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(164) 餓鬼(がき) と 嘘(うそ)

 (164)  餓鬼(がき) と 嘘(うそ)    

 「あの可愛い餓鬼は誰の子?」と聞いて、あなたは 意味が分かりますか? 

♣ 「餓鬼」とは、仏教上の言葉であり、文字通りに「鬼」の一種、常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうので、決してお腹が満たされることのない鬼とされます。でも、日本語では「餓鬼大将」とか、「あの小学校には 可愛い餓鬼 結構多いよ」とか言いますね。この際、仏教とはご縁がありません。餓鬼とは「子供」「腕白」などの意味です。すなおに「子供」と言えばよいのに、「餓鬼」と言うのがカッコよい。別に嘘をついているのでもありません。ほかの表現として:この餓鬼、何をしやがる!: あのへんの悪餓鬼に気を付けろよ!:そんな青い意見は餓鬼ンチョの意見だね! . . . など、「手を焼く子供」ほどのニュアンスがあるようです。でも、決して「飢えた鬼」ではありません。可愛い鬼君!」くらいかな?

♣ 次の話題である「嘘」に移ります。前回の“ケアカンファ”の「認知症のケア」(お話し手:荻布善和さん)で 三人の 面白い意見がありました。{柳原恵里= 認知症のご利用者に対する私の姿勢のモットーは「嘘をつかない」ことです。 / 林風季江= 私の「望ましくない態度」の中に「だます」があります、痛いです、帰宅願望の強い ショートステイのご利用者には「明日にはお帰りできます」と言いますが、自分の嘘にほとほと嫌気がさします。 / 花形真弓= ご本人を安心させるために「 だます」ことは 私もやります;一概に「望ましくない」とは決められないと思います / (係り:20年前まで、“本人にガンの告知は絶対しない”、でしたが、今では気安くします;それどころか、せねば訴えられます;この辺り嘘か真か、決めかねますね)。}

♣ 旧約聖書 モーゼの十戒 の冒頭には こう記されています:汝(なんじ)偽りの証言をするなかれ! 要するに「嘘」を決してつくな!ということです。そこで考えます:嘘って何でしょうか? 「みんなが ほぼ知っていて、しかし答えに詰まってしまうもの」、それが「嘘」ですね。< > : 嘘から出たまこと; 嘘も方便;嘘つきは泥棒の始まり;嘘も追従(ついしょう)も世渡り;嘘も誠も話の手管(てくだ);嘘をつかねば仏になれぬ . . . 。さて、国会で総理は嘘をつかないのでしょうか? パールや病院、お店で嘘はないのでしょうか? 検察の分野では「嘘発見機」が 相変わらず模索されています。何が真実で 何が非真実なのか、迷います。動物で「擬態」(ぎたい)というのがありますが、あれは「だまし」ですよね? つまり嘘をつくのに知恵は要らない、保身のための本能のようです。それにしては、モーゼ様のような 偉いお方が目を吊り上げて禁止された嘘って 説明が難しいものだなー!

♣ 今日は「餓鬼と嘘」について、興味深い話題を提供しましたが、要するに こうです:① 言葉は「指小語」(ししょうご)と言って 「ごっつい言葉」を可愛く聞かせることがある、ということ、② 嘘を勧める人は決していないだろうけれど、人の心は嘘を乗り越えるものだ、の二点でしょうか。柳原さん、林さん、花形さん;いい話題を提供して下さってありがとう。

職員の声

声1:餓鬼(がき)は漢字で書くと怖いけれど、「ガキ」のようにカタカナにすると可愛く感じます(係り:餓鬼大将のように、仏教由来の用語です;「指小語」(ししょうご)と言って、ごっつい漢字が かえって可愛い子供のイメージを表わします)。

声2:嘘をつくと閻魔(えんま)様に舌を抜かれる、と教わって来ましたが、私はいつから嘘をつきはじめたのでしょう?係り:嘘はいけません ! しかし認知症の方々を相手にする時、嘘の是非の論議よりも その方の安全と健康の方が問題になります)。

声3:普段、嘘をつけば、私も相手も傷つきますが、介護上の嘘なら、どちらも傷つきません(係り: “介護上の嘘”に対して、なにか「良い言葉」を発明したいですね;たとえば“あやす”とか)。

声4: 「思いやりの上の嘘」は必要です、「保身のための嘘」はいずれ見破られ、信頼を失います(係り:私が田舎にいた子供の頃、私の祖母は夕がたになると 道行く女の子たちに声を掛けていました—— “早ぅ家に帰りさい、帰らと “子取り” が あんたらをさらって行くで . . .” ——私は不思議でした;その頃 現実に“子取り”なんて居たのでしょうか?)。

声5:私は嘘が大嫌い;でもご利用者の体が汚れている、ただれている、排泄の拒否がある . . . こんな場合、ご利用者が最終的に「良かった ! 」と思って下さるなら、私は嘘をつきます係り:むつかしがる赤ちゃんを“あやす”言葉と同じですよね?)。

声6:でも、やっぱり 嘘は嘘なのですよ、微妙です !

声7:人を傷つける嘘、人を助ける嘘 . . . 前回の「本音と建前の議論とよく似ています;嘘は社会の潤滑油なのでしょうか?(係り: ウーン . . . 人の心は嘘を乗り越えるものだ、と答えましょう)。

係り:職員の皆さま方は「本当に大人の意見」でした;偉いです !! あとは、ときどき やって来る変な「鬼」に だまされないようにね ! パールの職員は みな 「気が良い」ので、嘘に関しては安心、でも「だます鬼」には気をつけてね !! )。

  参考:パールの安全管理 # 158 : 本音と建前。 
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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