FC2ブログ

(170) 天地創造

  (170) 天 地 創 造  

  昔の人たちは 心が優しく 素直な感性をお持ちでした。

♣ たとえば、日本の場合、「この世はどのようにしてできたのか? 」という質問に対して、日本書記(720 A.D.)は次のように答えます:「雲の上に住まっておられた“伊弉諾尊いざなぎのみこと)と伊弉冉尊いざなみのみこと)”の男女二柱の神が、雲間の下に見える「混沌」(こんとん)を眺め、ご自身の「矛」(ほこ)で「混沌」をかき回された:矛先からこぼれた大きな雫(しずく)が日本の「本州」になった:小さな雫はそれぞれ九州・四国その他の島々になった . . . と。両父母神は そこに住む人々を次々と産みます。それが日本人の祖先なのです。

♣ ユダヤ・ヨーロッパ系の人々は やはり「神」を想定しますが、それは男神のみで、名前をヤーフェと言います。ヤーフェは この世を創るにあたって 何も存在しなかった空虚の中で 「光よ有れ ! 」と叫ばれたそうです。そのあと 毎日ていねいに「 天 地 創 造 」の苦労をなさり、六日目に動物・植物とアダムという人間をこしらえて 七日目にお休みをとられました(日曜日の起源)。天地創造の完成日は「紀元前 4004年10月26日午前9時」だそうです。ヨーロッパでは、このヤーフェの物語を認めないと、神への絶対服従に反抗する訳だから「処刑」または「追放」です。世界各国、似たような天地創造の物語があるのでしょうね。

♣ 私は大学一年の頃、「天地創造」というコーラス曲を練習し 秋の学園祭で発表しました。ハイドン作曲の歌詞は「天は神の栄誉を物語り . . . 」で始まり、「神は天地を分ける「蒼穹」(そうきゅう)をつくられ、正しい道をお示しになった」で終わる 長い曲でした。欧州人たちは「天地創造」をヤーフェのお陰だとし、感謝の念を歌にして歌うのです。原語はドイツ語、それを覚えるのに気をとられ、 「蒼穹とは何だい?」という疑問は何もありませんでした。いま、それに私は答えます。蒼穹とは ここにお示しする図 * の通りです。この世は、まず 人が居て、田畑、木々、雲、月、太陽がこの順に高くあり、一番上に星があります。その星は蒼穹に貼り付けられていて、互いに動くことはありません。つまり、この世は「蒼穹」という「天の蓋」によって、神のお住まい場所とは厳然と分けられている、というヤーフェの教えです。この図は「もの珍しがり屋のヒト」が 蒼穹の外を覗き見したところの想像図です。神が住まわれている蒼穹の外は 訳のわからない 不思議な場所ですね。

♣ さて、そこで私は考えます。作曲家のハイドンは わずか200年ばかり昔の人ですが、彼は 本当に「蒼穹」という 天地を分ける蓋があると信じて疑わなかったのでしょうか? 「天地創造」というオラトリオは34曲から成る大作ですから、もし「蒼穹の存在」を疑っていたのなら、とても彼の芸術心が許さなかったでしょう。でも、すでにガリレオは すでに400年前「天動説を廃止し地動説を証明」していますので、「蒼穹」の存在を疑う 十分な理由もあったのです。

♣ そこで私は 近年の日本の社会について つらつら思います。日本の「 福 祉 元 年 」は1973年であった、とは 前回申し上げました。その考えに「待った ! 」を掛けたのが、その10年後の吉村仁の「医療費亡国論」でした。にもかかわらず、日本の平均寿命は どんどん伸び、その後も世界一を誇っています。私たち日本人は 神様による「天地創造や蒼穹の苦労」なんて知りもせず、むしろ「日本書記」の物語を教わりながらノンキに この世を生きています。年金・医療・介護について ぼんやりした矛盾と不満を感じながらも、その実、神話ではない 世界最高レベルの 社会生活を送っています。これはまた、なんと有難いことではありませんか?ヒトは現状に常に不満を感じるがゆえに、前進する努力を怠りません。でも、お釈迦様が悩まれた「生病老死の問題」は2400年も前の彼の感性上の悩みでしたが、現実の日本では みごとに 解決されています。

♣ パールの活動を俯瞰(ふかん)して、私は「日 本 社 会 の 天 地 創 造 」について 日本のご先祖たちへ感謝・感謝の日々であることを申し述べたいと思います。

  * 参考:この図は URL : APOD と入力し、Archiveの 2001.1.1 を指定すれば パソコン上で見ることができます。

職員の声

声1:原発事件の福島の小学校学生10人のうち10人から 許容量を越える放射性セシウムが検出されました;日本の天地の安全管理が強く求められています。

声2:ヨーロッパの「天地創造」を聞くと、地域によって「天地創造」がこんなにも違うのかと、驚きました;それぞれの「創造」によって社会の構造が関係するのでしょうが、うまく伝統を活かして よりよい福祉社会を建設したいです。

声3:お釈迦様やガリレオは自らの感性で天地創造を信じておられたのでしょう(係り:お釈迦様の「生老病死の悟り」、ガリレオの「地動説の証明」、いずれも後の世で正しく理解されて、より良い福祉の社会が導かれました。

声4:国籍を問わず、神話や先人たちの「天地創造」の知恵を借りて、現在の「閉塞した社会状況」を乗り越えるキッカケにしたらどうだろう?

声5:日本人は価値観のベースとして「灰色」を好みますが、キリスト教の精神社会では「白と黒」「善と悪」のように「2極化」された価値観をベースとした天地創造があるようです; 「蒼穹」が存在して天地を分けるほうが神の有難さが増すのかも知れません; だからハイドンは神をあがめるために「蒼穹」を選んだのでしょうか?

声6:ヨーロッパでは神の創造された天地の下で“人は平等”、従がって福祉は享受すべき「当然の権利」となるでしょう;他方、日本における牧歌的な宗教観は「恩恵的な施し」として福祉を位置づけています;彼我のこの相違点については 認識論が必要だと思います。

声7:日本の福祉は、少子高齢化と財政困難の故に、これ以上良くならないと聞きますが、現在の福祉が最良な福祉なのでしょうか?(係り:今の福祉は最高です、だから 後世に「高齢者を手厚く介護をしていた時代があったという神話」になって伝えられるようになるかも知れません)。

声8:人は常に「今より上」を望むものです;私はもっともっと良い福祉を目指したいです(係り:「天地創造」には「蒼穹」という区切り(限界)がありましたね;人には「蒼穹」を乗り越えないという自制心があった のです;我々の周りにある「ヒト モノ カネ」も有限であり、サービスにも限界があります;人は「有限」のなかでベストを尽くせば最高なのではないでしょうか)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR