(249) 夫婦で もの忘れ

 (249) 夫婦で もの忘れ

  齢を重ねると 誰でも「もの忘れ」をしますが、高齢社会で 多くの人たちが 自分のもの忘れを気にしがち です。今日は ご夫婦で仲良くもの忘れのステージ に入られた事例を紹介します。

♣ パールの元精神科顧問の O先生 にご相談しました。日帰りデイサービスクラスのN.E.様(73歳男性 要介護1)は ご夫婦二人暮し。送迎時間をよく間違えます。妻(72歳)ももの忘れが多く、間違って施設にお迎えに来られます。時間把握のためには、こまめな 声掛け しかないのでしょうか? このまま妻も認知症が進むのでしょうか?

O先生のお答え:-ご質問の通り、進行する。この例は「ウツ」ではなく、したがって進行は止まらない

昨年から認知症の新しい治療薬が出回っているが、これらの薬は認知症を治すのではなく、うまく行っても、進行を「遅らせる」効果のみである。認知症は、やはり「介護の病気」である。

ふつうの医師は、認知症の治療に あまり「関心を持たない」。大学によっては「認知症の研究」はするけれど、その臨床はしない。唯一の例外は「S.M.大学」で、実地の研究が盛んである。


♣ 以上のお話、介護のワーカーにとっての教訓は何でしょう? 私はこう考えました:-つまり、介護の心は高く持ち、しかし現実をも きちんと見つめる姿勢が大事だ、と。

職員の声

声 1: 認知症の発症初期とは いつごろですか?(係り:アルツハイマーは50歳以後いつでも;脳血管性の認知症は脳発作後いつでも。ご承知のように、認知症は「短期記憶の障害」のほか、「時・所・人の判定」が この順に困難になります。この例では「時間判定」の困難があり、ごく初期とみられるでしょう)。

声2: 認知症の薬は どれほど効く のでしょうか?(係り:初期の2年間程度です;実際には“藁をも掴む思い”で使うから、もっと長く使われていますが . . . )。

声3: 認知症の自然経過 はどうなのでしょう?(係り:個人差がありますが、痴呆の全経過は およそ15年;この期間のうち、人格がだんだ荒廃してきます)。

声4: 脳トレが有効だと聞きます(係り:楽しくやれば 役立ちます;しかし痴呆は確実に進行します)。

声5: 治る ことはないのですか?(係り:ありません;昔は「ボケ」として敬遠されていました1) ;でも薬物治療で その進行を緩やかにする ことはできます)。

声6: ご家族は認知症を治して欲しいと願っておられます(係り:脳細胞の減少の原因はまだよくわかっていません;若い人の病気と異なり、認知症は 加齢」が重要な要素 であり、加齢を治すことはできないため、根本的な治療は まだ先のことかもしれません2, 3)

声7: 認知症の方に対応するときに「一度に二つ以上の指示をしないこと」という原則がありましたが . . . (係り:たとえば、“隣の部屋に行って、窓を閉めてください”は「行く」「閉める」の二つの動詞があります;一つずつの指示に変更しましょう)。

声8: 大学では「認知症の研究はするけれど、臨床はしない」とのこと、なぜですか?係り:予算は限られ、加齢相手の研究は なかなか成果が出ません;むしろ一般の実地臨床施設のほうが適任なのかも知れません)。

  参考: パールの安全管理 1) # 2 : 痴呆以前。 2) # 31 : ボケ勝ち。3) # 71 : 長生きは塞翁が馬。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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