(120) 長寿は嬉しい

  (120) 長寿は嬉しい   

  先週の「安全管理」は「長生きの妙薬」でした。私たち日本人は、その妙薬を20年このかた 手に入れており、世界一の長寿を誇っています。その妙薬は「くすり」ではなく、次の「三つの要素」でした:① 食糧の充足、② 保健と衛生、③ 医療と介護。さて、長寿になれたのは良いが、それが「嬉しいかどうか」は、ちょっと別の問題のようです。今日は この問題を考えます。

♣ いまパールで仕事をする対象は65歳以上のお年寄りです。特養の場合、今の年齢範囲は 67~108歳の長命ですが、はたして皆さんは「嬉しい」と思っておられるでしょうか? たぶん、見当違いの質問だ、と思われるでしょう。だって努力して高齢に達したのではなく、なんとなく歳をとり、心身が不自由になって、“要介護度”が高くなっただけだ、とおっしゃるでしょう。つまり、中年や初老になってハット気づき、努力しながら長寿を欲するのとは訳が違う ようです。長寿は古今東西 人類の夢でしたが、その長寿に達してみると、案外に「嬉しさ」は話題から外れます。長寿という「得がたいものを得た」のだから「嬉しい」はずですが、日々の生活の中で その実感はないようにお見受けします。それどころか 逆に、心身の不調に悩み、長寿を苦しんでおられる方が多いのではないでしょうか。お釈迦様は 人の「生病老死」を悟って仏門を開かれたそうですが、同じことなら 生きている部分を「嬉しい状態」にしたいものです。

デイサービスをご利用の方々は はたから見ているだけで「嬉しい」様子です、これならサービスのし甲斐がありますね。職員たちのプロの能力が活かされていると思います、これが良い目標になります。

特養はどうでしょうか?認知症の判定基本は「三つの喪失」です:① 人の名;この順に失われます。① 時が失われるとは、昨日・今日・明日の違いが分からない(気にならない)ということ、つまり心のなかから「将来」が消える ということです。つまり、お釈迦様の「生病老死」のうち、「死」が 悩みの中から忘れられちゃう。これは「嬉しい」ことと解釈できませんか?

在宅サービスでは、たぶん、上記の中間でしょう。でも中には「病」を悩む人があるかもしれません。しかし認知度がIIIa IIIb に進むと、本人の悩みは薄れてしまい、これは「嬉しい」ことに数えられるでしょう。

♣ 私は時々、「人間の姿に似た猿たちが 自分の将来を、あるいは自分たちの死を悩むのだろうか?」と思うことがあります。たぶん、悩まないだろうし、悩んだとしても、それを他人に伝える手段がありませんね。私たち人間も、超高齢になってしまえば、お猿さんのように、淡々と生きるのではないでしょうか。なってみなければ分かりませんが、もし私が、パール最長寿のY.M.さんのように108歳になって、「嬉しいですか?」と尋ねられたら、「 嬉しいよ ! 」と答えるでしょう。だって、まだ私は「生」(せい) の内にいるのだし、「死」の部分は忘れているだろうからです。思い返せば、元気な時の人生とは人それなりに、ヨロイ・カブトにヤリ・カタナで身を守った ものです。長寿になれば、そんな憂いはもうありません。 どなたも、嬉しそうです。

♣ 結論を言いましょう。長寿は、それ自身が 「嬉しい」ものだと思います。人それぞれの生き方がありますが、平均年齢を ずっと下目に見て、悠々と生きているって、素敵だと思いませんか?そこには、もう中年病の「ガン・心臓病・脳卒中」の訪れはなく、何かあるとすれば、それは「誤嚥性肺炎」のみ です。これによってBMIは日々低下しますが、その低下と どこまで付き合えるか、みんなで試合をしませんか? その試合は 「良好に燃え尽きた者(BMI ≒ 12)が勝利者になる」というルール なのです。素敵だと思いませんか !

 参考: パールの安全管理 #33 : 天寿の終点は B M I ≒ 12.0 

職員の声

声1: お釈迦様は人の「生 病 老 死」を見つめ、人を救おうとなさった;科学がなかった2500年 昔なら それでよいが、今では生まれた時のエネルギーを存分に使いきった生き方、すなわち 体格指数 (BMI) が12になるような生き方をした人こそ「勝利」であると理解しました(係り:良く燃え尽きた証拠 BMI ≒ 12 になれるよう、祈りましょう)。

声2: BMI ≒ 12 が終点という知見は従来の教科書に出ていませんでした(係り:他の病気があれば別ですが、何もなくてもBMI ≒ 12 の訪れとともに、経験的ですが、人は亡くなります)。

声3: 「良好に燃え尽きた者が一番嬉しい」とは良い言葉です(係り:その判定基準がBMI ≒ 12 なのです)。

声4: 在宅で105歳のご利用者、“生きるのは飽きた . . . ”とおっしゃいます(係り:BMIが12 以上であれば、その差額分は まだ生きてもらって下さい)。

声5: “わしは生きとるんじゃない、生かされておるんじゃ」と言う すねたお年寄りもあります(係り:日本は永く”人生50年”でしたから、「馬齢を重ねる」とか「穀つぶし」というイヤな言葉が残っています;前者は「年とった馬が役立たずになる」、後者は「大事な食糧を消費するばかりで役立たず」という意味です;こう言う「差別用語」でお年寄りは どんなにか心を痛めるのです)。

声6: ご利用者の嬉しい長寿に向けて、頑張ります(係り: 「幸せ」を さらに乗り越えた、 「嬉しい長寿」をつくりましょう。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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