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(10) 井の中の蛙(かわず)?

多忙な皆さまがたは、日本と諸外国の事情を比べる暇がありません。今日は私どもが「井の中の蛙」にならないよう、「欧米から見た日本の介護」を、やや辛口な「今井昭人さん*」のご意見で紹介します。

♣「寝たきり」という日本語は、どうしても欧米語に翻訳できません。「寝たきり高齢者」が数十万人もいる国は世界でも「日本だけ」です。

♣ その原因を五つ挙げます: 欧米では終末期に点滴・経管栄養をする考え方は「いっさい」ありません。それをすると、脳から分泌されるモルヒネ様物質が低下し、「苦しみが持続するという事実」があります。「胃瘻」は疑問視されています。日本社会の寿命死に対する考え方、リビング・ウイルの議論が必要です。 欧米の高齢者は必死で自分の命を守ろうとします。日本の高齢者は家族と社会に対する「依存心」が強く、「して貰って当たり前」が許されています。30年前の「有吉佐和子の{恍惚の人}--- 嫁の苦しみ」の頃と比べ、社会が大きく変わっていません。 日本では「高齢者の寝かせきり」が、ごく普通です。もしADLを上げる工夫をすると、介護報酬が下がり、介護福祉士の意欲低下につながる、という矛盾があります。要介護5の高齢者を自宅介護するのと施設介護するのでは、天と地ほどの給付差があり、不公平感は否めません。 日本人は「遊び下手」、定年を迎えるとボーと暮らし、生産人口の「傘の雪」となって、のしかかります。 日本の最大の欠点は「マンパワーの不足」。欧米人が日本の介護施設を見学して驚くことは「スタッフは介護施設内でなぜ、いつも立っているのですか?」と尋ねる。かの地では「高齢者の傍に座って介護すればこそ、安心が生まれる」と言います。病院でも、日本に比べ、医師の数では3~5倍、看護師の数で6~8倍のスタッフが働いているのが欧米です。

♣ 皆さまがたは、これを聞き、異存があるでしょう。それを今、ここで討論しましょう。これを考えてこそ、あなたが「井の中の蛙」から脱却できるのです。(*今井昭人:寝たきり高齢者: Medical Asahi 4:84, ’06)

職員の声

声1: 確かに私たちは日本の介護しか知らない、欧米やアジアの考え方がまるで分からない。

声2: 同じ人間なのに、なぜ欧米では「寝たきり」が少ないのですか?(答え: 高齢者に過剰な医療・介護を避けているのです。典型的な北欧の介護は「枕元にパンとスープを置き、それが食べられなくなったら、人生の終わり」という考えです。逆に欧米では若年者の先天性疾患の治療、または臓器移植が多いです。

声3: 欧米の職員は日本の3~8倍も多いと聞き不思議でなりません、どうやってお金を工面するのですか?(答え:たとえば、欧米の「お産」は翌日退院です、それが社会的な常識なのです。日本は薄利多売(入院単価が低く、入院日数が長い)特徴があります。

声4: 日本の高齢者は、たしかに「依存心」が強く、必須な「ニーズ」を超え、私的な「ウオンツ」まで求められる方が多いです。

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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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