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(226) ボランティア 小噺

(226) ボランティア 小噺 (こばなし)  

 70年前、日本は中国と戦争をしていました。中国には高度の武器生産能力が無かったですが、中国の飛行兵は日本を盛んに攻撃しました。

♣ その実態は 主にアメリカやソビエットの「ボランティア飛行兵」でした。これを日本は「義勇兵」と翻訳していました。幼い小学生の私の頭は「ボランティア」= 「義勇」と覚えました。そのころ私は「義を見てせざるは勇なきなり」(人として なすべきことと知りながら、それを実行しないのは勇気がないからである)という諺(ことわざ)を教わっていたので、きっとアメリカやソソビエットの兵士たちは 中国が弱いから助けてあげているのだろう、くらいに理解していました。それは「恩恵的な匂い」のするものでした。

♣ 時代は下って戦後、43年前(1968年)、場所はナイアガラ瀑布に近いクリーブランド・オハイオ(北アメリカ);私は 夫の留学に伴って、家族と共に スミス夫人の家庭に一週間泊めてもらいました。彼女は私に「あなたの仕事は何?」と訊ねます。私はつたない英語で「ボランティアです」と答えました。彼女自身も「ボランティア」のはずでしたが、しばらく考えた末、「オー ! ボランティーア ! 」と叫び、たちまち仲良くなりました。そのころ「ボランティーア」というアクセントはまだ日本では一般的ではなく、まして、初対面の日本人家族を自宅に泊める行為を「義勇行為」だとも知りませんでした。私の家族がアメリカに滞在した二年間の交流の間、私は隅々まで スミス夫人の 出過ぎることのない ボランティーア活動に 沢山のことを教わりました

♣ 帰国後、私は「社活研」(社会活動教育研究所)を創始し、様々なボラ活動を始めました(病院ボラ、夏ボラなど)。しかし日本では、ボラの意味が不徹底であり、職員たちの「無断欠勤・仕事場での主導権争い」などの苦労が絶えませんでした。つまり、ボラ活動とは 「お給料を貰わず好恵的な行為」だから、「気の乗らない日に 無断でお休みするのは当たり前」、また「仕事場で自分がやり易いよう 自由に振る舞うのも当然の事」だったのです。「義勇行為」とは人と人との間の潤滑油、身勝手では務まりませんね。これらは 私たちの未経験な社会性のゆえだったのでしょう。

♣ 同じころ、医療訴訟が増え始めました。国民全部に健康保険が普及(1973年)、有吉佐和子の問題作品“恍惚の人”(= そのころ社会的に未知であった認知症の舅(しうとを自宅にかかえ、死に物狂いの毎日を送る主婦の姿を描く)の時代と重なります。

♣ 同時に 今では ごく当然となった「プライバシー、著作権」の権利意識問題が社会の表に出ました。人は豊かさと共に こうなるようです。ご存知でしたか、14年前(1998年)には 介護訴訟が増え始めました。これは介護保険の施行とほぼ期を一にします。つまり、日本の社会はバブルがはじけ、低成長に転じ、新しい法律が工夫される度に訴訟が増え、世のモンスターが増長し、ボランティアの出番は減って来た のです。これは、古今東西、社会が不安定になるときの ヒトの性癖なのでしょう。

♣ 医学では「まず、人を傷つけるなかれ ! 」という標語が2千年前からあったのですが、日本社会では 善き行為であっても結果次第では厳しく裁かれる時代 になり、善意・好恵的なボランティア活動も同様に裁判沙汰に貶められます。私は 10年後には このモンスター過剰の時代が元の平和な時代に戻ると信じています。

♣ ですが、さしあたりあなた方にお伝えしたいのは “Protect yourselves first ! ” つまり、「善意だからやって良い」のではなく、「説明と同意」の原則を尊重し、ご自分の身を守って下さい ! お願いします。

職員の声

声1: 「東洋から訪れた一家族( 新谷(しんたに) ファミリー)を受け入れたアメリカのご家族、素敵なお話でした;こんなのをボランティアと言うのですね(係り:日本でも ぼつぼつ始まっています)。

声2: ボラとは日本で まだ40年ほどの歴史なのですね(係り:だって 昔は「義勇兵」という いかつい名前でしたもの)。

声3: ボランティアの意味ボラントゥス自分の望み、意思、選択、熱望 = ラテン語)であることが分かりました(係り:日本語のボランティアより よほど意味が明瞭ですね)。

声4: ボランティアの歴史・変遷をよく学びました:Protect yourself ! の意味を噛みしめています(係り:高齢女性の転倒・骨折の問題は あなたの周辺で必ず起こります;“善意”だけでなく、誠意ある素早い行動を覚えてくださいね)。

声5: 高齢者への配食に高校生のボラを予定に組んだのは良かったがけど、ドタキャンだらけ、彼らの「甘え」には手を焼いた(係り:彼らのボラの善意は評価されますが、後から入れた自分の予定のほうを優先する習性があります;本人も周りも まだ日本社会は“甘い”ようです)。

声6: 大学時代、私はアルバイトに励みましたが、ボラをしなかったことを悔やんでいます(係り:社会人になっても ボラのチャンスはいくらでもありますよ)。

声7: 「見返り」を求めないボラが本当のボラだと思います(係り:その場合であっても「説明と同意を必ず実行して下さいね)。

声6: 英国ではボラが大企業になっています:例 Oxfam, Amnesty International」(係り:たくさんの「つまづき」を克服 した立派な組織です)。

  参考:パールの安全管理  # 102 : 説明と同意の書(インフォームド・コンセント)。 
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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