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(205) デジタル と アナログ

 (205) デジタル と アナログ  

「デジタル」とは「ラテン語で」のことですが、ちっとも有名な言葉ではありませんでした。

♣ なぜ「指」が有名になったのですか? それは「モノの数え方」の基本が進歩したからです。人の数を数えるときには「…人(にん)」ですね;たとえば一クラス35人とか . . . 。しかし液体の量を計る時は「. . . ミリリットル、バーレル」など色々です。前者は“不連続量”を、後者は“連続量”を計るために使われます。だって、人の数は35.3人なんて意味不明ですし、液体の量を「三個」と言っても やはり意味不明ですものね。

♣ 「指」が使われる意味はここにあるのです。つまり、指は一本か二本か . . . 不連続量ですから、ゴマカシが効きません。他方、ミリリットルやバーレルは「おまけ」を付けて測ることができ、連続量であることが分かります。

♣ 「指」はフィンガーだろ?と思うかたもあるでしょうが、それは英語圏の言葉です;全世界で用いたい科学用語の場合、ラテン語か古代ギリシャ語を使えば 各国が受け入れやすくなります。「指」はラテン語でディギトゥス(digitus);言い出しっぺの科学者が英語圏の人だったから「ディジタル」となりました。日本語で「指」と言っても、それは純粋に肉体的な「指」であって、「指折り数える」くらいしか他用しませんね。

♣ さて、1969年、日本のセイコウ社が「デジタル時計」を発売して以来、この語が世間に頻用されるようになりました。従来の 針がついている文字盤時計は「アナログ時計」として区別されます。デジタルは情報を指の数・10文字で表現し、桁数を重ねると非常に正確な表現ができます。じっさい、スポーツで速さを競争する場合、昔なら時計型ストップウオッチでしたから、順位が決まらない;今はデジタルで、百分の一秒まで区別できますね。

♣ しかし、数字が刻々と変化するデジタル時計盤は、その一点の時刻は見てすぐ判るけれど、その前後の関連(遅れた、急がねば、速く など)を連想することが苦手になる という不便性があります。したがって、現在では、セシウム発振のデジタル時刻情報を わざわざアナログ化した、昔風の時計盤が主力に戻っているほどです。

♣ 「アナログ」とは、同じくラテン語から流用された言葉で、アナロギア(analogia、類似・類推)、すがた・かたちという意味から来ました。瞬間的・直観的に把握できる特徴 があり、たとえば「大きい」とか「美しい」などの表現は観念的で、アナログ量です。

♣ 他方、デジタルはパソコンの基本で、客観的です。パソコンは一個のトランジスター(素子)からスタートしました。素子に電気が入っているか いないか、で状態は on - off の二種類になります(電灯がついているか 消えているかの二種類の状態)。この素子を八個並べると、状態は2×2×2×2×2×2×2×2 = 2の8乗 = 256の情報(1ビットと呼ぶ)を区別できます。1970年ころ 欧米でパソコンが 文章記録の点で飛躍的に進歩しましたが、256文字の制約では、英数簡単記号を認識できても、日本語は表わされませんでした(漢字の種類は一万以上あります——1980年ころまで、日本では大会社でも“和文タイピスト”という職業があり、これほどの種類の金属活字を一つ一つ手で拾って文書を作成していました)。

♣ そこで、1ビットを二つつなぐ方法が工夫 され、これを1バイトと呼ぶようになりました。1バイトは2の16乗 = 65,536種類の文字を区別 でき、日本語は あっと言う間に パソコンに乗るようになって現在に至ります。

♣ 私たちの職場でデジタルの使用は「会計、約束時間、体重、飲水量など」の数値記録に用い、アナログの使用は「おとなしい、暴れている、ボディ・ランゲッジ」などの状態記録に応用されます。

♣ 私たちがケアに入る場合、ご利用者の状態観察はデジタルとアナログの両方が必要です。「デジタル人間」という表現があって、0か1かを判別するけれど、その中間の答えを無視する人間のことを言います——ぎこちないですね。逆に 「アナログ人間」は物事を割り切ることができず、曖昧で しかし 優しいところがある——アクセントを付けるとよいですね。

♣ 日本人は能面のように、顔から表情を掴みにくいとよく言われますが、良いケアをするためには、デジタル量(理性・理論・安全など)もアナログ量(勘・情緒・安心など)も、しっかり理解した上で、両方とも大事に把握する姿勢を持ちましょう。

職員の声

声1: 「デジタル」が「」というラテン語から来た、と初めて知りました。

声2: アナログもラテン語ですか?(係り:アナロギア(analogia)= 似ている、連続量の という語源です;たとえば「鼻」はどこからどこまでが「鼻」ですか?(係り:境界線が引けませんから、「鼻」はアナログ量です)。

声3: パソコンで素子の数が2の8乗 = 256(1ビット)、2の16乗 = 65,536(1バイト);ヘー!! 初めて知りました;モノは すべて デジタルかアナログに分類されるのですか?(係り:デジタルは「写真」(アナログ)を印刷する技術からスタートしたようです:今でも 新聞の写真は、拡大して見ると「大小の点の集合」、つまりデジタル画ですね;もしデジタルの点の大きさを無限に小さくすると、ぼやけた濃淡のアナログ量を表わすことができます。ところが、「うれしい」「悲しい」「鼻の広さ」などはデジタルで表わされません。だから、両者の境界は、ある意味では ぼやけています.


声4: 私はご利用者宅でアナログの「笑顔」を出して 疲れきってしまうので、パールに帰ったらデジタルの「能面」になるのをお許し下さい(係り:うまいシャレだナ ! )。

声5: 学校で学ぶ 歴史や文学はアナログで、数学や科学はデジタルとも言えませんか?(係り:日本の受験でいう「文科と理科」ですね;紫式部の「源氏物語」と清少納言の「枕草子」の対比ですね;おもしろい感覚です)。

声6: ケアの仕事は、言語(デジタル)の領域の仕事 のほか、と非言語(アナログ)の領域の仕事(笑顔・態度・ボディ-ランゲッジなど)も大事だと学びました(係り:Exactly ! )。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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