(248) 介 護 の 将 来 像

(248) 介 護 の 将 来 像  
 
明けましておめでとうございます。私は 年末・年始に わずかな自由時間を持ち、フト 日本の昔から将来のことを考えてみました。今日のお話は 正月物語として 軽くお聞き下さい。

日本は「追いつけ、追い越せ」が得意です。振り返ってみると、奈良時代の「漢字」の輸入、戦国時代の「種子島の鉄砲」伝来、幕末には アメリカの黒船による欧米文化の導入がその最たるものでしょう。しかし医療は和方で、介護は親孝行で こなしました。

♣ 諸外国に追いつきかけた日本は、しかし ピカドンによって 全てがご破算になり、ゼロ出発。またもや 奈良時代に戻り、今度はアメリカに学び ました。そして 日本は栄え、その人口は爆発的に倍増しました。そうなると「親の介護問題」が出て来るのは必然です。終戦時の日本の平均年齢は45歳 前後、いまは90歳 に達する勢いです。人口の倍増と、平均年齢の倍増が重なりました(併せて4倍の幸せ ! )。

♣ 1972年の「恍惚の人1) で驚いた日本人は 老人問題を正気で考えることに気づき、その結果2000年の介護保険制度に漕ぎ着けました。保険の制度については欧州に学びましたが、現在の介護は まったく日本独自の発達によるものであり、世界に冠たる制度だと思います。こればかりは「追い越せ」を完全に実現しました。

♣ 介護とは何か? そもそも「介護」は英語で「ケア」、日本語の「介護」は昭和50年頃の創語です。戦後、日本社会の「全体のパイ」がふくれ、国民それぞれが ウィンウィンの関係となり、人が死ぬということさえも忘れて発展してきました。また、日本人は戦後 三世代所帯から一人所帯へ、そして少子高齢化へ進化するあいだ 介護の問題をなおざりにし、もう「親孝行」は考えの外になりました。ところがバブルがはじけた後、60歳の親が90歳に なってみると、さすがに「親も人間だ、仙人ではなかった」ことに 気づいたのです。

♣ そもそも 現在の医療・介護の発展には次の三要素が前提でした:-  人口構成がピラミッド型であること、 死亡する人が少ない こと、 経済が右肩上がり であること。これを解説しましょう。 については すでにご存知のように総崩れで、今は「土瓶型」ですね 2) 。 先行き 逆さピラミッドになる勢いです——賦課方式の年金は不可能。 については、医療の発達・栄養と住宅の改善によって人は死ななくなった;今は ご存知 人々は遺伝子寿命(50歳)の二倍を生き、とうとう極限老齢に達し、それでも人は生存しています。については 経済は どの先進国も一様に過成熟状態で、どこかが発展するためには どこか他の所が崩れねばならないほどです。

♣ さてそこで、介護の将来像は?と聞かれれば、先進国で教えられる人は いないと思います。ここで、今度こそ「追いつけ、追い越せ」が得意な日本人は 他の国に教えてあげられるような見本を示すべ です。世界中が「日本の解決」を見ています。誰も まだ知らない 新しい介護の将来 ! それは あなたや私が考え実行する目標です。

♣ 具体的解決には「ピラミッド型」の人口構成を取り戻しますか?(あなたは子供を数人産まねばならない;そのうえ還暦で死なねばならない)。「病気にならない」って? 老衰の挙句に死ぬわな。「右肩上がりの成長」って、それは中国やベトナムの話でしょう? みんなムリですね?

あなたは この矛盾をどう解きますか? やはり答えは 三つ。それは:- ① さらなる長寿を目指す、② その上 良きQOLを維持する;そのために ガン・卒中・心臓病にかからぬよう 生活習慣病を厳しく律する(タバコと過剰カロリーは絶対ダメ ! )、③ そして高齢者に なんらかの「社会貢献活動」を義務づける。

♣ “無いものねだり ! ”と つぶやく そこの人 !!! これ以外の答えがあるなら 言ってください

参考: 1) 「恍惚の人」:有吉佐和子 著(新潮文庫)、1972年。 パールの安全管理 : 2) # 234 : 三つのムダ。

職員の声

声1: 50年後には 今の「少子」が高齢者になる;人口もGDPも半分に減る;だから他人頼みの介護はムリ、年寄り自分自身が社会貢献をしなければ どうにもならない。

声2: 上記のモットー①②③の どれにも賛成です;「誰かの為になるって、嬉しい」とテレビからも聞こえてきます。

声3: 私は③の「社会貢献」が 特別に大事だと考えます;具体的には、50歳で徴兵検査のような義務付けの「健康診断」を実施する;その後 男女とも健康問題が発生するまで 職に従事する;“誰かの為になる仕事”を終身 行い、健全な社会作りとその育成に関与し続ける;そうすれば 若い人たちにも目標ができ、健康な心身が得られると思います(係り:一口で言えば 終身自己管理ですね)。

声4: このままだと、日本の介護はどうなるか 不安です(係り:親は子を育てるために死ぬ思いをするのが「生き物」です;自然界に その逆はありません——過保護は保護にあらず ! 3) )。

声5: 私は「恍惚の人」を読んでビックリ;今の私は介護の経験を重ね、将来の社会貢献に備えたQOLづくりをしています(係り:日本では、「要介護度の勲章」をもらうと、“介護してもらって当たり前”と べた甘えする人が多い;たとえ介護を受けながらも、「何か自分で社会貢献することはないか?」と目を配り、自分なりに“誰かの為になるって、嬉しい”を併せ行えば、どんなにかご本人が幸せでしょう ! )。

声6: 福祉制度の充実により 医療も介護も「平等」に行われますが、老人も一人一人が社会の一員として社会に尽くすべきです(係り: 「少子」から取り立てた税金を老人につぎ込むのは「平等」に見えるけれど 果たして それが「公正」なのか、考えなおす時期です)。

声7: 今月、成人式の日を迎え、毎年 成人の数が減ってくるのが目立ちます(私の時もそう言われました);今の介護方式は やがて破綻します(係り:今の政府は「老人の票」で成り立ち、他方 若者は選挙の時 投票所に行かないから老人過保護の悪循環は断ち切れませんね)。

声9: 「ヘルパーさんを使う」とか「施設で泊まる」を「親不孝ではない」と、人々は とうとう 気づきました(係り:世間は やっとスエーデン方式に目を向けた のです;スエーデンには儒教(じゅきょう)なんてナイ ! 4) )。

参考: パールの安全管理  3) # 40 :食べられぬのなら 無理をせず。 4) # 247 : スエーデンの認知症は優雅か?
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

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