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(246) はい、開(あ)いていません !

(246) はい、開()いていません !  

日本語は、質問に対して まず「はい」と答える習慣があります。これは質問者の意向を尊重する御意 !(ぎょい)という合図であって、英語の “Yes” とは意味が異なる ものです。しかし、私は ご利用者との会話で この合図を特に注意したいと思います。

「鍵が開()いているかどうか」を訊く例 を挙げます。質問 —— 鍵は開()いていますか?答え —— 次の2種類です:“はい、開()いています”(Yes, it is open.)、または“はい、開()いていません”(No, it isn’t open.)。 → 日本語では、肯定・否定ともに“はい”で 答えが始まりますが、英語の場合 肯定には “Yes” が、否定には “No”が 頭に来ます。

次に 否定文で質問してみましょう:- 質問 —— 鍵は開()いていませんか?答え —— これも次の2種類です: “はい、開()いています”(Yes, it is.)、 または “はい、開()いていません”(No, it isn’t.)。→ 分かります?日本語では“いいえ、開()いていません”と言わないようですね?—— うーん、相手の言葉を否定するような気分(いいえ)を差し控える ようです。

もう一つ、次の例を見てください。質問——君、学校に行かなかったの?答え——うん、行かなかった(No, I didn’t.)。→ 英語では “No, I didn’t.”または “Yes, I did.” のいずれかです。Yesと答えれば 次に肯定文が来ます;Noで始めれば 次に否定文が来るのです。日本語では なかなか“いいえ”が言いにくいので全部“はい”で代用する傾向があります。日本語の“はい”は“御意 !(ぎょい)”です、つまり“あなたの声は聞こえていますよ”の合図であって、肯定(Yes)とも否定(No)とも言っていないのです。だから ここで耳の遠いお年寄りとの間にトラブルが発生するのです。

♣ この問題は、150年前、幕末時代に外国人との会話で、大混乱が起こったそうです。外国人は「日本人は平気で嘘を言う」( = Yes, it is not !)との印象を持った、と言われます。そして この問題は、自分で気づかない限り、現在でも混乱しています。英語では、Yesの後は「必ず肯定文 Yes, it is.」、Noの後では「否定文 No, it isn’t.」です(分かりやすい ! )。でも 日本語では相手に敬意を表して“はい、開()いています = Yes, it is open.”、も、“はい、開(あ)いていません = Yes, it is not open.”も通用します。もし、“はい”だけしか聞こえなかったら、あなたは どちらの答えなのか が理解できますか? お年寄りなら 戸惑うでしょうね。

もう一度質問します君、学校へ行かなかったの? 答え —— Yes ! ” この答えなら「行ったのです(Yes, I did の略)」。日本語で“うん ! ”と言ったのでは どちらなのか意味不明でしょう?分かります? 

物事をあいまいにする返事は業務遂行のうえで禁物です。でも日本語は これで習慣になっているのだから、改良のしようがありません

♣ そこで工夫を二つ述べます。 もっと勇気をもって“いいえ”という言葉を用いましょう。“いいえ”が相手に聞こえれば、後の言葉を省略しても 意味は正しく伝わります。 ② 否定文で尋ねないようにしましょう 。間違いの元になります。その答えは“うん”かも知れず、“うん”では意思が通じません、もう一度 尋ね直さねばなりませんね。

職員の声

声1: 「はい、鍵は開いていません」という返事は日常的に聞こえますが、それは混乱の元、「いいえ、鍵は開いていません」と答えるべきなのですね(係り:“いいえ”がキチンと使えれば、どんなにかスッキリすることでしょう ! )。

声2: 私は「はい、まだやっていません」と よく言います;直訳すると “Yes, I didn’t”、しかし、本当の意図は “No, I didn’t.”ですよね;なるほど混乱します係り:外国旅行をするあなた、気をつけましょう)。

声3: 確かに日本語の“はい”は相槌の言葉に過ぎず、英語の “Yes” とは違いますね、私も明瞭・簡潔を心掛けます。

声4: 私は口癖のように「はい」と言い、 「いいえ」 はめったに使いません係り:使ってください、心が青空になりますよ)。

声5: 日本語は英語と本質的に違うのでしょうか?(係り:日本語は相手の言葉を尊重して、まず「はい」と相槌を打ちます、そして その後、否定語を使います;その結果 “Yes, it is not ! ”というようにタマゲル文法となり、外人を驚かせます;日本の尊攘の美徳が仇になってしまうのです)。

声6: 就職面接の指導では、まず「はい ! 」と答えなさい、その後、自分の意見を述べなさい、と指導されました(係り:困りましたね、その指導員は “Yes, it is not ! ”と言いながら外国旅行をなさるのでしょうか。そんな場合には、「ごもっともです;しかし、私はこう考えます」と続ければいいでしょう)。

声7: 私はご飯をべる . . . 食べないなど、日本語は最後の一文字で肯定から否定へひっくり返します;長所というか短所というか、長い文章の場合なら 最後まで気が許せません係り:あなたは すごいことに気づいていますね。これに関しては、ドイツ語も日本語に近く、語尾の最後で「否定」にすることがしばしばです。言語の長所・短所をうまく使いこなしましょう

声8: 否定形の質問をしないって、どう言う意味ですか?(係り: 「食べませんか?」という否定形の質問に対しては「いいよ、うん、ああ、ええ、はい」などの答えがありますが、 Yesか Noか分かりません ので、質問者は“どっちですか? ”と問い直さねばなりません。断る場合、 “ハイ” だけにしたら、お年寄りは 間違いなく 混乱します。だから“食べますか?”のように、肯定形で尋ねるのが親切です)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

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