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(81) 見かけが若けりゃ

  (81) 見かけが若けりゃ
「人は見かけによらない!!」という逆説の諺があります。ところが、「人は見かけによる」という証拠が出てきました。

♣ すでにご存知の方もあると思いますが、今日は「見かけ年齢と死亡率の関係」についてお話をします。昨年12月、デンマークで双子の高齢者の追跡調査データの発表がありました。これがなかなかおもしろい。

♣ 対象者は1826人。一人一人の顔写真を自宅で撮影し、何歳に見えるか(見かけ上の年齢)を、老年科の看護師10人が推測し、平均値を算出して、実年齢と比較してみた。その結果、実年齢が同じでも、見掛け上の年齢が1歳高くなるごとに死亡率は8%ずつ高く なった。また、実年齢が1歳高くなるごとに、死亡率は やはり8%ずつ高く なった。つまり、寿命に及ぼす影響は、見かけの年齢も、実年齢と同様だった。さらに、見かけの年齢が高いと、階段を上がるなどの身体機能が低く、記憶力などの認知機能も低かった。これらの結果は、見かけの年齢を推測するのが老年科の看護師に限らず、高齢女性(70~87歳)や若年男性(22~37歳)が推測しても、結果は変わらなかった。著者らは、長寿の指標となる遺伝子がほとんど見つかっていない現状では、高齢者の生存に関して、DNA標本よりも顔写真の方が より多くの情報を提供する、と結論づけている。今回の研究は70歳以上の高齢者が対象 なので、より若い集団にも結果があてはまるとは限らない。しかし、高齢者の長寿については「人は見かけによる」と言う可能性が示された訳で、なんだか複雑な気分になる、と。

♣ もし本当なら「気をつけ——!!」ですね。だって、介護でお年寄りの世話をしていると、案外に「老けて見える人」と「若く見える人」があります。それにより、死亡率が8%も変わってくるって、ちょっと気になります。逆に考えれば、ふだんから 若く見えるように「おしゃれが続けば」その結果は報いられる、と言うことでしょうか。

♣ そこで、いったい「証拠」とは何だろうか、を考えます。「証拠」には、強い証拠から 弱い証拠まで様々なレベルがあり、なかなか「動かぬ証拠」にたどり着くのは大変です。上記のデンマークの成績は中間くらいに相当する証拠でしょうか。動かぬ証拠ではなさそうです。

♣ 私たちは パールでいろんなレベルの事を経験し、学びます。しかし、ものごとを すぐ「鵜呑み」にする前に、一歩、どのレベルの証拠かな?と考える余裕を持ちましょう。今日のデータで言えば「見かけの年齢が高ければ死亡率が8%も増えるという発表があった、面白かったな !」と考えればよいでしょう。

♣ それにしても「人は見かけによる」という結論は、「お化粧や身だしなみ」について とても参考になる提言でした。そこまで気が回るのは、少なくとも 心が元気な証拠 なのでしょう。 (参考:朝日夕刊 ’10.3.15)

職員の声

声1: 昔の「還暦」 (60歳)と言えば「横町のご隠居様」でしたが、今では「一号保険者」には5歳ほど届かず、多くは現役で働き、老人とはみなされていません。

声2: 美容整形で若返った場合でも、死亡率が8%減るのでしょうか?(係り:面白い発想です;そんな統計はまだありませんが、きっと長生きできると思われます;その理由は “若返った”という本人の意識によります)。

声3(女): 私は「見かけ」より もっと若いつもりです !(係り:実年齢を教えて頂かないと お返事ができません)。

声4: 見かけ(外見)が若い方は「気持ちが若い方」のような気がします;表情が豊かであれば若く見えるのではないでしょうか。

声5(栄養士): 栄養量と寿命に関して、高齢者に高栄養を、という一般教養はありますが、実際には 逆に 「徐々に減らす」このとのほうが大切かも知れません(係り:パールでは「体格指数」(BMI)の研究で「徐々に減らす」ことの意義を発表しました)

参考:>「新谷冨士雄・新谷弘子、「BMIから見る生と死のはざま」:老人ケア研究 31:13~23, 2010.—パールのホームページを呼び、クリックで見ることができます。パールの安全管理 #33: 天寿の終点はBMI=12.0。)
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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