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(741) 薬っ て 何 に 効 く の ?

 (741) 薬っ て 何 に 効 く の ?   

  皆さん方、「薬が効くって」 不思議な現象だと思わないだろうか? 私は一度 「サンタ」 というお話をした 1 ) 。つまり 「使っ良かっ、 効い」 の 「3 」 である。健康増進薬やお化粧品の多くは 「サンタ」 なのだ。

♣ 次に 「プラセボ」 の話もした 1 ) 。新薬が世に出る前には、プラセボ という 偽薬 が必要であった;その偽薬が案外に本薬よりも有効なことがしばしばある ! このことは 「インチキ」 でも何でもなく、人の心のなせる ワザ なのである。

♣ 「薬」 といえば、関連語は 「治す」 だろう。何を治すのか、と言えば 「やまい」 と来るが、「やまい」 は 何万種類 もあるので話が発散する。ここでは、「自覚的にも 他覚的にも効く薬」 を考えよう。そんなものの代表は、数種類くらいしか存在しない。

薬って何に効くの?

♣ まず、歴史的には 痛み止め」 だ。世界での始まりは かの 「アスピリン」 である( 1899 年)。この薬は確実に効き、本当に有難い。明治時代 よりも以前に、体の痛い人々はどうしていたのだろうかと昔をしのぶ程である。

♣ 次に効くのは 輸血」 ;これは 1915 年に クエン酸 が血液の凝固を防ぐことが発見され、輸血の実用化が始まったのだ。第一次大戦は 1914 ~ 1918 年の後半の時期には、兵士の出血死を 輸血 で防ぐことに貢献出来た。

抗生物質」。アレクサンダー・ フレミング の抗生物質 ペニシリン の発見、その実用が挙げられる( 1929 年);このおかげで第二次大戦時のイギリスの首相 ウインストン・ チャーチル は肺炎死から免れ、祖国を救ったという有名な風聞がある。

薬って何に効くの?

そして、ご存知の「 インスリンステロイド 」!! これらはヒトの体の中に実在する成分であり、インスリン は豚の膵臓から抽出され、順次 ヒト型 の成分に変更された。ステロイド は主として 「副腎皮質ホルモン」 である。効くなんてもんじゃない ! これらは効き過ぎてトラブル続きだった !!

降圧薬秋田県 は日本一 脳出血 の多かった県だった; 白いご飯と 漬物 という食習慣を改め、降圧利尿薬を用い、アッと言う間に、脳出血の汚名を返上してしまった。 しかしその後、脳出血に代わって 脳梗塞 が増え始めた。いったい、薬って何に効くものだったの?

抗脂血症薬。先進国では 「治す薬から長生き薬へ」 と代わってきた。その ターゲット になったのが抗脂血症薬だ。うまい物をたらふく食って、太って、長生きしたい。その血液内には コレステロール という脂肪分が溜まっている; こいつを叩こう !!

♣ 20 年まえは血液 100 cc 中 250 mg を正常の上限とされていたが、以後 220 mg に、さらにどんどん下げられる機運にある。これにより、薬の適用範囲が広がり、世界中で 何億人も多くの人たち がこの薬を飲む羽目に追い込まれた。

♣ ヘンではないだろうか?そもそも体の中のコレステロールは その 60 ~ 70 パーセントは自分の肝臓で作られている。コレステロール は性ホルモンの基礎物質であり、また 「細胞膜」 の素材でもある。コレステロールは 罪人ではなく 「我がスタミナ」 なのである。

♣ この薬を使うと、統計的にコレステロールは確かに下がる。世界の製薬会社はその点で嘘を言っていない。しかし、最近この薬は 何の目的に効くのか 疑われている。

♣ これと同じ疑問が他の薬にも提示されている。例えば インルエンザ の タミフル は世界の 70 % を日本人が消費している、と聞けば 2 ) 、私たちは胸に手を置いて、この事を考えるべき時期に来ていると思うのだ。それは日本人だけに効く薬なのか?果たして効いているのか?

♣ 薬は 研究者・ 薬剤会社・ 医師・ 患者 の間で流通するものであり、上記の薬の ① から ④ まではほぼ正しい流れであったようだが、薬の利用は複雑な要素に もて遊ばれている。

♣ ⑤ の降圧薬は 初期の恩恵を逸脱 して正常血圧の基準値が 160 / 95 からどんどん下げられ、今では 130 / 80 を越えたら薬物適応とされる … つまり日本人の 約半数 が降圧薬を必要としている始末。何のための降圧か?が問われている。

♣ 脳疾患や循環器病の予防で出発したのは正しかったが、血圧を下げ過ぎて 「過降圧 」 の副作用が現在の大きな問題点となっている。⑥ の 抗脂血症薬 は今や日本だけの蛮行とされる始末なのだ。

♣ 薬は 「治す」 ことから 「予防」 することへ、続いて 「売らんかな ! 」 の世界に突入したかのごとき混乱に陥っている。

薬は治しません…本人に治る体力が残っている時に、それの 後押しをするのが 「薬」 なのである。従って、高齢者のように治る体力が衰えてくれば、薬の治す力も衰えてくる。もし薬が効かない場合には 他の薬を増やし、老人の 「多薬治療」 となり、悪循環に悩むのが現状である。

♣ あるべき姿は (A) 一つの病気に原則一つの薬、(B) 効いてない薬は摂取を止める、(C) 水溶性の雑多薬は腎臓に負担を掛けるのみ、(D) テレビからの雑学知識を振り払う。これだけで随分すっきりとしてきますよ。1968字

要約:  薬はおよそ 1 万種類あるが、そのうち代表的な 6 種類の薬の 自・ 他覚 的意味を考えた。 薬は治さない…本人に治る体力が残っている時に、それの 後押しをするのが 「薬」 なのである。 それが日本人だけに効く薬であるとすれば、警戒の姿勢を持とうではないか。

参考: 1 ) 新谷: 「認知症にサンタはなし」 ; 福祉における安全管理 # 708, 2019. 2 ) 「タミフル、世界使用の4分の3が日本 世界では特異」、Blogos ※2019.5.30、

職員の声

声1: 昔、医者に気軽に掛かることはできなかったのに、今では気軽に掛かって薬をいっぱい飲む(答: 戦後 急速に広まり、日本の国民性に一致した医療と薬剤事情、良いことばかりではなく、行き過ぎ事態にはチェックが必要である)。

声2: 薬は 「毒」 という人もある(答: 薬はすべて 「毒」 ですよ、それのごく微量を用いることによって期待する薬効が得られる…だから薬を多量に用いると 「毒」 そのものに逆戻りだ)。

声3: プラセボ とは効かない代用薬が効いた訳だが、本物の薬が効かないこともあるのか?(答: それがあるのだ ! つまり、薬は主役ではなく、本人が主役なのだ…本人の気力をサポートするのが薬なのである…浮気な心には効かないのだろう)。

声4: 「病は気から」 と古くから言われるが、加齢に伴う 「多薬」 には心が痛む(答: もし薬が 「有料」 であったれば 「多薬」 という現象は起こらないだろう… 年寄りが 体の愚痴を言い過ぎるのか、政府の老人優遇処置が行き過ぎなのか、たぶん両方なのだろうな)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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