(126) 万年目の亀ーーその2

   (126) 万年目の亀 —— その (2)   

  「鶴は千年、亀は万年」という言葉があります。「長生き」を寿ぐ、おめでたい「ことわざ」です。

♣ さて、ここに亀が一匹います。この亀の歳は幾つでしょう? まさか、9999歳と12カ月ではありますまい。もしそうなら、明日死にます。この亀をもらったあなたは、明日死ぬ亀をもらったことになります。おめでたくありませんね ! しかし、普通なら、もらい受けた亀は 池に放てば、あなたより長生きすることは ほぼ確実です。問題はその亀が何歳かを知ることですね。

♣ 似たようなことは、他にもいっぱいあります。たとえば、あなたがスイッチを入れたとたん、電球が切れた;借り受けたボールペンのインクが出なくなった . . . 等。それはあなたの責任でしょうか?たぶん、違いますね。電球の寿命は約2000時間です。2000時間目にスイッチを入れたあなたは、たまたま運が悪かったのです。これを「万年目の亀」と言います。このことは「パールの安全管理 ナンバー・ワン」で述べた通りです。

♣ 注意に注意を重ねていたにもかかわらず、運の悪い例が先日パールで発生しました。ショート・ステイをご利用のK.W.様(76F)は右麻痺の方です。ショートステイやデイサービスで椅子から転落した既往がありますが、先週、職員がトイレに付き添い、座って頂きました。付き添いの職員は、他のご利用者に呼ばれたので、その場を離れました(六つの「べからず」を参照**)。その間、氏は自分で立ち上がり、運悪く転倒して擦り傷を受けました。しかし 痛みはなく、普通に歩けました。当日、ショート・ステイから自宅に帰ったころ、右腰に痛みを訴え、救急にて病院を受診、なんと右大腿骨骨頭の広範囲 に「粉砕骨折」があると診断されました。これを聞いた私は「ああ、スゴイ万年目の亀 !」と感じました。転倒直後には歩けたのだから、粉砕したのは その後の事だったのだろうか? でも、それ言ってしまえば、人間関係は崩れてしまいます。私どもは誠意をもって対応しました。

♣ 私たちは高齢者様の仕事をしています。「いつ、どんな万年目がくるか」わかりません。この事例で 職員は“六つの「べからず」”のうちの一つを犯してしまいしました(よそで呼ばれたので、ご本人の傍を離れた)。職員は年々入れ替わります。新卒の職員たちは、学校でも教育を受けますし、パールでも訓練されます。にもかかわらず、この事件です。もって、他山(たざん)の石 とするよう、心を新たにしたところです。(他山の石 = よその山から出た悪い石;転じて自分の修養の助けとなる他人の言行:Let his failure be a lesson to you.)

   参考 : パールの安全管理 # 1 : 万年目の亀。 **安全管理 # 50 : 六つの「べからず」。

職員の声

声1: 「万年目の亀」って、いい言葉ですね;理事長の目の付け所はスゴイです(係り:施設介護、在宅介護、どこにでも発生しうる「亀さん」、何度でも注意しましょう)。

声2:私はヒヤリハット・レポートを出した時、理事長に「万年目の亀ね ! 」と言われたのを思い出します。

声3: 介護の世界では「運の尽き」と思うことが結構あり、不注意を戒めています(係り:人のお世話をする仕事で「運の尽き」は避けられません;問題は「誠意のある、賢い判断と対応でしょう」。

声4: 在宅で 壊れかけた蛇口や めくれた絨毯など「万年目?」と思う事柄がありますが、ご利用者に聞き入れられず、本当の事故に繋がるおそれがあります;その場合の責任は?係り:まずヒヤリハット・レポートで状況を上げて下さい、本部で善処します)。

声5: 身体上の「万年目の亀」のほか、レポートに上がる最多件数は「破損がらみ」です、特に冬場の湯たんぽ・電気アンカ・電気毛布などの低温火傷には 万全の注意を払いましょう。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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