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(718) ト ー ク and リ ラッ ク ス

  (718) ト ー ク and リ ラッ ク ス 
 
 デイ・ サービスのご利用者は 要介護の レベルが 「要支援 1」 (最低)から 「要介護 5」 (最高) までの全範囲の方々がご利用される。

♣ 活動レベルの低い方々は 「ほのぼのクラス」 で、別個に対応している。今日の話題は 認知 レベルの低い 「ほのぼのクラス」 のご利用者との会話 (トーク) の方針についての勉強をする。「トーク」 とは介護の中で難しい手技に属するが、傾聴しながら 「否定も肯定もせず」 、相手方の 「おしゃべりの充足感」 を受け止めるという意味だ。

Y 様( 82 歳女性 要介護 1) は自立歩行の不自由な方であるが、会話の中で 「今朝 早くから公園まで散歩に行ったの」 とか 「夜中に孫に起こされて大変だったのよ. . . 」 など、“ハテナ?” と思うことを よくおっしゃる。初めのうちは信じていたのだが、どうも話の筋道がおかしい。それが本当かどうかを聞き分ける方法があるのだろうか?また、どんな対応が望まれるのだろうか? 精神科の O 先生 にお聞きした。

♣ < O 先生 >:―― 「本当」 を知りたければ、「その公園の名前は? いつ、誰と行ったの? お孫さんの名前は?」 のように 畳み込んで 訊ねればよい。しかし、真実を確かめて、何か利益があるだろうか?

♣ たとえば、幼稚園のクラスの中には、キャラクター・ グッズが沢山あり、子供たちは夢の中の主人公たちと遊んでいる。あなたは子供たちに 「そんな英雄は この世にいない」 と、たしなめるだろうか?

♣ ここが大事、相手のお話は 「まず肯定」 する; もし良い関係になったら、後 「否定」 することもある。「話を膨らませ、しゃべってリラックス」 と聞けば、それはあなた自身の 願望充足 にも繋がらないだろうか? なんとなく 井戸端会議 にも似たところがあって、まさに 「 トーク and リラックス」 である。

トーク and リラックス


♣ 夢を奪ってはいけない。この程度のことなら、ウソ と決めつめないほうが良いだろう。会話は 「キャッチボール」 しなければ成り立たない。“合いの手” をうまく入れる方法を研究し、場が盛り上がるのなら ウソ にこだわらない。

♣ 「ワシの息子が木に登っている」 と語るご利用者; 外に出て確かめてみたら、登っていなかった、こんな場合、ご利用者の声に反応して外に出て確かめれば、そのご利用者もご満足されるだろう。この場合でも これは、「作話」 (さくわ) でも 「健忘」 (けんぼう) ** でもない ! 彼はしゃべってリラックスしているのだ。木に登れたらいいな、という 「願望の充足」 なのである。無理に否定せず、話を合わせ、その場の雰囲気を大切にするのが良い。

♣ 私 (理事長) も 「お話おばさんの学校」 という会を、児童文学者の 中川李枝子さん・ NHK 朗読者の花形恵子さん とで主宰してきて、全国行脚 (あんぎゃ) をしてきた。子供たちは お母さんとの対話で感性や想像力・ 表現力を豊かにする。 「それからどうしたの?」 「どうしたらいいと思う?」 と話を膨らませてあげる。

♣ だから、お年寄りの非現実的なお話に対しても、それに関心を持ち 会話を膨らませることで、楽しむのが一番良い。これこそ「 トーク and リラックス」 であって、語るお年寄りの願望が充足されていく のだと思う。

参考: 作話(さくわ) とは 作り話を語る心理現象の一つである: その中では、事実の経験でないことについて、あたかも事実であるかのように、周辺環境と辻褄が合うように語られる。お話の 「浦島太郎や桃太郎」 などの 「語り」 とは 話の目的が全然 違う。

なお、 ** 健忘 (けんぼう) とは、過去の “一定期間の記憶” が失われることで、単に “忘れっぽい” だけではなく、記憶の片鱗さえ残っていない。病気としての健忘は、認知症の場合やア ルコールを飲んで睡眠薬 を使ったとき・ 頭部外傷のあとなどに見られる。悪気などは少しも無い嘘なので、よく観察して見分けよう。1559字

要約: 傾聴しながら 「否定も肯定もせず」、 「おしゃべりの充足感」 を発揮すること、これを 「トーク」 の技術と言う。 トーク and リラックス では、相手方の 「願望の充足」 を果たすのであり、無理に否定せず、話を合わせ、その場の雰囲気を大切にする。 「お話おばさんの学校」 という私 (理事長個人) の 「トーク」 全国行脚 について語った。

職員の声

声1: 私は、重い認知症のかたとの会話に、どうしたら良いのか戸惑っている … 私の経験が まだ浅いからか?(答: その要素はあるけれど、「習うより 慣れよ」、あと一息だ)。

声2: トーク の大切な 三つの要素 は:―― 話を膨らませること、 話を否定せず、雰囲気を大事にする、 非現実的な話であっても それに関心を示す(答: これによって話題は 「好循環」 に入り、より良い人間関係が得られる)。

声3: 今 はやりの A.I. だけでは 会話の対応が出来ない… 語る技術よりもむしろ 「聞く技術」 が求められる(答: 子供の場合 “それからどうしたの?” とお話が続くが、お年寄りでもこれを実現しよう)。

声4: 会話の能力が大事だとのお話であったが、こんなことが話題になる今、諸外国からの介護職員を導入して より良いサービスが実現できるだろうか、心配になる(答: パールとしても心配だ… 介護の実務だけで精一杯なのに、日本語 で愛をやさしく伝えられるか?それは その人の 「笑顔と心」 に頼るしかないだろう)。

図の出典:https://kaigo.clickjob.jp/column/kaigo-wadai/
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
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