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(107) ペイ ゴー

  (107) ペイ ゴー   

  私は 「少子高齢化を納得」という講義で、「少子化」も「高齢化」いずれも、人々の強い望みが満たされた成果なのである、と述べました。つまり、私たちは今、自分たちで求めた天国の桃源境とうげんきょう)に住んでいるのです。人々は何の不足があると文句を言うのですか?

♣ 二千年前の「弥生時代」、私たちは「藁葺きの家」に住んでおり、冬の寒さはことさら厳しく 平均寿命は20歳でした。千年前、京都では清少納言が「枕草子」を書き、自然の風物を愛でていましたが、窓も戸もない木造の御殿で庭の雪を「高炉蜂(こうろほう)の雪は簾(すだれ)をかかげて見る . . . 」と詠み、凍りつくようなトイレを我慢して生活していました;平均年齢は25歳程度。400年前、天下の分け目「関ヶ原の合戦」、ただ今の大河ドラマ「おごう」の出番の頃、人々は ひたすら殺し合っていました;平均年齢は30歳。150年前、明治維新、日本人の体格は歴史的に最小となり、人々は結核だらけ、平均年齢は32歳。ピカドンの落ちた65年前、人々はやせ細り、政府の配給制度のみで生活することを決意した東京地裁の山口良忠判事は餓死、その頃の平均年齢は43歳

♣ 私はそのとき12歳;戦火から免れたものの、将来の夢を考える暇は無かったと思います。そして半世紀余を越え、今は多産多死の昆虫生活を脱し、衣食住足りて、平均年齢は90歳に近づきつつあります。特別養護老人ホームでさえ「衣食住・光熱水」はほぼ自由、世界のニュースは 携帯とネットで即座に伝わる;この環境を天国と言わずして何でしょうか ?

♣ それでも人間は勝手気ままです。不平不満に満ちあふれ、他人の善意を不足として提訴し、政府には数限りないムリな注文を突き付けます。介護の世界なら より多い予算と寿命の延長を求めます。あなた、もしあなたが政府の役人になったと仮定してみて下さい。要請がつぎつぎやって来ます;いわく「よりよい待遇」を願います → そのための予算は1兆円です。 寿命を延ばして下さい → 日本人の平均寿命を一年延ばすのに 1兆円余かかりますけれど、税金は増やせません。子供手当を増やして下さい、疾病手当てを・結婚奨励金を . . . お役人は「打ち出の小槌」を何本持っていても足りませんね。可哀そう !!

♣ そこで欧米で考案されたシステムが「ペイ ゴー」です。全文は「ペイ アズ ユー ゴー、Pay As You Go.」= 活動に伴い支払いをせよ」と言う意味、略語の「ペイ ゴー」のほうが頻用されます。私は頭記のブロッグ「少子高齢化を納得」の結末文として「値段を見て注文しましょう」としました。あなたがレストランに腰を落ち着けて 食事の注文を出すとき、それを簡単な言葉でいえば「ペイ ゴー」と同じ趣旨でしょうね。要するに 「ペイ ゴー」とは 社会活動でも「不平・不満・改善策」があれば、どんどん申し出ること、ただし「財源案」を添えること、に尽きます。それは パールで常日頃言われているモットー「入るを計って出ずるを制す」と同根の考え方です。政府レベルで この「ペイ ゴー」を行いはじめたのは1990年、米国が財政健全化を本格化した時からです。各国で「ペイ ゴー」の原則が応用されたのですが、財源を見つけるのは素人政治家では困難であり、つい増税に繋がるので、その人気は“いまいち”、というところです。

♣ まあ、考え方としての「ペイ ゴー」は面白いですが、では儲かる仕事なら無限に自由か、儲からないものは自滅するのか?という問題もあります。そこは智恵による裁量が活躍する領域ですね。真に必要な内容のものなら、”Don’t Worry As You Go”となるでしょう(心配なく お金を使ってください)。思いつきの同情ではなく、真に「ペイ ゴー」であると判明すれば、介護の世界における“矛盾”も 解決の道が見えて来るでしょう

   参考 パールの安全管理 #68 : 少子高齢化を納得 

職員の声

係り: “ペイゴー“とは “Pay As You Go” のこと、つまり「行いあれば 支払いあり」という意味です;逆に、「行いなければ 支払いもなし」とも言えます。以下の「職員の声」では「権利と義務」・「矛と盾」とか「貨幣の表裏」などの理解の仕方がありました:今後 介護の世界でペイゴーという言葉を聞くことが多いだろうと思われますので 覚えておきましょう。

声1: 権利と義務はコインの裏表です;“自分の国を何とかしよう ! ”と一人ずつが努力すれば良いのですね。

声2: 行動があれば(ゴー)、支払いもあり(ペイ)と期待したい;キチンとした介護には キチンとした待遇が必要です。

声3: 財源を考えることは(ペイ)、使い道を考えること(ゴー)よりも何倍以上の智恵が求められます(係り:つまり、現場の声に見合う財源の確保は難しい、という現実があります)。

声4: ペイゴーとは「入るを計って出づるを制す」ことでしょう;節約と見合った活動の塩梅が大切です。文字色

声5: 財源もないのに子供手当のバラマキはとても不安です——後からツケが来そうでイヤです(ゴーが先で、ペイが後に来る)。

声6: 労働に見合った支払いをして下さい !! そうしないと、介護業界は潰れてしまします——国民も政府も キチンと大人になって ペイゴーを学びたいです(係り: 情として お年寄りを無限の寿命に導きたいです;でも その限度とは どのあたりか?の社会的合意が定かでありません——まだ “心配なくお金を使って下さい”という段階ではないようです)。
 
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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