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(191) 安全管理 から 事故管理へ

 (191) 安全管理 から 事故管理へ
  
 昨日(2011.8.17)の「天竜川下り」の遊覧船事故、ビックリでした。

♣ 第二天竜丸という舟が お客を乗せて 淵の渦に巻き込まれ、23人が川に投げ出されて、死亡が4人、行方不明が1人の事故となりました。私はテレビの初報を聞いたとき、すぐに救命胴衣(ライフジャケット)はどうだったのだろうか?と案じました。案の定、ライフジャケットは「お飾りの役目」に過ぎませんでした。

♣ 私自身の「川下り」の経験は三つあります。一つは 和歌山県と三重県の境にある「熊野川」です。もう40年以上の昔で「プロペラ船」でした。半径が人の背丈もある大きなプロペラで川を上り、そして下ります。川が浅かったので、ライフジャケットなど考えも及びませんでした。

♣ 二つ目は「保津川下り」。北京都の亀岡から 名所・嵐山に至る保津川峡を下ります。舳先に立つ船頭さんが 勢いよく迫る岩の塊を 竿でグイと押して舵を切ります。 急流の中で、もし岩を押し損ねたら . . . もちろん 間違いなく 私の乗っていた舟は 今回の第二天竜丸と同じ運命をたどったことでしょう。震えました。その時も、ライフジャケットなんて、みじんも思いつきませんでした。

♣ 最後は、ドイツのローレライライン川下り。この時の船は 外輪船 で、たぶん300トン程度の中型船であったこともあり、ライフジャケットよりもライフボートが問題なのでしょうが、景色に見とれて 能天気な旅をしました。いずれの場合も「事故管理」の世界など、思いもつかなかった“お粗末さ”でした。まったく、人様の事故を批判する立場 ではなく、恥ずかしい限りです。

♣ 話は違いますが、私が印象的に覚えている戦闘機の装備のことをお話しし語ります 。日本の「ゼロ戦」は 太平洋戦争の初め、向かうところ敵なし、を誇りました。速度・操縦性・航続力・20ミリ機関砲など、世界一の性能を持っていました。対する「グラマン F4戦闘機」は、すべての性能においてゼロ戦より劣っていましたが、どっこい、思考法が彼我の間で違ったのです。グラマンは操縦席を厚さ1cmの鉄板で覆ってありました。そのため襲撃を受けても操縦士が銃弾を受けることはなく、さらにガソリンタンクが防火装置で覆われ、弾を受けても燃え上がらないように工夫されていました。さらに、さらに、万一墜落する運命になれば、パラシュート・食料・SOS通信機・ゴムボートまでくっつけられていました。このために必要な余分の重量は500kgを越え、その欠点を補うために、エンジンの出力は1,500馬力(ゼロ戦は1,000馬力)でした。ゼロ戦は「追う立場」にあると無敵ですが、「追われる立場」になると、パッと燃え上がり、操縦士は失われました。この違いは何に基づくものでしょうか?

♣ 今回の天竜丸の事件と何か似ているものを感じませんか?そうです !! 舟や飛行機は事故を想定せねばならず、「安全管理」のほか「事故管理」も必須なのです。事故が発生したら、どういう手順で、被害を最小に留めるか、これが「事故管理」ですね。グラマンは「あっぱれ ! 」です。

♣ そして、「事故管理」についてはパールにも関係があるのです。お年寄りは転びます。転べば「骨折」です。いくら「ヒヤリハット・レポート」でりきんでみても、このひと月、パールでは、トイレの中で 2件もの骨折を起こした実態があるのです !

♣ 私はここで言いたいです:私たちはゼロ戦で戦いますか?それともグラマンで? 

   参考:坂井三郎:大空のサムライ 株式会社 光人社 昭和42年

職員の声


声1: 天竜川下りの事故にビックリですが、ライフジャケットを座蒲団代わりにしていたことにも驚きました;“無事故神話”は ここでも「福島原発事件」と同じです;事故は "絶対無い“というけれど、あったじゃないですか ! 事故管理をしていないから深刻な騒動が起こったのです。

声2: 社長は 安全管理→危機管理→事故管理のように深刻な対応を すべきです;つまり「もし事故が起きたら、被害を最小にする管理」のことです(係り:たとえば、フランスでは、原発施設周辺の家庭に「ヨード剤」を配っておき、イザと言う場合に ヨード剤を飲んで頂く;さらに一年に一度、新しいヨード剤に差し替える——教科書にはそう書いてあるけれど、福島の現場では その知恵もなく、国もヨード剤の備蓄も用意していなかった——事故は絶対無い、だから安全管理は不要であり、事故管理もしない;はたしてこれでいいのでしょうか?)。

声3: 日本では一般に「事故は起こらない」という想定のもとで物事が処理されているようです;だから事故が起こると「想定外 ! 」で 軽くいなします;私は 「ヒトや自然に想定内はない」と思います;それゆえ パールの「ヒヤリハット・レポート」は軽く聞き逃してはいけません。

声4: 最近、偉い人たちが「想定外 ! 」や「遺憾である ! 」と言って、問題をすり抜けるケースが多く、全くケシカラン ! 相手が「自然力」であれば 予定通りには行かぬこともあるのだ ! (係り:神様のなさること(地震とか津波)には服従して対策を考えますが、「ヒトのしゃべる想定外」には服従しかねますね)。

声5: 私は45年間 無事故の運転歴をもっています;ハンドルを重ねることで独特の「第六感」を獲得し、事故を未然に防いでいます;天竜川の事故も船頭さんの「第六感」の不足が原因だったのでしょうか?

声6: 静岡県出身の私は「天竜川下り」を何度か経験していますが、ライフジャケット装着したことはありません;舟内に置いてあった茶色の袋は座布団だと思っていました;私も 選ぶなら「ゼロ戦」より「グラマン」です;だって「負けた時、弱い時」に踏ん張るチャンスのあることが大事だからです。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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