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(236) 錯 覚 と 妄 覚

(236) 錯 覚 と 妄 覚

ケアに入っていると「錯覚、妄覚」の違いに振り回される ことがあります。こで「おさらい」をしておきましょう。

錯覚さっかく、illusion)とは「思い違い、勘違い」の事で、正常な私どもでも、よくあることです。辞書には「刺激または対象の客観的事実を間違ったものに知覚すること」とあります。錯覚の場合、自分で または他人の指摘で、直ちに自分の非を認めます。有名な逸話(いつわ):アイザック・ニュートンは、茹で卵を作るとき、頭の中で考えごとにふけっていて 自分の大事な懐中時計を、卵と勘違いして「茹で時計」にしてしまいした。

♣ これに対して、妄覚もうかく、delusion)はチト複雑です。妄覚とは「揺るぎのない錯覚」とでも言えるでしょうか;つまり、自分で誤りに気付かず、その上、他人に指摘されても「頑として譲らない錯覚」です。感覚には「五感」があることをご存知ですね。したがって、妄覚にも五種類があります。

♣ まず「妄視」:誰にも見えないものが見えます;宗教の教祖様には神仏の姿が見えます。「妄聴」は、誰にも聞こえないものが「聞こえる」;音楽家のモーツアルトは「天上の音楽が聞こえた」と言われます。「妄味」と「妄臭」は実害がなく、「妄触」は神経疾患の「蟻歩感」(ぎそうかん)くらい。

♣ ところが、人には「第六感(脳の感覚)があり、これの「妄覚」は「妄想」とも呼ばれ、実に厄介(やっかい)です。正常な人でも、疑い深くなると「妄想をたくましく」します。「被害妄想」は統合失調症に、「もの盗られ妄想」は認知症に特有ですね。ご利用者と会話をしながら、どうぞ「錯覚、妄覚」の違いを よく観察してください。

職員の声

声1: 「妄覚とは、揺るぎのない錯覚である」との説明、初めて“妄覚の意味”を知りました(係り:ここでは“個人”を問題にします;集団的な妄覚は「国家観、宗教観」などで問題になります)。

声2: 感覚には五感があると言われる(視・聴・味・臭・触);だから 感覚の故障(妄覚)も 5種類ある とのお話し;とても分かりやすかった。

声3: 老人介護でよく遭遇するのは「もの盗られ妄想」です;中には「被害妄想」もありますが、それは むしろ 統合失調の特徴ですね(係り:被害妄想とは、他人から危害を受けているという信念です;たとえば、嫁がワシの悪口を言いふらしている、私は電波で狙われている、県知事が私のことをバカだと言っている、など)。

声4: ご利用者を前にして、錯覚か妄覚かを判断する のは難しいことです(係り:何気なく“訂正”のヒントを差し上げてみたら?それに応じて頂けなかったら、それ以上の追及はやめましょう)。

声5: ご利用者の妄覚を はっきり否定する先輩があります(係り:言葉や態度で否定すると、かえって不穏を導きます;要注意 ! )。

声6: 錯覚 = 思い込み でしょうか?私は「思い込み」が多く、周囲を振り回してしまいます(係り:パールの元精神科O先生 にお訊ねしました: 「思い込み」は「ガンコ」に近い「性格」だそうです;錯覚は正常、妄覚は病気です)。

声7: 私は子供のころから「耳元で話し声」が聞こえ、「変なもの」が見えました;今は慣れてしまい、気になりません(係り:きっと芸術家の頭脳なのですね !! )。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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