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(134) 熱波死亡を防ぐ

  (134) 熱波死亡を防ぐ 

  昨年の夏(2010年)は暑かったですね。私は 2010年度に乗り越えた三つの危機を この安全管理で述べましたが、そのうちの第一の危機は 去年の酷暑の事件でした。

♣ 7月末から8月末にかけての猛暑は特にひどく、一人住まいの高齢者はエアコンの冷風で病み、酷暑と脱水に倒れました。毎日のようにお年寄りの安否の確認、救急対応テンテコ舞いでした。安否の確認が取れない方へは、家族への緊急連絡・報告;区役所・消防・警察に連絡のうえ 立ち会って頂きました。すでに死亡していた方を数人も発見しました。

♣ 私は66年前の終戦時の夏を思い出します。私が12歳だった その夏も ことさらに暑かったです。たまたま その夏に中学校の国語の時間で 吉田兼好の徒然草つれづれぐさ)の授業を受けました . . . :「家の造りやうは、夏を旨とすべし:冬はいかなる所にも住まる:暑き頃 悪()ろき住まいは、耐えがたきことなり」。京都は盆地であるため、昔から 夏は暑かったそうです。冬なら 厚着をしたり 火鉢に暖まったりで 何とかなるけれど、夏の暑さは なんとも過ごしようがない、と兼好は述べています。

♣ でも夏が暑い のは京都の今昔だけではありません。私が大学を出て 東京都・新宿福祉事務所に勤め始めた頃の、子供たちを伊豆の海に連れて行った頃の、留学中にクリーブランド(アメリカ)で過ごした 真夏の 蒸し暑かった8月末、帰国して赤坂の宿舎で過ごしたクーラー無しの . . . どの夏も 吉田兼好の夏に負けず劣らず暑かった 炎の夏でした。。

♣ パール代官山が開所したのは1999年4月、もう13年前になります。さすがに 近代設備を持った施設、すっかり夏の暑さを忘れていました。そんな頃の 2003年の夏、とんでもないニュースが舞い込みました。なんと欧州を熱波が襲い、フランスでは大被害が出たとのこと。パリは北緯50度近辺に位置し、日本で言えば 樺太です。元来 寒い土地柄ですが、温かい大西洋海流のおかげで冬でも温暖な地であり、夏もクーラー不要。そんな所に いきなり40℃を越える熱波です。パリの老人ホームでは どうすることもできない;しかも80歳を越える高齢者の大多数は女性の一人暮らし;死亡しているのさえ見つけられない;さらにバカンス好きなパリでは医療機関も手薄、3万人を越える死亡者で恐慌となりました(去年の東京の夏よりひどかった ! )。さすがにパリ当局は 北国のパリながらクーラーを設置し始めました。

♣ しかし 3万人といえば、今回の「東日本大震災」でも 29,759人の死者・行方不明が発生しています(3/31調べ)。油断はなりません。昔からの言い伝えがあります:老人たちは “冬に寒さの鍬(くわ)で間引かれ、夏には暑さの鎌(かま)で刈り取られる”、と言います。でも今の時代、老人の死亡率は季節的に大きな差がありません。暖冷房のおかげが多大であることを物語ります。今回の地震・津波でも、高齢者の環境が不十分な所では死亡者が続出しました。それほどエアコンは寿命維持に大きな貢献をしています。

♣ 今度の大震災で私の頭をよぎったのは「パールの夏の冷房事情」です。きっと電力不足で 停電が続出するでしょう。たとえ計画停電であっても、冷房不足で少なくない事故が起こることが予想されます。

♣ 私は700年前の吉田兼好を想像します。暑かった京都 ! その頃の人々の平均寿命は わずか33歳、当時としては二倍の長寿であった70歳の兼好は 暑さの中で ひっそりと生涯を閉じたのではないでしょうか?さあ、私たちはボンヤリしてはいられません。皆さん方、冷房が期待薄の今年の暑さの対策を練りましょう、アイディアを出して下さい !!

   参考:パールの安全管理 # 125 : 安全管理と教育効果。

職員の声

声1: 一カ月前(3.11)の大震災時、パールの職員たちは、施設内のご利用者を安全に自宅にまでお届けし、在宅のご利用者全員の安否を確認しました;徒歩または自転車で帰宅できる職員は帰宅、その他は施設に泊まり、変動に待機しました:これと対比的だったのは、都内のある区では、職員の安全を優先しすぐ帰宅させ、土日の二日を休んだあと、月曜になって、ご利用者の安否確認の作業を始めました:私はパールの行動を誇りに思っています係り:間違いなく その通りです)。

声2: 地震・津波の被害に加えて福島原発の被害・混乱が世界的注目の的です;すでに計画停電も行われ、夏場の停電は避けられないそうです;パリの熱波3万人死亡の前例があるので警戒警報だと思います。

声3: 私はクーラーがあっても使う習慣がありません;でもお年寄りには使って頂きたい;去年の夏 認知症のご利用者に対して、エアコンの温度調節に苦労しました。

声4: 徒然草の時代とは社会がちがいます;今は ご家族がお出でになり「あら、暑いわね」とおっしゃって、ボタン一つで室温をさげます、すると後でご利用者が震えて鼻水です。

声5: 去年のように40℃の熱波を冷房なしで過ごすための工夫は:西側の窓に蔓性植物(へちま・朝顔など)を植える:値段の安い今のうちに「団扇」(うちわ)を多数買って準備する:大型扇風機を玄関に備え付ける:断熱効果の高いカーテンを購入する . . . (係り:もっと智恵を !! )。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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