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(150) 蛙の認知症

  (150) 蛙の認知症  

  蛙たちは 水の生活と陸の生活を得意とする 生命進化のうえで 特異な地位を占める 愛らしい動物です。とかく 蛙は諺の引き合いに出されたり、脳の働きの点で「人類の大切なご先祖」として 見つめられたりする 重要な生きものです。

♣ 今日は「蛙と人の認知症(痴呆)」を比べて見ましょう。ちなみに「痴呆」という病名は2004年に厚労省によって「認知症」と改名されました;差別的な匂いが濃厚だと言うのが その理由です。外国では「痴呆」のままです。でも、もし蛙に痴呆があったとしても「蛙の認知症」とは言わないでしょうか?

♣ さて、ヒトの認知症の症状に出会うと、私どもは しばしば戸惑います。まとものようで 頼りない、丁寧でありながら ふしだらだ、セクハラをしたり しなかったり . . . 悩みは尽きしません。

♣ ヒトの脳を実際のサイズでなぞらえると、「竹輪サイズの原始脳」(脳幹)の上に「キャベツ・サイズの高次脳」(大脳)が乗っている状態です。「原始脳」は 頭蓋骨の底にあり サイズは小さいのですが、「食・性・呼吸・恐怖」などの生命の基本を司り、一言でいえば「本能」の塊です。他方「高次脳」は 頭蓋骨のほとんどを占めるほど大きく、「認知・記憶・抑制や想像力」を司り、それと同時に、小さくて したたかな「原始脳」の働きを調節しています。

♣ これを「建物」の比喩(ひゆ)で言えば:1階部分は原始脳2階部分は高次脳と見られるでしょう。もし、地震で家屋が崩れてしまうと、2階の機能は低下~消失、1~2階の間にあった連絡もなくなり、逆に 1階部分の働きが残り 目立ちます。よって、ヒトは最期まで本能的な部分は温存されます。特に「異性」に興味を持ったり、男女区分の抑制が曖昧になり易くなります。逆に 女性は男性に対して恐怖を抱く場合もあります。

♣ 2階部分の「高次脳」は、動物の中では、ヒトでもっとも発達しており、それだけに それが崩れた場合の被害も大きく、それが「痴呆」の症状として現れます。でも、2階部分(高次脳)は 一斉に壊れるのではなく、少しずつ壊れていくから、1階部分の原始脳を抑制する能力も、パラパラと不均等に低下し、その結果「まだらボケ」という、理解しにくい症状が発生します----あるときには正常な行為が、別なときには異常な行為が共存し、それがとても不思議に感じられます。

イヌやサルにも大脳が存在するので 高齢とともに痴呆が発生します。しかし、蛙や虫には 高次脳がないので、痴呆は発生しません。蛙や虫には「親切な蛙」や「親切な虫」はいませんよね。だから「蛙の認知症」というものは ありません。もし このことから学ぶことがあるとすれば、“認知症と親切心とは そもそも共存しない概念だ”ということでしょうか。つまり ある人が「認知症であり親切」 という現象はありません

  参考: 安全管理 # 145 : 親切な蛙。

職員の声

声1:蛙に認知症(痴呆)はない、と分かっているだけに、今日のお話は面白かったです。

声2:高次脳機能のない蛙には痴呆がない」という表題が印象的でした;とてもよく分かりました(係り:痴呆とは“いったん獲得した知能が、なんらかの理由で失われた状態、ですね;蛙は そもそも「知能を獲得していない」から、痴呆もありえない、とも言えます)。

声3:大脳の働きが鈍ると、蛙のようになる、とは驚いています;「原始知能と高次知能の違い がとても」よく分かり、ケアに活かします(係り:高次脳が消失すると、ヒトの場合、寝たきりになります;だって神経細胞は再生しません)。

声4:ヒトの脳が「二階建て」という説明が分かり易く、これで ケア・ワークで よく見る「高次脳機能障害」という診断書の意味がよく理解できました係り:つまり“蛙に近づきつつある”状態、と言うことです)。

声5:犬や猫にも痴呆があるとはオドロキです(係り:愛玩動物の栄養・待遇がよくなり 長命になるにつれ、犬の痴呆はしっかり増えました;猫にも痴呆がありますが、猫は屋外生活が多く 自然淘汰(とうた)されるので、目立ちませんね)。

声6:特養の女性を観察していると、初め 男性に興味があっても、痴呆が進むと関心が薄れ、さらに食欲まで落ちてきます(係り:これぞ 寿命なのでしょうか)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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