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(159) 垂れ下がりを防ぐ

 (159) 垂れ下がりを防ぐ   

  ヒトの心と体は、不思議なもので、放置しておくと、垂れ下がってきます。心の垂れ下がりとは、ボーとしていると眠くなる;体の垂れ下がりとは、同じく 筋肉が弛緩して無活動に向かってしまう、この傾向のことです。

♣ これは音楽のメロディーでも観察されるといいます(音楽家:池辺晋一郎さんの説)。つまり、メロディーは 楽譜で見られるように 下の方へ流れていくと、安心・倦怠・消滅に至ります。ここで ヤッと音のレベルを上へ押し上げると、ふたたび元の元気な歌になる、と言います——-波のあることが大事

♣ 皆さま方は「健康増進」という言葉を「耳にタコ」ができるほど 聞いておられるでしょう。実は、青少年に対してなら いざ知らず、成年になって以降の人々には、「増進現象」はありません。医学解説を聞けばガッカリあるのみで、神経細胞・筋肉細胞、その他内臓の細胞などは、歳をかさねるにつれ「減る一方」なのです。太るのは「脂肪細胞」だけ。だから本当は、「垂れ下がり現象」が普通なのです。

♣ 健康増進と聞けば、そのイメージは「脳神経・呼吸と循環・筋力のアップ」でしょう。なぜか「腎臓や膵臓・脾臓、毛根、リンパ節」などを鍛えるとは言いません。どうして 大事な腎臓やリンパ節を鍛えないのですか? それは、鍛え方を知らないし、関心もないからです。神経や筋力のほうは、随意筋(ずいいきん)を使って「強い意思のコントロール」の元に置くことができます。その基礎となる 一本の神経と一本の随意筋細胞は二つで一つのセットになって働きます。一方だけを使わないでいると、他方も垂れ下がり、廃用萎縮(はいよう いしゅく)に陥ります。

♣ 「健康増進」という言葉は、あたかも、一つの「神経・筋セット」が「強い意思と実行」によって効率よく機能する、というイメージをもたせますね。それは はっきりと間違いです。スポーツ選手は比較的に若い年齢で実務から身を引きますね。ナゼ その時 健康増進をしないのですか? それは 経験的にムリだからであり、かつ、解剖学的にもムリがあるからです。ましてや、介護の対象であるご高齢の方に「増進」を求めたら、いいことは起こりません

♣ 私どもの体は、意識の上にのぼる「神経・筋力」も、意識にのぼることのない「腎臓・リンパ節」も同程度に 時とともに衰えて行きます。しかし、用心すれば、その衰え方を少なくすることはできます。だから「健康増進」という勇ましい言葉よりも、理にかなった「健康保持」のほうが 心にムリがかからず、この目標こそが 高齢者ケアに よく当てはまる言葉だと思います。あなたの頭の中で、 「増進」と「保持」が混同していると、とんだケガの元となるかも知れません。

♣ もし垂れ下がりがあれば、ヤッと上の方に押し上げ、波のある生活・廃用萎縮に陥らない用心に 意識を向けましょう。

職員の声

声1: 放置しておくと、心も体も「垂れ下がる」とのお話、私は身にしみて反省しています。

声2:デイサービスでは、毎日体操するせいか、単に「健康維持」だけでなく、健康を「増進」しているように感じます(係り:健康増進とは、神経や筋肉だけでなく、腎臓やリンパ節なども含まれますが、お尋ねします;腎機能も増進されましたか?)。

声3:私はケアやリハで健康を「増進」していると思っていましたが、垂れ下がりの防止 = 機能の「維持」であることを認識しました(係り:厚労省やスポーツ・センターなら「維持」という言葉のイメージはケチに聞こえます;だから 根拠の希薄な「増進」という言葉が好まれます;でも あなただけは真実を把握して下さい)。

声4:増進した、と思うのは錯覚なのですか?(係り:これは「比較」の問題かも知れません;たとえば 無重力の世界で過ごした「宇宙飛行士」は、地球に帰還したとき、筋肉の「廃用萎縮」のため、歩くこともできません;しかし地球の重力下でリハビリすれば やがて回復します;これは「増進」ではなく、明らかに「回復・維持」ですよね;高齢者のリハビリで心せねばならないのは ルーの法則なのです)。

声5:私は自分を「晩期大成型」と思っていますが、それは「知能」についてであって、体力は やはり 歳とともに「垂れ下がる」のを否定できません(係り:残念がらなくてもいいのです;元気で長生きしている方がたは、みな ほどよく 痩せておられます)。
 参考:パールの安全管理  # 45 : ルー(Roux)と智恵

 
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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