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(239) クレーム は ドキドキ

(239) クレーム は ドキドキ   

介護活動の中でクレームを受けると、ドキドキすると言う職員が多数です。それは、サッカー選手たちが 大きな試合をした後、拍手を受けずにブーイングだけだった場合と似ています。「だって、私は一生懸命やったんだもの . . . 」という思いがある一方、「もしかして私にどんな落ち度があったかしら?」と、気を回して考える;それがドキドキの原因です。

♣ 「クレーム」って いったい何ですか?英語のクレーム(claim)は「権利の主張」を表します——-唱える人は、ワシが正しい、と言うわけです。日本では、英語の意味とは異なる意味( =苦情 )で 使われ始めました。クレームというカタカナ文字は バブル崩壊(1989年)以前には日常会話の中に無かったのですが、経済不景気の始まりと共にクレームという主張が増えて来ました。同じころの“はやり言葉”として「モンスター・ペアレント、モンスター・ペイシャント」などがあり、「日本のモラル水準」は大きく変りました。つまり、他人への苦情は増え、感謝の言葉は減ったのです。「イチャモン」をつけて謝罪を迫り、賠償を求める風習ができました。

♣ 介護職員は 基本的にはサービス業の従事者ですから、寄せられたクレーム(苦情)に対して誠実に対応しますが、その心の中では 「クレームの正当性に疑問符」を持ち、悩みます。日本では、「お客様は神様だ」というキャチフレーズもありますし、「不当なクレームをこらえて泣いている例」をしばしば聞きます。私は職員たちの相談に乗って、苦情の内容を見極める毎日です。

♣ とは言うものの、現実との妥協も必要です。今日は、パール訪問看護ステーション・センター長:高橋愛弓さん に「クレーム対応の基礎知識」と題するスピーチをお願いしました。高橋さんは述べます:—— クレームの内容は千差万別です;すべてのスタッフが適切に、自信をもって対応できるようになれば、介護における信頼関係は深まります。そこで六つの視点からクレーム対応の基礎を考えました。

「クレーム」とは何ですか?それを「苦情」ととらえず、「ご意見」として受け止めれば、信頼を深めるよいチャンスになります。
クレーム対応の意味、つまり“相手がクレームを寄せる”という意味は、「よほどの事」と理解し、相手の気持ちを汲んであげるべきです;もちろん 対応にあたって「ゴネ得」は許しません。
その時の心構え:相手の誠意を信じ、当方も誠意でもって応えます;自分で解決するという意思の強さが信頼を生みます。
不当な要求か?まず相手のおっしゃることに傾聴します;暴力・誹謗・中傷に屈せず、一人で悩まないこと;最終判断と折衝は上司がします。
クレーム対応に必要な 正しい「情報」は?クレームを受けると、誰しも少々興奮するでしょう。そこで「事実」と「考え方」を分け、情報を整理して下さい。
お詫びのタイミングと言い方に注意をします:詫びる事と責任を認める事とは違います。礼儀的なお詫び(足音とか言葉使いなど)なら担当者レベルで対応します。社会的な責任(とくに金銭や名誉)なら管理職が関わります。

♣ バブルが潰れた1990年以降、日本社会は変わりました。「文句を言わにゃ損々」という風潮が広がったのです。そこで、介護活動に伴うクレームも、「苦情」としてとらえず、英語本来の意味である「権利の主張」としてとらえ、それが相手の権利であるのなら 私も尊重する、という姿勢で臨めば 建設的な相互理解が得られるものと思います。

職員の声

声1: 私は まだ数年の経験しかないけれど、最近のクレームは数も多く、要求レベルも高いです係り:介護職員を あたかも 女中かお手伝い人であるかの如く 顎で使う人が少なくないのも実情です;いずれ改めねばなりません)。

声2: クレームの電話を受けた時は、大変イヤのものです、相手はカー ! となっているし、なぜ私がこんなに責められるのだろうか? “冷静に”、とは言うが、そのためには 相当な堪忍(かんにん)と経験が必要です(係り:日本人のクレーマーは「責めべた、その上 短気 ! 」;マッカサーはそんな日本人を「平均年齢12歳」と批評しました)。

声3:クレームの意義は認めるけれど、あんなに攻め立てられると 僕は悲しくなります(係り:人は鬼になり、また仏にもなります;静かに話すと 普通の人になる)。

声4: 不当なクレームは怖いです;「誠意を見せろ ! 」イクオル「金を出せ ! 」と言う脅迫もあります(係り:欧米には「お客様は神様です」という、自分を卑下したキャッチフレーズはありません、あくまで対等な人間関係で 誠意をもって落ち着いた話をしましょう)。

声5: 配食では とうてい対応しかねる 大型のクレームがあります(係り:千円のお金を頂いて万円のサービスはできかねますね;静かにお話を聞いて、上司に上げて下さい)。

声6: クレームを怖れるあまりに 縮こまっていてはいけない;そのクレームの正当性をみんなで検討し、改善のきっかけにしたいです(係り:介護職員はクレームを出すほうではなく 受ける側だから、被害者意識が根底にあるでしょう;でも相手様もそうかも知れませんよ;やはり すなおな人間関係を保持することが大切なのですね)。

―― 以上を整理 ――

① クレームは「苦情」ではなく、「ご意見」である。
② 相手の気持ちを汲む。
③ 誠意で対応。
④ 不当か?
⑤ 情報整理。
⑥ お詫びのタイミング。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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