(198) 虫卵と洗い過ぎ

 (198) 虫卵と洗い過ぎ 注意 

 私(Dr.冨士雄)が学校卒業後 病院で勤務し始めた頃(1958年)は、まず、受け持ちの患者さんの「検尿・検便」を自分で行う ことから始まりました(今では検査シートにチェックするだけで すみますが、当時は“中央検査室”や業者請け負いの検査システムはありませんでした)。便を顕微鏡で見ると、過半数の頻度で「サナダムシ」の虫卵が見つかりました。現在の清潔な時代の目で見ると、想像もつかないほど、ヒトの体はバッチかったのです。

考古学者は、遺跡(いせき、人が住んでいた所)を証明するのに、必ず「便所」を探索します。そこの土にサナダムシの虫卵の「化石」を発見できれば、確実に「遺跡の証明」になるそうです。つまり、このように、人類とサナダムシは「共存共栄してきた」のです。

♣ サナダムシを自分の腸の中に一匹飼育していると、血液の中に「抗酸球」という白血球が増え、抗アレルギーや免疫作用が保たれ、元気になるといいます1) 。ところが近年、特に日本では「汚いもの大嫌い」「抗菌グッズ」という考えが流行し、サナダムシ駆除はおろか、入浴しても 強力洗剤で体を「磨き上げ」ます。これは若者や老人にとって、非常によくない 常在菌と皮膚脂肪を保つため、「軽く洗う」だけが、一番 健康に良い藤田先生はおっしゃいます。世の中には、いろんな考えがあるものですね。

  参考: 1) 藤田絋一郎(東京医科歯科大学 教授):”きれい”社会の落とし穴 :学士会報 # 851 : 94, 2005.

職員の声

声1: インドではガンジス川に排泄し、その水で体を洗い、しかも元気;彼らは天然のウオッシュレットを活用しています(係り:日本でも、私の若い頃は“三尺さがれば水清し”と習いました;つまり川に流したオシッコでさえ、三尺下流であれば 清い“と言うのです;信じられる?)。

声2: 日本でも、夏の海水浴場は混雑しているのですが、有料トイレ に入る姿はあまり見かけません(係り:日本の人々は海をガンジス川に見立てている のでしょう)。

声3: サナダムシに感染しても 健康に悪くはないのですか?(係り:悪いにきまっています;藤田先生は ご自分が医師であるから抑制法をご存知ですし、面白い考え方を発表なさるのです:ちなみに現在、サナダムシを見つけるのは困難です)。

声4: 人間の皮膚に常在する良い菌を流し去ってしまうと、皮膚脂肪は減り、ツヤは悪くなり、別の細菌類に感染しやすくなって、アレルギー疾患は増えるのですか?係り:強力なボディー・シャンプーは綺麗好きの日本人の好みに一致するのですが、それでは皮膚の常在菌が一掃されてしまいます;肌の脂肪が少々残るくらいの洗浄が適当なのです)。

声5: 抗菌グッズも良くないのですか?(係り:テレビと業者に踊らされてはいけません;人間は「抗菌」「無菌」にさらされると抵抗力が弱まり、イザという時の力が失われます。日常生活の中で「抗菌」である必要はありません)。

声6: 女性のウオッシュレットは一日に一回が適当、それ以外の時は 従来通り ウオシュレットなしで ただ「拭うだけ」 との意見にビックリです(係り:毎回洗い過ぎると、正常な膣のデーデルライン菌が抜けてしまい、別な感染症を誘発してしまいます)。

声7: 特養では「ボディー・シャンプー」から「液体石鹸」に切り替え ています;お年寄りの皮膚のカサツキが減ったようです係り: 何事によらず「中庸」が良い と言うことですね)2)

参考: 2) パールの安全管理 # 45 : ルー(Roux)と智恵。
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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