(522) ナ ゼ 少 子 化 ?

  (522) ナ ゼ 少 子 化 ?

多々老・少子化 と言う掛け声にはウンザリするが、 今回は少子化に的を絞る。

♣ 子供の出生統計には 「完結出生児数」 と言う考えがあり、これは 「結婚後、19年 過ごした夫婦の平均的な子供の数」 のことである。この数は 1970年 頃から以降、ずっと 2.2人 で経過し、最近は更に低下して 1.96人 と 初めて 2.0 を割り込んだ。つまり、結婚後 平均で 二人 の子どもさえ産み育てることが できなくなった。

♣ 「高齢化」 の原因は 「介護の賜物」 だから、理の当然であって説明を要しない。でも 「少子化」 はナゼ起こるのだろう? その原因は多数 提示されているが、ここではそれを “三つ” に絞ろう。

ナゼ少子化?

女性側の原因 : “平均初婚年齢” は 今世紀に入ってからも グングン延び、2013年度 の調査で 男性 30.9歳 女性 29.3歳 になった(図 1)。従って、女性の主力の出産期間は ほぼ 31歳 ~ 36歳 の 5年間 であり、一昔前の期間 = 15年間 に比べて 1/3 に短縮されている。平均挙児数が激減するのは 理の当然であり、改善の余地はナイ !

♣ おまけに “妻たちの声” は高らかである = “子育て ・ 教育 にお金が掛かりすぎて、昔のように沢山は産めないわ . . . 私も楽(らく)したいし” 。政府は 「育児費援助」 の政策を取っているが、“義務教育が終わったら ‘援助金’ は打ち止めになるし、「その位のお金」 では出産のリスクは取れません”。

次の原因は 「嫡出性 (てきしゅつせいの縛り」。図 2 をよく見て欲しい。これは全世界の 「婚外出産の百分率」 を示す。なんと 子供の過半数が婚外子の国は 「 北欧 ・ 米国黒人 」 に見られ、40 ~ 30 % は 「欧州 ・ フランス ・ カナダ 」、20 % は「ドイツ ・ 米国白人 ・ 東欧 ・ オーストラリアなど 」 で、婚外子 つまり日本で言う ‘非嫡出性’ に対する考えが おおらか である。

ナゼ少子化?

♣ これに対して、日本の数値は なんと ゼロ に近い「 1 % ! 」だ ―― 子供が ほぼ純粋な嫡出児で構成されている ! これは 世界に誇るべきことではないか? だが、この純粋性に妥協を許さない社会であるからこそ 少子化が もたらされているのではないか? え?解決のために 「婚外子」 を 多く産んだらどうかって? ウーム、痛し痒しである !

三番目 でかつ、真の原因は、驚くなかれ、「介護保険の充実」 にある、と近年 理解されるようになった。「子育て」 は、本来、自分の 「老後の生活」 が掛かっていた ; 一定数の子を産まなければ、昔の夫婦の老後は悲惨なものだった。ところが、この重大な問題を 介護保険が代理するから、苦労の多い子育てを パス する男女が激増したのである。

♣ 介護保険が充実されていくにつれ、人々の心は 親を看る気持ちが薄くなり、自分たちは楽(らく)を求め、社会に貢献する責任感は希薄化していく。政府の敬老プランは、残念ながら 先を見透す視野が狭く、これが仇になって 「少子化」 は ますます進み、その結果 世代間の相互扶養型の介護は崩壊に直面して行く。

♣ しばし こんな言葉を聞く : ―― 戦後の大混乱を必死で働き 経済発展を遂げて現在の豊かな日本を形作られた ご老人たちの ご苦労に報いる ために介護保険であらゆるご恩返しをするのは、若者たちの義務 です、と。

♣ なるほど、親や老人を大事にする姿勢は貴重であるけれど、別に親たちが特別に苦労した訳ではなく、今の我らと何ら変わらず 努め続けだけである。その時代は、発展の 足かせ になる老人たちは ほとんど居ず、労働人口は過剰で、言ってみれば 「人口ボーナス状態1 ) であって、彼らは単に経済発展の流れに乗っただけに過ぎない。それどころか、彼らは 借金 1,000兆円 の返済方法を子孫に投げやり、ぬくぬくと 今の安泰な老後を過ごしておられる。子孫の納税者たちは 踏んだり蹴ったりの憂き目に会っており、子をつくる暇がない。

♣ 一つのエピソードを挙げてみよう。サボテンは放置しておくと 季節が来れば 自然に花を咲かせ、実を結び、繁栄する。しかし もし 水と肥料 を与え 手 を加えると、サボテンは実を結ばず 増えもしない。人間も同じことだ ; 将来の保証も ほどほどに留めなければ、人は横着 になるだけである。

♣ 私たちは介護の仕事に熱心であればあるほど 「少子化が強まる」 という矛盾になんだか割り切れないものを感じる。あなた自身も 介護保険に守られる自分の楽(らく)な老後を夢見ていないだろうか? 私は 介護保険の展開と少子化が 因果関係で結ばれている可能性を指摘したいと思う。1864字

結論:  少子化の原因は 「(イ) 晩婚 ・ (ロ) 嫡出性の縛り ・ (ハ) 介護保険の充実」 が濃厚である、と推論した。 将来展望に欠ける 介護保険の過保護実施は 少子化の勢いを促進する。 逆説の立場から 各項目を熟慮して、世界の目で、先行きの展望で 解決を図ってみたい。

参考 1) 新谷冨士雄・弘子:明日の介護と人口オーナス、福祉における安全管理 # 499、2015.

職員の声

声1: 日本は ‘婚外子’ の道を歩むべきではない、しかし人口が減って行き、ホンコンのような小さな国になり果てても困る(係り: 無いものねだりでは解決にならない ―― やはり 先進諸外国のように 嫡出性のルールを何とかして 「婚外子に対しても ‘おおらかになる ’道」 を探そうではないか)。

声2: 少子化の原因として 「 女性の立場 ・ 介護保険の充実 」 は 当人たちの ‘身勝手さ ’を嘆けば済むが、‘嫡出性’ については 「世界は広いなー ! 」 とつくづく感じる(係り: ‘母を尋ねて三千里’ という日本人泣かせの子供物語があるが、あれは西洋人の例外的な嫡出性の愛情物語なのかなー?)。

声3: 私は 3人 兄弟姉妹で その有り難みを日々感じている~~少子問題に関係なく、私は何人かを産むつもりだ(係り: 時代が違うと怒られそうだが、私 (係り) は 12人 兄弟姉妹 で今なお 8人 が健在、いいものだよ)。

声4: 老人介護は大事な仕事だが、次世代の育成はもっと大事だと思う(係り: みんなが納得する標語 = “子供は国の宝” ; されど 「老人は国の宝」 とは聞いたこともない)。

声5: 満足とは “するも しないも 本人次第 ! : 老人福祉には莫大なお金が掛かるが (年間 10兆円 、国庫予算の約 1/ 5 )、そのシワ寄せ が子供放置でよいのか?(係り: 理由はしごく簡単だ ―― 政治家は老人票で当選できるが、子供票では落選となるのだ)。

声6: 介護保険の充実と言うが、誰がそれを望むのか?老人にとっては有難いだろうが、若者の負担は多大となり しかも ‘少子’ に傾くので、‘介護の充実’ もほどほどにして欲しい(係り: 日本の政治家の民度を あなたは どう評価する?彼らは若者の負担について興味が無いようだ)。

声7: 介護保険の充実は私の望むところ、しかし 一千兆円 の借金を払い戻す見通しがないので、私の老後に光は見えない(係り: 選挙の都合で ‘目先だけの老人優遇’ では若者が ますます苦しむ)。

声8: 介護の充実が少子化に繋がる、とは 意外だけれど 一面の真理だろう … でも介護熱心で子持ちの家族 もありますよ(係り: パールで 要介護 4~5 で 10年 以上暮らしている方があるけれど、驚くなかれ… 必要経費は 10年間 で 5千万円 ! ―― これを 家計で負担できますか?  介護と育児の両方の家計出費はできません)。

声9: ヨーロッパ型の少子化対策は政府が真面目に長年に渡って取り組んだ結果である ―― だが日本人は みんなが 次のことを知っているのだ … つまり 「育児省略の楽 (らく) 」 を知ったからには もう止められないのだ(係り: レッセフェール (なる にまかせよ) でお茶を濁すのか?日本人って そんなに他力本願だったのかなー?)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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