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(181) 筋トレに関する三つの誤解

 (181) 筋トレに関する三つの誤解  

  このところ介護保険で話題となったことは、保険給付の約6割が介護度の低い「要支援・介護1」に提供されている事実、ならびに その比率が年々増加してきた、という事実です。つまり、国は「保険給付が無駄遣いになっているのでは?」と危惧の念を持ち始めました。

♣ そこで、国は介護度の低い方々を「筋トレ」などによって元気づけ、介護度を低くして 介護分類の「非該当」(自立)に誘導したい、と思うようです。介護保険の適用は「広く浅く」ではなく、重点的に有効に運用したい、と考えるのが 国の考え方でしょう。しかし、それでは 当然のこととして、国民は反発しています。今日は、私が「東社協」1) の考え方を代弁して「三つの誤解」について述べますので、皆さま方のご討論をお願いします。

♣ その誤解とは:① 「高齢者に筋トレは無理?」 ----高齢者の筋トレは、日常生活を営むための最低限の筋力保持です。付加的に筋力を増強するためのもの----マッスルマン向きではありません。② 「筋トレはマシンを使ったものだけですか?」 ----介護予防として効果があるものは 広く取り入れたいのですが、その基本は日常の身体機能を維持することが目的であって、若者の筋トレとは意味が違います。③ 「筋トレを始めたら、ずっと筋トレしか受けられないの?」----最近 よく言われる“パワー・リハ”の“パワー”は「力」ではなく、「個人・パーソナル」を意味するものです。個人に見合ったリハビリをすれば良いのであり、力をつけること と リハビリとは別なものです。

♣ リハビリ(rehabilitation)とは、「元の状態に戻す」という意味です。「元の状態」とは 20歳の状態でもなく、ご自分が理想とする状態でもありませんその人の その年齢相応の平均的状態、という意味です。したがって、65歳から100歳に至るまでの、さまざまな高齢者リハビリとは、誤解の塊になりがちです。リハビリの考え方が「一人歩き」するのは恐ろしいことですから、この誤解を解いて、個人の心身の状態に合わせた 実りある介護予防を実践して頂きたいと思います。

職員の声

声1: 訪問先で、私の後を追うように付いて来るご利用者があります、そのうち、一人立ちで歩けるようになりました;これも一種の「筋トレ」でしょうか?(係り:巧みな誘導による“筋トレ”だと思います;私は”生活の中でのリハビリに大賛成です)。

声2: お年寄りと言っても、65歳から100歳まで あります;「ひとくくり」で「年寄りの筋トレ」と言わないで欲しいです(係り:筋細胞と神経細胞は年齢の進みとともに減少します;“残った細胞は少ないぞ、強制トレーニングだぞ、きついぞ !2) という視点をしっかり理解しておくことが肝要です)。

声3:パーソナル・トレーニング」が、間違って「パワー・トレーニング」と言われ出したとは 初耳でした;さらに「パワ・トレ」が「筋トレ」に変わったとは、いったい、「筋トレ」は何のためにあるのでしょうか?(係り:65歳の方と100歳の方では、残存体力は「月とスッポン」の違い です;“パーソナル”とは「個人の状態に合わせて」という意味ですから、それなりの意義があります;でも それを個別的に実行するためには 個人指導者では コストがかかります3) 。小集団でも十分に効果が上がります。一人ではイヤであっても、周りの人と一緒で 自然とやる気が起こることが多いのです)。

声4:やる気のないご本人」にも、筋トレの効果を問うのでしょうか?(係り:疑問を持ち始めるとキリがなくなります;おそらく、介護保険は「65歳や100歳の違いもアバウト、やる気があるかないかもアバウト、個性を配慮しない“アバウト老人”」を念頭に置くのでしょう;注意して理解しましょう)。

声5: 三つの誤解が解けました;間違った知識が かえって筋力不全につながる恐れがあるのですね(係り:Yes, yes ! 丁度良いのがベスト、やり過ぎは禁物、やり無すぎも 体力低下に繋がります)。

 参考: 1) 「東社協」= 東京都社会協議会。 2) 諺: You can’t teach an old dog new tricks. 老犬に芸を仕込むのは無理 =(日本の諺)老いた木は曲がらぬ。 3) パールの安全管理 # 3 : ソロモン大王の介護。

 
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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