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(200) 増える独居高齢者

 (200) 増える独居高齢者 

 昨年の集計値ですが、老人の独居世帯は全独居世帯の約半分でした(48.1%:CBニュースキャリア)。昔にも「独居高齢者」は あったけれども、社会問題とはなりませんでした。昔は「人生50年」、高齢には なれなかったのです

♣ 第7回の安全管理(11.7.12)は「医学の進歩が年寄りを苦しめる1) でしたね。その話では、「長寿問題にどう対処しようか?」で結びました。)

♣ 「長寿には問題があるから、早く死にたい」とは 誰も思いますまい。しかし、欧米の長寿国は 庶民の隅々までもが 長寿の問題を知っています。これに無知で「長寿はめでたい ! 」と言っているのは、 日本だけ です。 そして「年金が足らない、施設が不足している、政府は何をしている? 独居高齢者の不幸を何とかせよ !! 」と庶民は不服を述べ、マスコミさえも これに同調しているのが現状です。

♣ さて 独居高齢者の問題解決法には3通り があると思います。お金がある人は「皇帝」の老後を過ごすので、ソロモン大王のようになさるでしょう1) やや ゆとりがあれば「有料老人ホーム」で過ごし、これもまた、問題は少ないです。 普通の庶民は 「自宅または特養」で過ごしますが、ここで問題が発生します。なぜなら、お年寄りの問題とは「ヒト モノ カネ」の問題だからです。

♣ 昔の社会では「下男・下女」(げなん・げじょ)という サービス専門の 一群のヒトがいましたが、今では居ません。昔の社会では「70歳は古希」(希(まれ))で、老人問題は ほぼゼロでしたが、今の世は問題老人で あふれています。こうなった理由は 福祉社会が 人々の長寿希望を尊重し、医療・介護を発展させ、その目標をほぼ完成に近づけたから です。かくして、介護側は「供給不足」に、長寿側は「需要過大」に陥りました。

♣ この問題は、都会では大きく 田舎では小さいと言われますが、スエーデンの片田舎の事例を見ても、やはり「ヒト モノ カネ」が必須です。第一、高齢夫婦の一方が死ねば、その補いに兄弟や子が住みますか? 世界中、それはイヤだと言うのです。結局、お年寄り本人の希望を尊重すれば、税金を投入 して 他人がお世話する以外の手はないようです。これでは、ソロモン大王と同じです2) 。だって、そうでしょう?みんなが王侯貴族のような老後生活にあこがれるって、そもそもムリだと思いませんか?

♣ さらに 多くの人たちは、この地球上で生命が どのように進化してきたのか、という 科学の法則 3) を無視しがちです。つまり、「動物の親は子を育てるために自分の命を削って死ぬ」のが 天然の生命のあり方です;しかし「親を長生きさせるために 子が死ぬ思いの自己犠牲をする」のは ヒトだけ で、これは進化の流れに反します —— そんな動物は 他にいません。しかも 現実の介護者の多くは 自分自身が すでに高齢者だから 他者を雇用せねばならないし、その場合 遺伝子上で 赤の他人の介護となることは 避けられません3) 。いま人類は 「何億年も続いた親子生命の営みの流れを 変えようとしている」のです。生命の流れに反する この無理を承知の上で 続けるのなら、高齢者も 介護者も、共倒れ になってしまう可能性があります。

♣ 私とて この問題に対する確実な解決法を持っている訳ではありませんが、今回の「3.11福島原発事件」で思い知った「電気過剰使用の実態」から 多くのの教訓を学び取りました —— つまり、電気は 金さえ出せば 無限にあるモノではなかったことを思い知ったのです。介護にかける「ヒト モノ カネ」も無限にあるものではなく、その出所は私たちの税金です。だから、私たちは自分の「ライフスタイル」を変え、工夫をこらした 新しい生き方をすべきだと思いす。

♣ 私の結論は ① 人手に代わるロボットの開発と実地応用、② 欧米諸国が採用する「処置の定年制」を導入、③ 延命医療は“私費で利用する”4, 5) 、または“しない”こと の三つを申し述べます。仏教国の日本では ② ③ が困難なのは分かりますが、きっと 「みほとけ」も了解して下さる のでは ないでしょうか。

  参考:パールの」安全管理 1) # 173 : 医学の進歩が年寄りを苦しめる。 2) # 3 : ソロモン大王の介護。 3) # 100 : 赤の他人の介護。 4) # 135 : 生きざま 二態。 5) # 128 : 救命と延命。

職員の声

声1: 高齢者が増加すると言うのに、若い世代が減って行きます;今後 誰が面倒をみると言うのですか?(係り:今、大阪大学の目黒教授たち が世界をリードするような介護ロボットを開発しています6) ;昔 馬方(うまかた)や駕籠方(かごかたが人を運びましたが、いまはバスや電車の運転手が能率良く人を運んでいますね;パールもこの視点で介護ロボットの使用を世界に発信したいです)。

声2: 私の在宅サービスの症例ですが、ご自分の母親に水分を飲ますのに時間がかかってめんどうくさくなり、ドクターに頼んで点滴を始めて貰いました(係り:頼むほうも 頼まれる方も モラル・ハザードですね7) 。このようにして、良き日本は衰退して行きます)。

声3: 私は理事長の結論の ① ② ③ に賛成です;とくに高齢者の「延命は自費」にてお願いします(係り:こうすることによって、命の尊厳が正しく守られると感じます)。

声4: 明日は我が身」の話題でした;人は長寿を望んだものの、病院の長滞在はできないし、独居高齢は不安だし、お金も力も尽きるし . . . ロボットなら気を使わなくてもすむから 使ってみようかしら . . . 何だか私の将来は SF の世界みたいです係り:さびしさをまぎらす愛犬も結構ですが、ロボットなら耳の後ろのボタンを押すと救急車がやって来ます)。

声5: 政府が1000兆円もの累積国債を発行したのは 独居高齢者の増加に一役買ったような気がします(係り:もし政府が国債を発行せず、医療・介護費を切り詰めていたら、高齢者のさらなる高齢化は防げたでしょう;でも それでは政治家の票は集まらないし、医療も衰えて困るから、国債は再発行され 悪循環は続くでしょう)。

声6: 年をとるのにもお金が掛かるということですか?(係り:国民が一年長生きするごとに一兆円余がかかります)。

声7: 「病気で長生き」というのではたまりません;医療は進歩を止めたのですか?(係り:延命に続く延命の努力が続いています;新しく育つ若い世代の大きな任務は老人延命にあるようです;戦前ならいざ知らず、今これが人類社会の正しい有り方なのかどうか、問題になっています)。

係り: 今、年金問題が大きいですが、そもそも「年金を頼りにする生活」と言うものは1990年まで存在しませんでした。それまでは 自分の甲斐性(かいしょう)で人々は生きていたのです。年金制度は有難いことですが、「掛け金」だけでは経費をまかなえません。だから政府は国債を発行し、ツケを若者に押し付けるという設計です。次の総選挙では この点を明らかにしてくれる候補者を選んだらいかがでしょうか?

 参考: 6) Us. And them. Robots are being created that think, act, and relate to humans. Are we ready? By Chris Carroll in National Geographic 8: 66~85, 2011. 7) パールの安全管理 # 197 : モラル・ハザード。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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