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(231) ど 忘 れ

(231) ど 忘 れ   

歳をとってくると だんだん 物忘れがひどくなります。昼食に何を食べたか を忘れる事はないけれど、朝食に何を食べたかは 一息 頑張って思い出します。隣の部屋に何かを取りに行って、さて何しに来たのか 分からなくなる こともあります。そんな場合、もとの部屋に戻ってエート?と、思いだすのに苦労します。これは歳をとったからなのでしょうか? たぶん そうでしょうが、振り返ってみると、小学生の頃にも これをやった覚えがあります。

♣「ど忘れ」という言葉は、“絶対 自分の頭の中に入っているはずの物事”を、口に出そうとして、どうしても言えないないこと」です。なるほど これならば 若い頃からあったはず。受験の時代には“覚えたハズの事が思い出せなくて よく泣きましたよね”。これに対して「もの忘れ」は ちょっと深刻で、“たぶん覚えてもいなかったこと”を思い出そうとする、なんとなく「病的な匂い」がします。

♣ 記憶する、それを保持したあと思い出す----そのメカニズムは 複雑です。まずインプット(入ること)。見聞きすることは、まず脳のうち 海馬かいば)という組織が 一時預かりの役目をします。記憶が海馬に存在する時間は「数秒ほど」。たとえば、電話番号を移し読みする時など。それ以上の時間 覚えておく場所は 脳全体が関与すると言われます。

♣ では 記憶を保持したあと、呼び出すのは どうなっているのか? 実は まだ よく分かっていません。

♣ 介護職の生活をしていると、「もの忘れ」にも ご利用者により 一定の「匂い」があるのを感じますね? 誰もが 必ず一度はやるお笑い:眼鏡がない ! 無い ! と探している人、他人が見れば 「おでこ」の上にあるよ !! または ある爺様、トイレの後でチャックを締め忘れるのを悩んでいる;実はトイレの前にチャックを開けない時こそ病気なのです。

♣ 人は20歳を越えると脳細胞は毎日 10万個ずつ消えて行く、とはお聞き及びですよね 1) 。人の大脳細胞は約150億個あります;失う数を数えてみると、毎日10万個×365日×100年 = 36億5千万、イヤー まだどっさり脳細胞は残っています、120歳になっても大丈夫 ! ところが、アルツハイマー病になると、脳細胞の死滅量が何倍も早い。すると大脳がスカスカになる。

♣ 人の脳の構造は、竹輪のような脳幹のうかん)、その上にキャベツの大きさの大脳 が乗っかっている 2) 。竹輪の部分の機能は犬猫のものと同じで、生命基本部分(呼吸・循環・体温など)を持つ。キャベツの大きさの大脳は 人間独特の脳であって、ここに知性・倫理・創造などの能力があり、それが竹輪の部分の脳幹機能の独走を抑えている。もし大脳がスカスカの認知症になれば、竹輪の機能が大脳の抑性から逃れ、ご存知、あのアルツハイマー症状を呈する。

♣ 何よりも大事な特徴 は「超短期記憶の喪失」と「① 時間、② 所、③ 人」に関する情報を この順に忘れる ことです。元気な我々でさえ、時間は すぐ分からなくなる————だから腕時計を肌身離さず付けている ! 認知症では:- については、今が昼か夜か無関心、昨日と明日がわからない----つまり自分がいつかは死ぬ運命であることを悩まない 3, 4) に関しては、ここが病院か施設か、無関心で、どこに居ても居心地が悪く、帰宅願望の基になる。帰宅してさえ「ここはワシの家じゃない ! 」とつぶやく。 については、付き添って来てくれた自分の子供なのに「あなたは どなた様かのう? 」と言って子供を落胆させる。

有難きかな ど忘れよ ! たとえ口に出して言えなくても、「ど忘れする」とは 有益な情報が 間違いなく脳の中に存在することの証拠 なのです !

  参考: パールの安全管理 1) # 88 : 脳細胞のひみつ。 2) # 150 : 蛙の認知症。 3) 3) # 31 : ボケ勝ち。 4) 145) : 親切な蛙。

職員の声

声1: 人の脳細胞は 毎日 10万個ずつ消えて行くってビックリです;大丈夫なのですか?(係り:掛け算をした結果は上に書いてあるように 減った数は100年かかって36億個です;他方、大脳の細胞数は約150億個——ギネス年齢 5) まで生きても大丈夫です)。

声2: 記憶力の良い友達に尋ねました——どうやって覚えるんだい?——映像にして覚えるんだよ——フーン !(係り:記憶の番人=海馬(かいば)という言葉だけ覚えましょう)。

声3: 人の脳は「竹輪の上に大きなキャベツが乗っかっているような構造だ、と説明されると、脳の構造は 私の記憶に残るような気がします。

声4: 私は漢字や人の名前が以前に比べて思い出せなくなった(係り:固有名詞を思い出しにくいのは人類共通の性癖であり、悩む必要はありません)。

声5: 知識は情報の「入力・保持・出力」の全部が揃ってこそ意味があります;私は このところ入力不全に陥っているような気がします係り:それは酒飲みに共通です——アルツハイマーとも似ていて、幸せなことです)。

声6: トイレの後のチャックの締め忘れ、傑作ですね ! (係り:英語で “Your fly is open ! ”と言います;つまり 全世界的に観察される現象です ! チャックを開かずに用を達すると 初めて病気です)。

声7: ご利用者の多くは ご自分が認知症の入り口に立っているのではないか、と心配されます;私は、自分が昨日以前に何をどう食べたかを覚えていないと打ち明け、過剰な心配は御無用です、とお伝えしています(係り:あなたは天才的な観察者ですね;誰だって四日まえの朝食に何を食べたかを覚えている人は稀なのです ! )。

  参考: パールの安全管理 5) # 228 : 三つの寿命。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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