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(24) 「満足」のひみつ

デフレ・不景気で日本は苦しんでいます。そこで私は人類の一万年の歴史を超特急で振り返ってみます。

♣ 自然界の動物で満足の基本は二つ:① 満腹になること、② 増えること。ところがヒトは一万年前に「農耕」を発明し、農夫一人が自分以外の人を満腹させることが可能となりました——余剰食糧です。すると人は農業でない仕事を持つことも可能となり、たぶん、天候の占い師が生まれ、ついで余剰食糧を狙う外敵を追い払う戦士、統率する王様、税金の記録士 . . . などの経過を経て「社会」が発展しました。あくまで基本は食糧でしたから、日本では「お米」が通貨でした。ヒトは一年に一石(いっこく)の米を消費します。江戸末期の日本の石高は3000万石、つまり人口は3000万人で、それ以上には増えられず、閉じた社会でした。この理論を理解している人はいなく、人々はそれなりに満足でした。

♣ ところがイギリスで「産業革命」が250年前に発生しました。これは物作りにヒトと家畜以外のエネルギーを用いて、大量な物産を作る手法です。農夫一人が5人を養うのにくらべ、その10倍以上の生産力を持っていました。それが150年前の徳川末期の日本社会へ押し寄せたのです。その象徴が「黒船」(くろふね)でした。吉田松陰・坂本竜馬などの士志たちは 農本主義の閉鎖社会はもう成り立たないと悟り、尊王攘夷(そんのうじょうい)を掲げ、新しい社会への転換を誘導しました。

♣ 日本は明治維新とともに、産業革命の手法を賢く取り入れ、富国強兵に走り、欧米列強に「追い付き、追い越せ」を旗印として富を蓄え、巨大な軍事国家に成りあがりました。しかし、その過程を急ぎ過ぎたため、庶民は ① 満腹になることを経験せず、② 増える事のみを強制され、竹槍主義で意気旺盛であったものの、1945年、第二次世界大戦に負けてしまい、生活はほぼ1500前の奈良時代に戻ってしまいました。人口は明治の3000万から、戦中の1億人、ついで戦後の6000万になっていたので、① 満腹になるどころか、ひどい食糧難にあえぎました。サンガー夫人がやってきて ② 増えてはいけない、と日本人を諭しました。

♣ そこに降って湧いたように1950年に朝鮮特需が発生したのです。社会は「重厚長大」をモットーにして立ち直り始めました。1960年に向かって「所得倍増論」が叫ばれ、小型家電製品が庶民をうるおし、① 満腹 ② 増える の動物基本要求が史上初めて満たされ、満足に酔いました。1970年以降は「列島改造論」でバブルが膨らみ、名目資産の増大、「軽薄短小」の生産方針の転換、それに成功してマイホーム・マイカーなど 一億総中流の理想的社会が到達できたかに見えました。しかし、いいことは長続きしません。1991年、ソ連の崩壊、これに引き続き東西対決のムードの緩和、さらに第三世界の勃興と、世界はめまぐるしく変動し、日本はバブルの崩壊でしぼんでしまいました。その10年後、日本では「失われた10年」という言葉がはやり、2010年の今でさえ「失われた20年」とテレビも叫び、不機嫌な不満足感が世にはびこっています。

♣ いったい何が失われたと言うのでしょうか? 街には物があふれ、連休の空港や高速道路にも人があふれ、小学生でさえ携帯電話で時を楽しみ、施設には高齢者が二回目の人生を送っています。デフレだ、不景気だと言うけれど、人間は農業を始めた一万年前以後、今ほど栄えた時期はなかったのではないでしょうか? なるほど、カネがない、と言いますが、カネを印刷して世に回したら何が起こるか、みなさん知っていますよね。

♣ 今日の結論:私たちは「満足」を知りましょう。どの過去に戻っても、今より良い時代はありません。むしろ、より良い未来をじっくりと築きましょう。

職員の声

声1: 今 放映されているNHK大河ドラマの「坂本竜馬」、その背景環境をみると、すさまじい “モノ無しの貧乏!”、このことを気づかせるのは「旅と教養」ですね(係り:わずか150年で日本は poorest → richest になりました)。

声2: でも若者の将来を担保にして借金を続けるような政治は許されません。

声3: 人は欲深いものですが、「足りている」と感じるには「感謝の心」が必要です。

声4: 「もっと、もっと」という気持ちがあればこそ、人間は発展してきたのでしょう;特に介護の世界では(係り: 人の健康が衰えてきたとき、10年まえまでは、一分でも一秒でも長く生かして下さい」というご家族が多かったです;」近年、すこしずつ「足るを知る」ようになられています。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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