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(214) 未病 (みびょう)とは?

 (214) 「未病」(みびょう)とは?  

 65歳以上の人口が20%近くを占める超高齢・少子化社会を迎え、医療費や介護費が増加しています。そこで、少子化対策と共に、病気になる前の「未病対策」が必要となってきました(未病とは、未だ「やまい」にあらず、という意味です)。

♣ 66年前まで(=終戦、1945年)、日本人の死亡原因は「怪我、栄養不足、感染症」の三つが主力でした(今の開発途上国と同じ)。でも今は「変性疾患」が主力です:「変性」とは体の部分が[古びる]こと です;たとえば、髪の毛が白くなる;皺ができる;視力が衰える;耳が遠くなる;歯の数が減るなど。このことは 先進諸国で一様に見られることであり、その原因は「人の寿命」を考えざるを得ない領域にあります。

♣ 疾患名で言うと:- 高血圧・糖尿病・脳卒中・心筋梗塞・パーキンソン・アルツハイマーなどなど。これらの変性疾患を見ると、あなたが今 50歳未満であれば たぶん ご縁がないでしょう。でも 歳を重ねれば ご縁ができますよね。こう言う視点でみる将来の病気が「未病」です。未病って、できれば うんと後に来て貰いたい。そのためには、「知恵と勉強」が必要です。

♣ 20歳を越えると、ヒトの脳細胞は毎日10万個ずつ減ります(アポトーシス1) )。脳の模型や写真をご覧になることがあると思いますが、脳の表面は「灰色」で(皮質ひしつ)、そこに脳細胞があります。内の方は「白色」に見え(白質はくしつ)、脳細胞からでた神経の束でできています。中年以上の方なら たいてい 脳のCT検査を受けた経験があるでしょう。CT検査で脳細胞のある灰色部分と神経がある白色部分が きれいに映し出されます。その脳の皮質部分は20歳で脳全体の約50%、ところが80歳になると約35%に減ります——その減少をCTで自分の目で観察できます——見るとガッカリします。また、その減りかたは ほぼ年月に対して直線的です。ナゼそうなるかって、それはヒトの定めだから、問うてもムダです。

♣ 脳細胞から出た神経は「目的地」へ延びています;たとえば筋肉細胞へ。もし、ある脳細胞が消失すると、それに繋がっていた筋肉細胞も消えます2) 。このようにして、ヒトの体の細胞は、一般に歳を取るにつれ 減って行きます(脂肪細胞は別)。細胞数が減れば、その機能も衰えて来るのは 理の当然でしょう。これが老化であり、その老化を自覚する手前が未病とも言えるでしょう。

♣ 国はこれを踏まえて、今後10年間のキーワードを「介護予防・活き活き85歳・若い時からの生活習慣病対策」としています。つまり、未病を時間的に遠くへ押しやろうとする運動ですね。しかし、身体生理の実態をわきまえず、「精神主義」だけで困難を切り抜けようとするのは、アメリカのB29爆撃機を「竹槍で突つき落そうとする」のと同じです。私たちは、まず高齢者の心身を観察・理解したうえで、適切なケアをするべきでしょう。「主治医は私自身」という心構えで生活習慣を改善して行く事が大切です。

♣ 国連の「アルマータ宣言」(1978年)3) によると、ヘルスケアとは「地域社会と家族が十分に参加し、継続可能な負担の範囲で 科学的に正しいケアをすること」と定義されています。「やまいと老化」の境がはっきりしない現在の介護の世界では、「費用 対 効果」の点で、「未病対策」を どのように進めたらよいのか、皆さんがたの知恵をお聞かせ下さい。

参考:パールの安全管理 1) # 109 : 長寿とアポトーシス。2) # 199 : 筋トレと神経。 3) # 95 : アルマータ宣言と日本。

職員の声

声1: 脳の皮質が20歳で脳全体の50%(正常)、80歳では35%に減る(80歳としては正常)、これがヒトの定め;この争えない事実の中でこそ、ケアの本当の役目があります。

声2: 脳細胞が毎日10万個ずつ減るなんて、驚きました、悲しい ! 係り:何事も、減るものがあれば 増えるものもあるのが常です;たとえば脳細胞の“能率”、少ない細胞で より多くの正しい判断ができるようになります)。

声3: みんな 誰も歳をとって行くのに 未病って、それは難しいことです(係り:テレビや新聞で見ますね;若死にする人の大半は「酒・煙草・ストレス」が原因ですが、聞く耳を持たない人にとっては難しいのかもね)。

声4: 介護保険の対象は65歳以上ですが、それでも若死にがあるのですか?(係り:みんなが90歳の平均寿命を寿ぐ時代に70歳代で死ぬなんて、未病を好んで引き寄せて 若死にしているのです;まあ 個人の好みだから 立ち入りにくいですがね)。

声5: 「科学的に正しいケア」、つまり“ケア・ロボット”が現れても、操縦するのはヒトだよね4) 係り:聞く耳を持たない人に操縦されれば、結果は若死にでしょう)。

声6: 国連のアルマータ宣言にあるように、ケアは「科学的、かつ国民の継続的負担が可能な範囲」とは、納得です(係り:オカルトな治療法や 分(ぶん)をわきまえない不当な頑強さを求める姿勢はバツ ! )。

声7: ご家族はシロウトです、「精神主義」で治して、と無理難題を持ち出されます(係り:良く、良ーく 説明しましょう;行く道は長いと思いますけれど)。 

☛ 未病という話題も案外に身近でした !

参考: 4) パールの安全管理 # 206 : 介護支援ロボット。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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