(183) I.C.の歴史

 (183) I. C. の歴史   

 インフォームド・コンセント(Informed Consent)1) 以後 I.C. )は「説明と同意の書」と訳され、現在の日本では定着した医療・介護上の手続きです。しかし、その歴史は案外に短く、まだ50年に達していません。今年が2011年であることを思い、I.C. の生まれをたどって見ます。

♣ 世界医師会は1964年、会議を開いて “I.C.の概念”を「患者の権利擁護」として発表しました。それまでの医療は「親権主義」で、治療に関する事は「任せておきなさい」が主流でした。

♣ 日本では1980年代後半になって、I.C.は 徐々に病院などへ浸透してきました。しかし、その裏には、新しい薬・検査・手術などの開発が進み、本人の自己決定権(治療法を選ぶ権利)・治療拒否(治療、とくに外科手術の拒否)の尊重などから I.C. が必要となったいきさつがあります。つい 忘れがちですが、1980年頃には、高齢者医療が増え始め、治療効果とその影響が社会問題になり始めたのです。そこで 厚生省は1995年に「日本流のI.C.」を推薦しました(欧米と異なり、日本では ”本人と家族は同体である”との認識)。パールは1999年の開所時から I.C. を用いています。

♣ 福祉の世界では異なる意見もあります。たとえば「I.C.をするなんて、相手のご家族に失礼です ! 」と言う人もあります。私は、正しいI.C.を 定期的にご家族に行うことは必須である、と思っています。職員の皆さま方は どう思っていますか?

職員の声

声1: 「私にまかせておきなさい !」という時代が過去にあった、とは信じられません(係り:二千年このかた、世界中は“父権主義”、つまり「オレにまかせよ ! 」の時代でした;20年前、日本も分別と自己責任を問うI.C.の時代に入りました)。

声2: 病院では、患者さんが自己決定権や治療拒否する、などは聞いていましたが、老人ホームでもインフォムド・コンセントがあるとは初めて聞きます(係り:病院と違って、ここの場合は、主に ご家族とのI.C.が大事 なのです)。

声3:身体拘束とI.C.の関係を真摯に試行錯誤しておられる姿勢に感心しました(係り:I.C.なくして 拘束はできません2) )。

声4: そのI.C.をキチンと「書面」にしたためて . . . というところに「先見の明」があります(係り:ご両親のことを希望的・楽観的に見られご家族が多いのですが、体格指数(B.M.I.)の観点3) から、私どもで あらかじめ“ご臨終”という判断ができる場合もあります;辛いことですが、I.C.のおかげで ご家族の混乱が避けられます)。

声5: 何事も「ウヤムヤに」せず、ちゃんとした説明・同意が基本です;今後、I.C.なしの高齢者福祉は考えられないと思います。

参考: パールの安全管理  1) # 102, 103 : 説明と同意の書(I.C.)。 2) # 180 : 拘束を再考。 3) # 33 : 天寿の終点は B.M.I. ≒ 12.0。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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