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(749) 命 の 値 段

 (749) 命 の 値 段
 
命の値段? そんなものは存在しない。でも、存在する。

♣ 42 年まえ、日本赤軍のテロリストが中近東で人質を取り、赤軍受刑者の釈放を求めて、 時の 福田総理大臣 と取引をした。

♣ 総理は 「人質一人の命の重さは地球より重い ! 」 と有名な宣告をし、テロリストの言いなりの 16 億円の国費を支払った。金と人質を奪った犯人たちは楽々と逃走した。このいきさつを知った欧米の人々は、金で解決する姿勢の 金満日本 に軽蔑の目を向けた。

♣ その数週後、同じような事件が ドイツ で発生した。ドイツ当局は日本と同じようにお金を払う と言いながら、犯人たちを安心させ、そのスキに 狙撃兵 (そげきへい) の見事な腕によってテロリストたちは射殺された。世界はドイツに 「快哉 !」 と拍手した。

♣ つまり、凶悪犯の命を 70 億人が住む地球よりも重いと断じ、へんな諺 (ことわざ) を即席して 自身の判断の正当性をかばったどなたかが嗤われたわけだ。この ”いきさつ” で、日和見な世論を気にする日本と、善悪の境界が明確な ドイツ とでは、姿勢が「月とスッポン」 ほど違っていることが反映された。それによって 命の値段はこうも違ってくるのだ。

♣ 私が大学を出た頃 (1955 年)、普通乗用車の値段は 120 万円くらい 大学卒の初任月給は 1 万円足らず。つまり、車を求めようとすると、自分の月給の 10 年分ほどが必要だった . . . これでは車は買えない道理だ。

♣ その頃の交通事故死の 示談金は 100万 円前後だった。なんと命の値段は自動車の値段より安かった ! 今なら、どうだろうか? 被害者の年齢や背景によって異なるが、新聞などをみると、示談金は 2 ~ 4 億円程度。1 千万円のベンツが 20 台くらい買える。この半世紀で、命の値段は 200 倍以上も値上がりした訳だ。

命の値段

♣ いやいや、もっと昔を思い出そう。戦前・ 戦中には 兵役 の義務があり、「赤紙 (あかがみ) 召集」 といって、17 歳を越えた男子は 「ピンク色の書類 一枚」、わずか 1 円ほどで命を国に捧げた ()。現在の命に比べると、「十億分の一」、つまり、ほぼ 「無料」 に等しかった。

♣ 予防注射の話をしよう。私たちは 「天然痘」 「BCG」 などの予防注射は 「義務」 として行われるのが当たり前だった。私の腕には、その時のキズ (キッポ) が残っており、同年輩の男女には、キッポ があるのが日本人の証明でもあった。

♣ ところが 30 年まえの頃から、世の母親たちの権利意識が強くなり、副作用もある予防注射を嫌がり始めた。事実、副作用が出たとき、司法は行政に対して 多額の弁償を命じ、厚労省は アタフタ している。

♣ 考えても見よう: たとえば 5 歳児 100 万人に予防注射をすれば、確率的に 何人かの副作用は出るかもしれない。しかし、それを乗り越えてこそ 100 万人の命が保障されるのだ。でも強すぎる母親・ 日和見の裁判官・ 追加予算を嫌がる官僚たちの現代 ! 自分さえ問題なきゃいいんだ!それでは 病気の拡散は ますます防ぎにくくなって行く。

♣ 確かに、命の値段は昔に比べて、高くなった。幼児や成人、さらに介護の場合の損害訴訟にも影響がある。例えば、99 歳の女性が トイレ で骨折して訴訟され、施設側が 手術・ リハビリ代として 300 万円を支払った例; ドーナッツを食べた 90 歳のご利用者が誤嚥し 肺炎を起こして死亡した方に 500 万円の慰謝料 … 「説明と同意の書」 が用意してなければ、それが現実の取引例なのである。

♣ 最近の話題では、通常の国民年金額が少ないので 90 歳代を生きると 2,000 万円の借金が残る、と政治上の論議が新聞・ テレビでかしましい。昔は人生 50 年、借金などの御用は少なかったが、近年は赤ちゃんを含めた平均年齢が 87 歳、多くの女性は 超高齢までの介護で 予算はかさむばかり。

♣ もし要介護 3 (毎月 25 万円) で 75 歳から 95 歳まで生きれば、25 × 12 ヶ月× 20 年 = 6,000 万円 ! とビックリ。パールでは最近 要介護 4 ~ 5 で 19 年過ごされた方があったが、8,000 万円ほどの経費が掛かった ! 介護保険でのんびり過ごされているように見えたが、その裏の懐 (ふところ) 事情にはタマゲてしまう !

♣ 古今東西の情報を比べながら、賢明な 「命の相場」 を考えるべきでは なかろうか? 私たちのサラリー事情と比べて、安くても高くてもいけない、「尊敬できる相場」 がきちんとある、と思うのだが、あなたはどう思うか、意見を聞きたい。1668字 

要約: 過去の命の取引相場は: 何億円~~ 何百万円~~ 無料など、さまざまであった。 近年は 再び値段が著しく高騰しているようだ。 ヒトの命の終焉 (しゅうえん) と日々接する介護の世界では、どんな 値段 が待っているのか、私らは無関心ではいられない。

職員の声

声 1: 私の命は二度とやって来ないし、命は 「地球より重い」 と思っているから、本文のように 16 億円を支払って貰いたい … ただし クレーマー 相手の場合は支払いを絶対に反対 ! (答: 人質に取られての相談なら賭博 (とばく) でしょう … 肝の太い方が勝つ)。

声 2: 命の値段はあらかじめ決められないが、裁判沙汰になれば決めざるを得ない(答: 介護で多い命の問題は、転倒・ 骨折・ 誤嚥 などで 重症化~死亡 に陥った場合だ…人間、 いつかは死ぬ、特に年寄りは… だが、その判定に 人間関係 の良否は重要な要素であり、インフォームド・ コンセント の有無も大事)。

声 3 : 命の値段は国により、時代によって異なるようだーーまた高齢になるほどお金が必要になるとは悲しいことだ(答: 意外なことではなく、有能な 「弁護士」 次第で お値段は 10 倍程度変わってくる)。

声 4 : 私は、寿命は 神様 が決めると思っている… どんな良い環境であっても、死ぬ時は死ぬ、と思うので相場にこだわらない(答:そのような力強い信念で事に臨めば、流れはスムースに進むでしょう)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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