を向けない)。

声7: 老人が多くなっても、働いて税金を納めてくれれば 何も問題はないハズ(係り: 老人に労働を期待するのは“虐待だよ”と捉えるセクトの人が少なくない実態がある)。

声8: 他人から「幸せ感」を押し売りされるほど迷惑なことはない(係り: 昔は‘幸せ’を自分で見つけた ―― 今は政治家が予算を付けて‘幸せ’を配給する(痛し) ―― ‘幸せ’と答えなければ配給は減るよ(痒し)。

声9: 老人はどんどん増える;病気の治療費は高額になり、金持ちは長生き・貧乏人は死ぬまで働き早死にする ―― この先、どうなるか?(係り: それは はっきり違う;昔から 王様・殿様は贅沢のなかで早死にしたものだ;今100歳寿の人たちで金持ちは むしろ稀な実態である ―― 介護保険下では、金もなくスポーツ歴もない普通の人が一番長生きしている)。

声10: 老化は、人の諸操作の有無に拘わらず、時間通りに進行する;「介護予防」などの試みは「建前論」の行為であって「本音」の老化は 時間通りに進行しているよ(係り: 予防活動は 若者で言う「引き篭もり防止」の役割はあるし、気分が華やぐ効果もある だろう ―― 一頃行われた 脳トレ・筋トレと同じで、本質的には 若者に用いられる =  「鉄は熱いうちに打て ! 」の効果を期待しては可哀想だ
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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