(188) 国債残高 と 高齢者福祉

 (188) 国 債 残 高 と 高 齢 者 福 祉  

 パールは どんな場合でも、借金をしません が、職員の皆さん方は いかがですか? たいてい「借金」をしないように心がける人が多いでしょうが、マイホームのローンはせざるを得ないかもね。ローンって「借金」ですよ。国だって借金をします1) 国の借金のことを 特別に「国債」と呼びます。借りる人は日本国(財務大臣)で、貸す人は日本国民です。

♣ 私たちは 節約に励み、収入の1割程度を目安に貯金します よね。そのお金は ふつう 銀行に預け、なにがしかの利息を得て、自分の必要に応じて返してもらいます。銀行は預かったお金を企業等に貸出し、利息を取って営業活動をします。ただし、近年の銀行は お金の借り手がなくて困っています;それは バブル後の企業が 自己資金を蓄えている上、景気の低迷によって、銀行のお金を借りなくなったからです。他方、日本国は 不景気で税収が上がらず、政策の都合で「歳出」を増やします。つまり、銀行は「貸すお金が余っている」、は「お金が欲しい」。両者の都合が一致して、国は銀行からお金を借ります。借りたことの「証文の名前が“国債”」です。

♣ 国は借りたお金で はたして“元利合計”を戻せるような「営利事業」をするのでしょうか?(そうしないと お金を銀行に戻せない)。もちろん、いくばくかは営利事業をするでしょうが、大部分は非営利事業をします。それは:- 道路建設・教育・年金・医療や介護 そして公務員の給料とボーナス等。つまり国は銀行から借りたお金を、儲けることをせず 使いきってしまいます。もし 銀行からお金を返してくれ、と要請されても、戻す現金はありません。そんな場合、国は国民から取る税金を上げれば、銀行にお金を戻せます。しかし 税金を上げるのは、言うは易く 実際は困難ですね。だから、国は、国債をさらに発行して現金を手に入れ、それで銀行にお金を戻します。借りたものは返すのが当たり前ですものね。

♣ 私たちは「入るを図って 出ずるを制す」という金言に従って、収入を越える支出をしないように心がけます。しかし、図体の大きい国の収支は「なんぼ収入があったか?」を計算するのに 時間がかかります。その上、歳入が少ないことが分かっていても、教育・年金・医療介護・公務員の給料などは にわかに減らせません。そのため“国債”の利用が有難い、と分かったのです。

♣ 以前は 国といえども「入るを図って 出ずるを制す」で運営されていましたが、1975年、第一次石油ショックの後始末のために「5兆円」の国債を発行しました。そして、国も個人も同じ道、つまり「借金地獄のお決まりのコース」に転落してしまいます。今年の税収は約45兆円です。その税収に見合った運営をするのが「健全」なのでしょうが、国は諸般の事情により 約90兆円の支出をします。この差額 45兆円を国債でまかないます(借金財政)。毎年 これを繰り返しているので、過去の借金残高の総計は900兆円を越えるとされます2) その「つけ」は今の若者が支払う予定です

♣ 幸い、日本の場合、借金先は「日本国民」が95%です。つまり、今の若い皆さん方の貯金を流用しているので、皆さん方が「さあ、今 お金を戻して下さい」と言わない限り、国の「債務不履行」(デフォルト)(取り付け騒動)は発生しません。もし、外国から借金していたのなら、今年のギリシャみたいに、デフォルトが発生しかねなかったのです。

♣ 先週、アメリカではデフォルトが発生しそうになり、オバマ大統領が危ない舵を切って 国難を逃れました。イギリスでも 国民の「あれが欲しい、これが足りない」という声に応えて 政府が大盤振る舞いを重ねたあげくが 借金の山;キャメロン首相が年金・福祉・教育の大手術を始めたら、8月には若者たちの暴動・流血が ロンドンを始めとする 英国の各地に広がりました。このように、各国とも「国債」(借金)は 政府にとって大変 有難い「打ち出の小槌」なのですが、一歩 誤ると、国が滅び、福祉も潰れてしまいます

♣ そこで どの金額まで国債を発行しても大丈夫なのか?それが問題となります。日本の場合、国民の財産が1300兆円程度あるそうです。そこまで国債を発行しても、日本は債務不履行によって 国を乗っ取られる心配はありませんが、もう総額900兆円まで借り込んでいますよね。

♣ あと3年くらいで、日本は外国にお金を借りる事態になるのだそうです。困っちゃいますよね。もし、そうなると、せっかくの世界一健康長寿国の日本、そして世界一幸福な日本の高齢者福祉も「絵にかいた餅」になりかねません。皆さん方も、少し知恵を出して3) 、日本の国難を乗り切る行動を考えてみませんか?

  参考: 1) 国の借金 どうして増えたの? 日本経済新聞 2011.8.6(土曜版)。 2) パールの安全管理 # 110:2013年の危機。 3) # 107 : ペイゴー。

職員の声

声1: 知恵を出したらどうか?とのことですが、まず、「国債無し」の45兆円で予算を組んで欲しいです(係り:今は90兆円の予算ですから、必要な労働量も半分(給料も半分? )になりますね;イギリスの首相キャメロンがそれを始めたところ、主要都市で暴動火災が発生しています;日本の若者は内向き閉塞思考だから、そんなエネルギーもないかな?)。

声2: 私の老後の日本は借金だらけ、国の御世話にならずに老後を過ごす方法は ないものでしょうか?(係り:700年前、日本が蒙古の襲来を受け、戦費調達のために 時の幕府は「徳政令」(とくせいれい)という法律を出して、借金の棒引きを考えました——この方法なら政府は助かるでしょうが、銀行預金をした国民は路頭に迷います)。

声3: 私は“国債”を保有しています;私の大切なお金がムダに使われるのなら、解約したほうが良いのでしょうか?(係り:250万円でお米が100俵買えますが、あなたが高齢者になる頃、その金額では20俵しか買えません4) 。仮に解約しても、手元に戻った現金を箪笥預金にすると 物価変動により、もっとひどい目に遭います)。

声4: 渋谷界隈(かいわい)を見ると、日本にはお金が無いのだ、と感じます(係り:とんでもない !! お金はアメリカの次にドッサリあります;有効に回らないだけです;日本がヨーロッパの債務不履行すれすれの国々にならないよう、信頼できる政府を選挙で選びましょう)。

声5: 借金は膨らみすぎると返せません;街場では、最後のババを引くまで貸してくれるそうです;貸す方も借りるほうもグルでしょうか? 日本は「ええじゃないか、ええじゃないか」と踊りながら、社会秩序を失って行く心配があります(係り:島崎藤村しまざきとうそん)の「夜明け前」の小説を読むと、徳川時代末期の「ええじゃないか節」が出てきます:時は徳川政府・京都政府・尊王攘夷(そんのうじょうい)の志士達の不安定な社会情勢、それを反映して 民衆は「えいじゃないか節」を歌い、踊り狂ったそうです)。

声6: 「借金がある」とは「信用があるから」と教えられて来ましたが、もう納得できません;借金をしない政治をして頂きたいです(係り:将来にツケを残さない、問題解決型の政治家を選挙で選ぶことが大切ですね)。

参考: 4) パールの安全管理 # 132 = 命:魔法と現実。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR