(26) 満足とは何?

 昨年の秋の選挙で民主党が政権を得ました。皆さんがた、覚えていますか? どの党もほぼ共通のマニフェストを立てていました:つまり「生活第一」「安心社会の実現」です。あれから一年、混乱した政治の行方が熱く期待されます。マニフェストが誠実に実行されるかどうかは国民の「満足という鍵」で評価されるでしょう。

♣ イギリスのアンソニー・ギデンズは「福祉」についてこう述べています:ウエルフェアとは、もともと経済的な概念ではなく、満足すべき生活状態を表わす心理的概念である、と。「満足とは心にかなって不平不満のないこと」です。

♣ そこなのです! 選挙では、各党は国民の支持を得るべく、具体的な金銭の額を提示して「生活第一」「安心社会の実現」を訴えてきました。これに対して、「示された額は生活保護費よりも安いではないか!」と、早くから「満足できない!」という抗議の声がありました。もともと経済的概念では測り切れない「福祉」を「金銭の額」で提示しようとする政治の姿勢は正しかったのでしょうか? たとえば、空腹の人に「一飯(いっぱん)のはなむけ」を差し上げたとします;その中味は あえて問わないのが「空腹を分かち合う」者の姿勢です。もし それを問うのであれば、そこに必ず「不満の種」が生まれます。

♣ 昭和17年、当時小学4年性の私は辛うじて覚えているのですが、「年金」と「健康保険」の制度が始まりました。まだ不十分な内容でしたが、何も比較する土壌のないところで 天から授かったような制度。それを「満足」と言ってよいのかどうかは分かりませんが、当時の人々はとても喜んだ、と聞きます。

♣ その3年後に日本は戦争に負け、苦しい戦後生活を強いられたのですが、みんな必死で生きていたので「不満」という言葉は 表で聞くことはありませんでした。 それから65年たったいま、生活水準はケタ違いに高まり、メタボーリック・シンドロームなどという金満病が世にはびこるようになりました。にもかかわらず、テレビでも新聞でも、医療・福祉に関して「満足」という言葉を聞くことはめったにありません。なぜ? どうしてでしょう?

 ♣ もう一度、ギデンズを引用します:ウエルフェアとは、もともと経済的な概念ではなく、満足すべき生活状態を表わす心理的概念である。そうです! 私どもはもっとそれを早く知るべきだったと思います。「足るを知る」と言うべきでしょう。

♣ 物質万能主義、お金がすべて! なるほど そうかも知れません。でも、「功成り名遂げた」マリリン・モンローやマイケル・ジャックソンは突然死しました。お金を、名誉を、留まることのない欲望に駆られた背景があったからでしょう。歌手として有名な酒井法子の「シャブ抜き逃走事件」が まだ記憶に新しいですよね。

♣ 満足を覚えない人は不幸だと思います。パールには 「三理念」*があります。「あなたも私も尊重される」という基本概念です。正しいと思う事は主張しましょう。でも、どこかで自分を見つめ、満足することも大事です。どうしたら満足に至る心理状態になれるか、それを日頃から学びたいと思います。       * パールの三理念 = ① 人間らしい生活、② その人らしい生き方、③ お互いに伝えあうぬくもり。

職員の声

声1: 私は常に心の中で不満を持っています、努力が足らないのでしょうか?(答え:良い友達を持ち、おしゃべりに励んで下さい;脳が活性化されると、理屈が分かるようになります)。

声2: 人間の欲には際限がありません、「足るを知る」は心の誘導先として優れた目標です。

声3: 人を褒める、感謝する、楽観的になる、これらは満足につながります。

声4: ご利用者に「満足しています」と言われると、すごく嬉しいです。

声5: 私は「7勝8敗で生きる」をモットーとしています。

声6: 満足できず、格差に悩み、上を望み、ついには戦争に至る. . . そんなヒトの歴史から学ぶべきです。

声7: 「満足」をパールの理念から解釈すると:① 人として誰もが私を認め、② 人並みでもよいから 私個人の特徴を持ち、③ 敬意と愛情に満ちた人間関係を紡ぐ;これで「満足」の条件がほとんど満たされると感じます。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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