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(216) 介護保険制度の動向

 (216) 介護保険制度の動向  

  パールの下部組織にはセンター長が8人いますが、火曜の品質会議では 順番に自由な演題を提供して頂いています。今回は「職員の声」の反応が際立って多かった、パール地域包括支援センター長:入江祐介さん の「火曜討論」の演題をご紹介します。

♣ 私(入江)は前回の安全管理のテーマ=「増える独居高齢者1) がとても印象に残りました。増え続ける高齢者に対し、介護にかける「ヒト・モノ・カネ」にも限界があります。工夫をこらした新しい生き方は . . . 人手に代わるロボットの導入 2) 医療処置の定年制 3~4) 延命医療は私費または しない 5~6) とのお話がありました。介護保険についても、同じことが言えるでしょう。介護保険は3年に一度改正が行われ、次回は来年 平成24年度です。今後のあり方を一緒に考えたいと思います。

♣ まず、ペイ・アズ・ユー・ゴー(ペイゴー、Pay as you go.)7) の原則を考えます。つまり「負担(財源)と給付(サービス)」の関係を明確にすべきでしょう。「ペイゴー」とは、自由な発想を基に財源を工夫して考え、実現化する手法です。理想的なアイディアには 理想的な財源を同時にくっつける;これでこそ理想が実現できるのです。後期高齢者・単身所帯の増加に伴い、医療・介護のニーズは増大し、これに合わせてサービスを拡充するためには、財源(負担)なしでは不可能です(ペイゴーの原則)。つまり、国民は「負担に応じる」か「サービスの低下を我慢する」か、いずれかを選ばなければならないでしょう。

♣ 具体的に「負担(財源)への対応」を考えてみます。その方法はいろいろ提唱されていますが、たとえば:- 介護保険料の値上げ;保険料徴収を今の40歳から20歳に引き下げる;自己負担を現行の一割から上に上げる;医療・施設計サービスを在宅系サービスに移行、などが考えられます。

♣「給付(サービス)への対応」は:-要支援1・2を切り捨て、生活援助サービスを保険給付から外す;市区町村が 独自に創意工夫をして、介護保険と福祉を切り分ける、など。

♣ 職員の皆様方の感覚はいかがでしょうか? 私は、社会保障制度とは「最低限度の保障」であって、すべての生活を介護保険に頼ろうとすること自体に無理があるのでは?と考えています。たとえば、保険給付で「風呂場の掃除を週に3回行う」などは、国民感情として おかしいでしょう?

♣ 軽度者の支援よりも 重度者の介護へシフトするべきではありませんか。また、高齢者ご自身の負担増もお願いしたらどうか、と思います。生活の全てを制度に頼らない、新たな工夫を生き方が必要でしょう。介護保険が存続可能な制度として続くよう、今こそ抜本的な改正が必要だと考えます。

  参考: パールの安全管理 1) # 200 : 増える独居老人。2) # 206 : 介護支援ロボット。3) # 6 : 地域球のひみつ。 4) # 111 : 救急小歴史。 5) # 128 : 救命と延命。 6) # 117 : 医療の進歩が老人を苦しめる。7) # 107 : ペイゴー。

職員の声

声1: ペイゴーの意味が分かりました;より多くのサービスを求めたい場合、予算を工夫してね、ということですか?(係り:タダは魔物です;ひとたびタダを利用すると、その旨味は 理性で克服できなくなります)。

声2: ペイゴーで軽症介護がはずされたら、介護の恩恵が落ちてしまう係り:要支援1から要介護1 までで、介護予算の半分程度が使われています;財源は限られているので、介護のムダは省くべきでしょう)。

声3: 保険料を払っているから「使わにゃ損々」という人が多く、軽度のケアを打ち切るのも困難です;自己負担分を上げたらどうでしょうか?

声4: 利用者の権利意識を変えるべきでしょう(係り:昨今の日本人はモンスター的です8~9)  ;モラル・ハザードを恥とも思いません)10)

声5: お金に困っている人が多いのに、値上げしたら「反乱」が起こりませんか?(係り:医療・福祉に関しては、全世界的に「やればやるほど」政府は大型になり、当然 税金も増え、国が衰えてきます11) ;程よい妥協点を見つける方法、それが「ペイゴー」です。

声6: 膝や腰が痛いからって、国家支援の必要はないと思う;保険制度だから「ワシにも権利がある」とばかりに「悪平等」がはびこる(係り:今の介護制度は 手厚すぎる;結局、ペイゴーによる改正が必要となります—— “生きる”とは“自己責任”です、制度に甘えると イギリス病になります11) )。

声7: でも、老後の心身保護は自己負担ではなく、政府が行うべきだと信じる(係り:北欧では78歳まで働き、寿命の85歳前後でみまかります;これに対して、日本では60歳で定年、100歳まで生きます日本の敬老期間が5~6倍も長いのをご存知でしたか?——日経 11.9.20)。

声8: やはり自分は自分で守るしかないのか !係り:仮に70歳から90歳まで“要介護5”であったとしたら、必要経費は1億円です;とても個人で貯められる金額ではないでしょう —— 結局、解決法は 文頭に書かれている “新しい生き方”① ② ③ になると思いませんか?)。

  参考:パールの安全管理  8) #54 : モンスター。 9)  #110 : 2013年の危機。 10) # 197 : モラル・ハザード。 11) # 63 : 介護と政府のサイズ。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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