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(238) ニーズ と ウオンツ

  (238) ニーズ と ウオンツ  

 私どもは「福祉ニーズ」のあるところへ赴き(おもむき)、その目的を果たします。「安心の給付」とは、ニーズを充足する事だと言っても良いでしょう。

♣ しかし、人間の欲求は二種類あります 。ひとつ目は「ニーズ」であり、二つ目は「ウオンツ」です。ニーズとは人間が生存していくために、欠けてはならない「必要」であり、これに対して ウオンツとはニーズを越えて無限に膨れ上がる「欲求」です。

ニーズとは補給されるべき「必要」であるため、それが充足されると打ち止まってしまいます。たとえば、病気が治療されると、薬を飲まなくなるようなものです。

♣ これに対して、二つ目のウオンツは「必要」を越えて膨張する「欲望」ですから、それの充足は市場原理にゆだねるのが適当でしょう。映画好きな人がたくさんの映画を見るのは、その人のポケットマネーに任せましょう。

♣ もちろん、ニーズか欲望かが曖昧な(あいまいなグレー・ゾーンもあります。たとえば、健康増進のためのスポーツ施設の利用などです。そうしたグレーゾーンは部分的に市場原理を導入した料金制を採用すればよいのですね。

♣ つまり、ニーズであれは社会保障負担で、欲望であれば市場価格で、グレーゾーンであれば料金制で負担すればよい、と思うのです。

♣ ご利用者への福祉サービスは、介護保険が認定するニーズ対応が主力ですが、中には「ご家族のウオンツ」が混じっている事があります。ニーズかウオンツかを、賢く考えて見分ける習慣をつけましょう。医療保険でもそうですが、 「欲求」のすべてを保険で「手厚く」満たすことは困難です。

  参考:   神野直彦(東大教授):新医療 2006年1月号。職員の声

声1:Needsは生存のために最低の必要」であるから社会保障で負担、「Wantsは無限に膨れる欲求」であるから市場価格で提供、「Gray zoneは その隙間の要求であり、料金制で負担」;とても分かり易い考えです。

声2: NeedsとWantsの境界・重なり合い部分を見極めるのは難しいです。介護保険上、草木の手入れ・水やり はできないことになっていますが、お断りするとカドが立ちます(係り:保険の趣旨を 何度も説明致しましょう。一鉢の水やりはさておき、ケアマネとの相談は欠かせません。汚れた窓ガラスを拭く のはNeeds、磨く のはWants、として区別されます。険悪な関係にならないでね)。

声3: 私がNeedsと思ってしたケアに、ご本人が反発されることもあります(係り:介護抵抗という用語があります)。

声4: 職員に遠慮なさってNeedsさえ言われないご利用者もあります

声5: ご家族は 時に不当なWantsを申し出られます; どう捌けば良いのでしょうか?(係り:そんな場合、 「ん?」と思っても、 「はい」と聞くのが良い でしょう)。

声6: 社会資源の制約もあるし、そんな報告を元にして、ケアマネがそれの調整に「冷静な頭脳と暖かい心」を示して頂けるでしょう。

声7: 配食サービスでは Wantsの声が少なくありません(係り:パールの配食には「助成金」が付いていて、様々な“食形態”にも応じており、アンケートを取ると満足度が90%以上です;それでもWantsがある場合には 価格設定の問題を説明いたします)。

声8:禁食”というのがあって、アレルギー・糖尿病・腎臓尿などに対応しますが、予算を越えるWantsの難問には数々の工夫が必要です。

声9:福祉サービスに伴う Needs とWantsの深い関係を学びました;決して楽(らく)な仕事ではないですね。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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