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(131) にんにん介護  

  (131) にんにん介護  

いま、社会的に一番 関心のある標語といえば「安心して暮らせる老後の実現」ではないでしょうか? 日本は世界で一番の長寿の国になって長くなります。30年ほどまえには(1980年ころ、バブルの真っ盛り)、「元気で長生き」が関心のある標語でした。ところが、いまでは「元気でなくても長生き」という現実があります。この30年間で、社会の構造や認識が変わって来ました。統合失調症(分裂病)や認知症(痴呆)を患う超高齢者が介護者を攻撃・損傷を与える、という . . . 30年まえには考えられなかった事件が発生する今日この頃です。

♣ 先年、女優の飯島愛さんが亡くなり 大きな反響がありました。死後2週間ほど経過していたそうで、警察の発表によると「事件性のない孤独死」、62歳でした。病気はギラン・バレー症候群というもので10年前から、治療に取り組んでおられた由。この病気は「自己免疫応答」によって発病する神経疾患で、筋肉が下肢から上に向かって徐々に麻痺が進行し、最後には呼吸ができなくなって死に至るそうです。年間、10万人に2人の頻度(東京なら毎年200人発病)。このような病気には「筋側索硬化症」(ホーキン博士の病気)、「筋ジストロフィー」などの難病があります。

♣ それにしても、なぜ、これほどの有名人が一人暮らし だったのでしょうか? びっくりしました。

♣ 日本の家庭は40年ほど前を堺にして、ずいぶん変わりました。その昔、ある程度の暮らしの家庭では、玄関の隣りに「書生部屋」、台所の横には「女中部屋」があり、住み込みの書生・お女中がいたものです。日本では1970年ころから経済バブルが始まり、一日8時間・週40時間という労働形態 が推し進められ、住み込みの「お手伝いさん」という労働形態は不可能となりました。現在でも、よほど希なケースでない限り、書生や女中の住み込みを聞くことはありません。第一、余分な部屋はふつう 存在しないし、労働時間から計算すれば月給を100万円ほどあげなければならず、家の主人にそんな余裕なんか ありません。では、良き昔を懐かしんで、あの労働形態を復活させようとする動きがあるのでしょうか? たぶん、だれも その実現は不可能と思うでしょう。

♣ 介護保険制度は、今年の4月で13年目に入りました。社会で支え合う目的とは裏腹に、現状は介護の「安心」からは ほど遠いところがあります。「老々介護」や、認知症の高齢者が認知症の連れ合いを介護する「認々介護」も珍しくありません。また、介護疲れによる殺人・無理心中も跡を絶ちません。でも、ですよ! 「老々介護」も「認々介護」も、二人暮らしではありませんか!! 二人暮らしなら「天国」だと思うべきです。東京のある区の介護認定審査会でも、提出されるケースの1/3から約半数は「一人暮らし」です。先の大原麗子さんは2回の離婚歴がある由、しかも 一人暮らし。そして、62歳にして死後2週間での発見。それに比べれば、二人暮らしは「長寿で最高な幸せ」と理解すべきであって、「安心して暮らせない」など、よくも言えたものです。歳をとれば 誰しも枯れてくる;その不足を補うのが私ら介護職員です。私は「認々介護」という、ふざけた表現を適切だとは思いません。古き懐かしき「大家族制度」を否定した私たち は、皆、将来、二人暮らしの日々があったのち、一人暮らしになる という現実に直面します。それは人としての天命ではありませんか。だから、今日の「にんにんかいご」の表題はキャンセルしたいですね。

職員の声

声1: 「認々介護」という言葉を初めて聞きました;若い人の一人暮らしは気楽だけれど、「老々介護」「認々介護」は二人暮らしだから、一人暮らしよりマシでしょう。

声2: 私は飯島愛さんを好きだったから、パールのご近所で 死後2週間後に発見されたとのニュースで、マンションを見上げてショックでした。

声3: 飯島愛さん、「死後2週間で発見」は いいほうなのか?悪いほうなのか?(係り:確かに、ミイラになって発見される場合もあるし、中には、親の年金で自分が食べるために 親の死を届けない事例もあるし . . . )。

声4: これからは 認知症も孤独死も増えます;この問題から目を離すことなく、私らの問題として認識しましょう。

声5: 在宅介護で訊きますと「人の世話になりたくない、なんて言ってはダメよね」という声があります。

声6: 認知症の夫婦が、または親子が お互いを介護するって、美しい と思いますけど(係り:中には 鎖で相手を縛って食事を食べさせるって事例もあります)。

声7: 私も老いと向かい合う日が来ます;老いの結果、足らない所を補うのは、家族なのか他人なのか . . . 私は他人のほうが気楽だろうと思います;私も こんなお年寄りを看て行く この仕事が好きです。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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