(197) モラル ハザード

 (197) モラル・ハザード   

 最近 “モラル・ハザード”は よく聞きますね——でも、この言葉、喉につかえます。今日は 言葉の意味から入ってみましょう。

♣ 「モラル」はふつうに“道徳的”と理解して良いでしょう。「ハザード」(hazard)は“予測できない危険”です。がんらいは「さいころ」に語源があるようで、“どの目が出るか予測できない”ことから出た意味です。日本語の「危険」は 英語のdanger に対応するゆえ、ハザードという言葉は 翻訳せず そのまま、カタカナで使われることが多いです。たとえば「ハザード・マップ」= 危険が予測される地図(危険が どこにあるか ないか わからないけれど);「ファイアー・ハザード」= 火の用心 など。

♣ そこで“モラル・ハザード”は「倫理の欠如・崩壊」などと訳し、“節度を失った利益追求の姿勢”を表わします。新聞・テレビなどで よく見かけますね —— ① 火災保険に加入して、自ら火災を起こし、保険料を受け取る「焼け太り」、② けっこう裕福なのに、学校給食費を払わない親たち、などを表わします。

♣ ヒトのモラル・ハザードの歴史も長いです。たとえば、 大阪城の落城(1615年):豊臣秀吉の死後、徳川家康の攻撃を受けて大阪城が炎上・落城した。その際、城に残った巨大な財宝は攻撃兵たちに争って略奪され、子女たちも乱暴狼藉らんぼう・ろうぜき)の憂き目に会っいました。さらに新しいハザードは、中東の国、リビアで、勝ち目に乗じた反乱軍が、首都トリポリの都で略奪を始めました(2011.8.24)。おろかですね。

♣ 以上の 例は、モラル・ハザードと呼んでいいでしょう。私どもは ヒトを愛し、その能力を尊敬します。しかし、世の中には「神仏」が必要と思われるほどに、暴走するヒトがあります。ただ ひたすら「残忍だけ」なこともあり、また「節度を失って利益追求に走るだけ」のこともあります。私たちは そんなヒトの歴史と現状の中から「教訓」を学び取りたいと思います。

♣ 社会環境の中で大切なことは「自由」であること「秩序」が保たれていること でしょう。現在の先進国は、努力を積み重ねて やっと「自由と秩序」を手に入れていると思います。自由と秩序は互いに相矛盾する概念ですが、モラル・ハザードの危険を防ぐために必要な能力とは、優れた「バランス感覚」ではないでしょうか? バランス感覚とは、両極端にある事柄の中間に腰を据えることです。両極の間を“行きつ 戻りつ”を繰り返して、しばしば一方の極に接近する場合もありますが、問題の解決に適した、ある一点を探し求めるという、ある種の 永遠の移動行為ではないでしょうか?

♣ モラル・ハザードは 今、世界を席巻(せっけん)しています(例は無数 !!!)。前回 申し上げたように、日本は「落とした財布が現金ともども交番に届けられる国」です。パールは 誇りをもって世界に模範を示したいと思います。

職員の声

声1: モラル・ハザードって初めて聞きます、勉強します。

声2: 震災地に行く高速道路の割引料がインチキ利用者の横溢おういつ)のために中止となりました;このインチキは復興の足を引くモラル・ハザードです。

声3: 給食費を払わない親が当然顔をし始めたのはいつごろからですか?(係り:モンスター両親の現れと関係あるでしょう;2005年には既に社会問題化しています)。

声 4: アメリカのインディアン(原住民)は今でもアメリカの土地はインディアンのものだ、と主張しています:NHKの大河ドラマで「おごう」が活躍していますが、下剋上(げこくじょう)の世の中、主君・織田信長の領地を奪ったのが豊臣秀吉、その秀吉のモノを乗っ取ったのが徳川家康、誰が英雄で モラル正しい人だったのだろうか?(係り:170年前、イギリスの最盛期の女王ビクトリアは「平和・進歩・繁栄」を謳って(うたって)得意の絶頂にありましたが、東洋の支那へは侵略戦争を仕掛け、猛毒のアヘンを高値で売り付け 略奪三昧でした——強い者のモラルが まかり通ったのは皮肉ですね)。

声5: いろんな人々が円く収まるためには妥協が必要です;でも、人が人を思いやる心は変わらないものがあるでしょう。

声6: パールは常にhazardと隣り合わせです;いかにhazardに対して適切・確実に対応して行くか、諸先輩の実力に感嘆しております;さらにパールでは自由と秩序がよく保たれている、この誇りを汚さないように頑張ります。

声7: 「自由と秩序」は相矛盾する概念ですが、近代国家は できるだけ「自由」の多い状態を保証したいようです;でも「自由」が望み通りにあれば、「節度を失った利益追求」に走る人が現れ、「秩序」は脅威にさらさるし、モラル・ハザードが横行しかねません係り: 「自由と秩序」の両極端の間を絶えず見据えて、バランスの取れた判断と対応が求められますね)。

89: 「老人医療の無料化」は理想ですが、それを実行したら国がパンクし、モラル・ハザードに陥りました(係り:ものごとを無料にすると財政はパンク、質は低下;心の荒廃こうはい)も起こります)。

声9: モラル・ハザードにはマスコミの煽動(せんどう)が深く関与しています:“リテラシー”とは識字・情報受信の能力のことですが、情報の発信能力も欠かせません;見聞きしたことを鵜呑みせず、“リテラシー”で判断して頂きたいと思います)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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