(80) 蟻とキリギリス

  (80) 蟻とキリギリス 
     
  蟻とキリギリスの話はイソップ物語で有名だから、特に解説しませんが、大筋は次の通りです:働き者の蟻たちは夏の間 せっせと働き、来るべき冬の寒さに備えていた。他方 キリギリスは働きもせず、毎日楽しく遊び暮らしていた。やがて冬が押し寄せて来ると、キリギリスは食べるものにも事欠くようになり、蟻さんのもとを訪ね、食糧を分けて欲しいと頼む。蟻はそれを断り、キリギリスは飢えて死ぬ、こういうストーリーです。つまり「冬が来るのを知っていながら 寒さ対策を取らずに遊び呆けてはイカンゾ!」という寓話でしょうか?今日は この教訓を「税金と保険金」にあてはめてみます。

♣ 「税金」は公共の生活のために昔からあったもので、必要ですよね。これに対し、「保険」って、日本のいつ頃からあったのでしょうか?欧州では、大航海時代の到来によって、保険の概念は当たり前になりました。日本では生命保険の形で明治時代に一般的になったと考えられます。私自身は 子供の頃 こう教わりました:一家のお父ちゃんが 万一 子供たちが成人して独立するまでに死んでしまったら 大変なことになる、だから今、毎月いくばくかのお金を払って、その「万一」の備えにするのだ、それが生命保険だと。納得でした。さて、一度 生命保険の存在意義が理解されれば、他の保険類も 基本的な仕組みは みな分かります。

♣ ところが約15年前、「介護保険」が発表されたとき、財源は税金50%・保険料50%であって、純粋の保険ではないと知りました。「保険」とは「思わぬ不時に備えるもの」であり、 介護は誰にとっても「必ず必要となる将来」です。必ず必要なものには、教育や都市整備のように、税金でまかなうのが筋ではないのかな?と思いました。でも、世の中には、税を嫌う人たちがたくさんあって、代わりに、すべて保険にせよ、とする向きもあります。たとえば、結婚にも保険を掛ける;なぜなら 結婚の約4割は離婚に至る、そのときの女性・子供の立場を守るために必要だから、と言います。老人問題に関する財源について、皆さんがたは「税か保険か」、どう思いますか? 税なら、たぶん 消費税または新設の老人福祉税となるでしょうし、保険なら、現行 40歳から強制保険で取られるものを、30歳または年齢を問わず取られるシステムとなるでしょう。

♣ 話 変わって「生涯独身率」という言葉があります。これは50歳になっても一度も結婚歴のない人の率で、現在2008年、人口の16%です。推計によると、この率は毎年約1% 近く上がり、2030年には29%になるそうです。現在でも 老人の一人暮らしは物議をかもしていますが、現在は まだ問題の根が浅い;だってその多くには かって配偶者がいただろうし、親族も多かっただろう。いま日本の平均初婚年齢は男性31歳、女性29歳、2030年の生涯独身者の多くは、配偶者もいなく 親戚も頼りにならない。言ってみれば、「20年先の日本はキリギリスの冬」となるでしょう。そして その先は、「認知症のキリギリス」が待っています。

♣ さあ、働き者の蟻さんの皆さん、この福祉におけるキリギリス問題をどう解きましょうか? 私は“パールの安全管理 #63「介護と政府のサイズ」”で 次の三つの案を述べました: ① 税? ② 保険? ③ 縮小? 厳しいですね。何か他のアイディアがありましょうか?

職員の声

声1: 私は「保険」について考えたことがなく、今回のテーマで我が目が開きました。

声2: 「税」より「保険」のほうで心の抵抗感が少ないです。

声3: 税・保険のいずれでもよいから、人口800万人のスエーデンのような「高福祉・高負担」の国が理想です(係り:人口1億2000万の日本では不可能と言われます;日本では中福祉・中負担でしょう)。

声4: 社会として無納税のフリーター等が増えて、彼らが高齢化した後の事を考えると、結局、私たちの税金で彼らを養うのですね、どうすれば良いのか分かりません(係り:彼らとて、衣食住の社会行為をします;そこで 社会行為の全てを税の対象とすれば、福祉財源のバランスは緩むでしょう→消費税増額)。

声5: 税や保険でカバーする、と言うけれど、自己負担金・ホテルコスト等の名義で、かなり現金を徴収されます(係り:人が病気や老人にならなければ、この問題はありませんが)。

声6: いっそのこと、100パーセント無料にできる国家に変換すれば?(係り:スターリンの共産党ですね;つまり官僚の天下です;その70年にわたる成績と弊害はご存知の通りです . . . 崩壊しました)。

声7: 結局、日本の社会は先細りでしょうか?(係り:明治維新を経験した日本です;既得権にしがみつく人々を整理し、必ずこの難局を乗り越えるでしょう)。

プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR