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(756) 200 歳 ま で 生 き ら れ た ら

(756) 200 歳 ま で 生 き ら れ た ら 

若い お年寄りに訊きくと、“私は人の倍 生きたい” という声をよく聞く。つまり 寿命 100 歳では足らず 200 歳ということだろうか?

♣ “なるほど なるほど、そのお気持ちはよく分かります ” と私は肯定する。でも その前に、ちょっと いろいろ復習してみよう。 

♣ 日本は かって鎖国を採用していたので、明治時代までカロリーの輸入はできず、人口はずっと 3000 万人で頭打ち、その上 平均寿命は 32 歳 程度だった。

♣ 明治維新とともに、諸外国との貿易が始まり、「産めよ、増やせよ」・ 「富国強兵」 の号令のもと カロリーを輸入し、人口は倍増、6000 万人に達した。第二次大戦の頃には、朝鮮・ 台湾・ 樺太 を含め 1 億人に増え、「一億一心」 で戦争を勝ち抜こうとした。しかし敗戦とともに領地を失い、人口は元の 6000 万人に戻り、平均寿命は 43 歳 程度で推移した。

200歳まで生きれれらら

♣ 戦後の日本の特徴は乳幼児の死亡がぐいぐい減ったことである (図 1)。つまり、80 歳が生存しても 0 歳が死亡すれば平均年齢は 40 歳になる。この原理により日本では戦後の 25 年は平均寿命が他国のレベルを抜いて著しく上昇した。これに加えて年寄りが死ににくくなり、平均寿命は毎年上昇し、ほとんど 2 倍に近い 90 歳 に近づいた。国は繁栄し人口は 1 億 2 千万人に達して安定した。

♣ しかしヒトは 100 歳近くになると、もう死ぬ。 図 2 は日本・ 2019 年の人口を示し、ピラミッド型というよりも、むしろ 「灯篭 (とうろう) 型」 に見える程 年少人口が少なくなった。

200歳まで生きられたら

図 3 はこの 図 2 の上方部分を拡大した図であって、70 歳を越えると、人口は男女共に直線的に 毎年 3.3 % ずつ減り始め 1 ) 男は 100 歳で統計的には ゼロ %; 女は僅か 0.1 % 生存のピラミッド型になる。先進国の殆 (ほとん) どはこの型であり、この型を避けて無限に老人が増えた前例は一つもナイ ! 

200歳まで生きられたら

♣ 人口とは、生まれる人・ 死ぬ人 の差し引きだけで決まり、両者が等しくなったのが 2008 年に起こった。つまりそれ以後は、死者の数が生まれる数を追い越すようになった。マスコミはこの現象を 「死の影」が襲ってくる と強調し始めた。しかし それは おかしい、なぜなら 人は沢山生まれれば、所詮 生まれた数だけ、数十年後までには死ぬ運命なのだから。「死の影」なんてありはしない。

♣ 戦後、平和と福祉・ 医療の発展により、従来の寿命 = 50 歳が 30 年以上も延長され 2 ) 、平均寿命もそれ相当に延びた。それ以後は “生まれただけの数がその年の内に死ぬ” という 普通の平衡サイクルに戻ったのである。沢山生まれれば いずれ沢山死ぬのは当たり前ではないか。

♣ マスコミはおまけに 「死の影」 どころか 「少子高齢化」 などのキャッチフレーズさえこしらえ、危機感を煽る … いい気なもんだ。少子高齢化などは、年寄りが死ななくなったずっと前から その兆しがあった。その 50 年間こそ 日本人が長く求めていた 桃源郷 (とうげんきょう) だったのだ――つまり 子は産まれるが年寄りは死なない という訳だ。分かり切ったことながら、こんなことが長く続くハズはない。

♣ さて、現在は終戦時の 2 倍ほど長命になっているのだが、さらに また 「人の倍 生きたい」 という願いを聞き(合わせて 4 倍)、私はこう尋ね返す ―― 今の寿命のうち、どの部分を長くしたいですか?と。

♣ たとえば青春時代を 2 倍に、とか、定年後の時間を 2 倍に、とかの希望を訊く。うーん . . . と、なかなか答えられない人には、漠然と 2 倍ですか?と尋ねる。後者を選ぶ人が多い。

♣ そこで 解説をつけ加える: 漠然と 2 倍 生きたいのなら、小学校は 12 年間で卒業、中・ 高も 12 年間、成人式は 40 歳で、結婚適齢期は 60 歳かな? 女性の更年期は 100 歳、つまり 99 歳まで出産があり得る。仕事の定年は 130 ~ 150 歳、そのあとの 50 年間が自由な老境となる、それが ご希望の内容でしょうか?と。

♣ たいていの人は目を回す ――なに? 成人式が 40 歳だと? 女性は 99 歳まで出産があるんだって?そりゃかなわんわ !! つまり、他人の 2 倍生きたいと言っても、その各論を持ち出すと ほとんどの人はたじろいでしまう。

♣ しかし 「他人の 2 倍 生きたい」 と言う願いは いずれ可能となるだろう。それは 「 2 倍増遺伝子」 がヒトの精子・ 卵子に導入されると予想される —— だって女性は強いし出産は 99 歳まであり得る、大丈夫だ ! ! 

♣ まあ、今からその日の事を気に病んでも しようがない。きっと 明日には明日の風が吹き、200 歳まで生きたいという願いはしっかりと叶えられるだろう。1888字

要約:  人は長生き願望が強く、昔 平均寿命が 45 歳であったものが 2 倍の 90 歳になった。それでも人はこれに満足せず、200 歳まで生きたい。 人口ピラミッドで観察すると、人口は 70 歳を越えれば毎年 3.3 % ずつ減って行き (先進国に共通な現象)、100 歳になるとゼロに辿りつく。 もし平均寿命が 200 歳になれたら、という人生の夢を見てみる。仮にそれが実現すれば、お産が 99 歳まであり得ると言われ、え?どうして?と慌ててしまった。

考: 1 )  新谷: 「屈折年齢と福祉」; 福祉における安全管理 # 579, 2016. 2 ) 新谷: 「死期猶予30年と介護」、ibid # 460, 2014.

職員の声

声 1: 人生 200 歳なんて欲をかくのはやめよう… 欲をかいたらキリがない … 「ルーの法則」 通りに 「 中庸こそが全て」 だろう(答: 少数の例外を除けば、多数の人の実質的な最高年齢は 107 歳である、しかも現実の 107 歳はすべて認知症であって、200 歳の意味を理解しない)。

声2 : 200 歳まで生きるのなら 「介護」 の位置付けをどうするのか?私は自立可能な 70 歳までで充分な長命だと思っている(答: 戦前には健康寿命 50 歳の概念しかなかった … いまは堂々と病気寿命は 87 歳を越え、しかも介護付きであるのが 「当たり前」 の時代だ … それが果たして 「人類の正しい進化の方向」 なのであろうか? .... いや、子を産まない老人に 「進化」 なんてそもそも無縁だったか !  

声3: 人の倍の長さ を生きるのではなく、人の倍の密度で生きるのがお奨めだ(答: 今 特養の 100 歳を観察すると 「高密度の人生」 なんてムリムリ、「時間を倍に延ばした人生」 なんて そんな スタミナ はありません)。

声4: 長寿と幸福度が比例する人はほんの一部のみだろう(答: トンでもない ! 長寿で 「わたしゃ幸せ」 とつぶやく人は一人もいないと言える … にも拘わらず、誰もが長寿を求める ―― この矛盾 ! )。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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