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(254) 人生を 三期に 分ける

 (254) 人生を 三期に 分ける  

 私は 先日「福の会」で友人の8人に逢いましたが、なんとそのうち7人は 手術暦4回、胃がん・骨折の手術などから甦った歴戦のツワモノたち でした。まったく現代医療のおかげで 拾った余生を歩んでいる のでした。私自身も いい歳をしているので、高校・大学の同級生を振り返ってみると、三分の一は 逝去・大病・片麻痺・認知症などと にぎやかなのです ! 年賀状を見て 驚きを新たにしています。

♣ そこで今日は 「人間の生涯を三つのステージ」に分けて 人生と介護の意味を考えてみます。介護の仕事には「人生の意味の了解」が求められます。あなたも考えてください。

♣ 第一に 人間期 。私の話は まず400年前に遡ります。戦国の武将・織田信長は 20倍の兵力を誇る 隣国の大将・今川義元を 桶狭間(おけはざま)の戦いで討ち取りましたが、その直前に「舞い」を舞って 自分の将兵たちを鼓舞(こぶ)した、という 有名な故事(こじ)があります。その「唱」(うた)はこうです:- 「人間五十年、化天(けてん)の内に比ぶれば、夢幻の如くなり、一度(ひとたび)生を享け、滅せぬもののあるべきか」。つまり、ヒトは生きても50年、やがて死ぬのだから 立派に戦い、手柄をたてて 誉れとせよ、と励ましたのです——この励ましによって 信長の兵は20倍の敵に打ち勝ったのでしょう。私が小学生の頃は、この「人間50年」が流行言葉で、さらに加えて「軍人半額 = 25年」とも言われ、25歳で国のために華と散ってご奉公せよ、と習いました。

♣ また、200年前 ドイツの哲学者 ショーペンハウエルは 50年どころか 人生40年 とケチっています:-「人間、40才までが本文であり、それを過ぎたら注釈の人生である 」。さすがはドイツが生んだ大哲学者、短い一句で 人生の本質を言い当てていますね。だって、平均寿命80歳として、人生の後ろ半分を 若い頃の思い出と解釈で過ごすというのですもの。つまり 人生の後ろ半分は不毛だと見ていますね。

♣ ところで 私は 「パールの安全管理」で 遺伝子寿命50歳説 を取りました1, 2) 。これは 単に「説」というより、「事実」です。だって、「生き物は 生まれて増えて 死ぬ」循環を繰り返しており、生命は「増える仕事」をやめれば 生涯が終わるのです(女性でいえば「閉経」によって宣言される)。人の「遺伝子」は50歳までの体を守りますが、「あとは野となれ山となれ ! 」で、まじめに体の面倒を見てくれません50歳までの時期を「人間期」と命名するのは「生命進化の理」に叶っています;また、人間期にある人は [ 医療 ] にもキチンと反応してくれます

♣ 第二の時期は 50歳から85歳程度の 老人期 。人間は「知恵があればこそ」この「老人期」を迎えることができます。他の野生動物には「老人期」がありません;彼らは子を産み終わったら 死にます。遺伝子の仕組みから見れば、繁殖に関与しない個体は「役立たずのクズ」に過ぎません。ところで、人間の「老人期」は なかなか華やかです。なぜなら、若い頃の「生活習慣の無理」が この時期にたたって「生きる」からです。人間が「惜しまれて早死にする?」のは、主にこの時期です。死亡原因の第一位から三位を占める 癌・心臓病・脳卒中集中的にこの時期に発生します。本人が「健全な人間期」を過ごせば、こんな病気はほとんど起こりませんが、「ボクは短くても良いから、太くて 好き勝手な人生を送りたい」と豪語した人が この時期で 望み通りに こけます。まあ、バチ当たりの時期とも言えるでしょうか、 [ 医療 ] への反応も あまり芳しくありません

♣ さて、人生の最期の第三の時期は 85歳を越えた以降です; 「生命進化の試練」を卒業した人たちの領域であるゆえ 神仏期 と呼びましょう。皆さんがたの周辺を観察してみてください。人は85歳を越えると「死ぬ理由」が無くなる のです。しいて その理由を探すとすれば、事故?感染症?熱暑?食べすぎ?? 医学的に名だたる病気は ほとんど見つかりません。ただし、体の細胞は「古びて」きます。アリストテレスの昔から、万物 古びれば 消耗します。でも それには個人差・環境差があり、それを病気理由で亡くなった とは断じ難いです。この時期の[ 医療効果 ]は「若返りを念願する」のと同じように無意味であり、「頼みの綱は介護」となりますね。

♣ ところで、超高齢者が死亡なさる実態は何か ご存知ですか? それは、「食べ物が喉を通らなくなる」のです。でも、ナゼ? それは、喉を支配する反射神経が磨耗して機能しなくなり、また全身の代謝需要も落ちてくるので、食べることへの関心が薄れるからです。だから、食事介助で ムリに食べさせると「誤嚥」となり、高熱・呼吸困難が発生;これを何度か繰り返しているうちに体重が減り、体格指数(B.M.I.)が12近く になって、静かに呼吸が停止するのです3) 。介護に関しては、「和式の 行き届いた 医療介護」よりも、スエーデン式の「天然介護4) のほうが優れていると 私は思います。

♣ 以上、私は「人の生涯を三つに分けて概観」してみました。三つの時期とは「人間期」、「老人期」そして「神仏期」でした。私が思うに、「人間期」の若い人には、「放逸」(ほういつ)を戒め、より良い「老人期」に進んで頂きたいです;でも、なかなか 若い人たちは 聞く耳を持ちませんね。そして 私は特に「神仏期」の方々に 無限の尊敬と愛を感じます。だって、この方々は、生活習慣病とは 無縁な方々であり、 死因 ワースト・スリーの「癌・心臓・脳卒中」を乗り越え、その上「遺伝子」の力を ほとんど借りずに 堂々と命の営みをなさっておられるからです ! それは物質的な生命の力を超越した 神仏同等の存在でございましょう。

♣ それだけに、私は「介護に当たる皆さん方へ」お願いしたいと思います:—— 神仏期の方々には 医療のささやき」ではなく、愛に満ちた 天然介護の姿勢 でお支えを してください。  

参考: パールの安全管理 : 1) # 99 : ヒトはなぜ死ぬのか? 2) # 167 : 福祉のショートショート。 3) # 33 : 天寿の終点は B.M.I ≒ 12。 4) # : 247 : スエーデンの認知症は優雅か?

職員の声

声1: 織田信長の「人間50年」は意味深い : 50年で人生が終わるのなら、介護は不必要、年金問題も解消・貯金も不要だし景気は好転する;良いこと尽くめだ ! でも僕は90歳くらいまで生きたいなー係り:まったく すごい解答です。あなたの大先輩で これを成し遂げた方があり、いま、エジプトのカイロ博物館でミイラになって存在しておられます。ざっっと 3200年前庶民の平均年齢は たぶん 30歳前後、その方だけは 92歳 まで生きられました:その方の名前は “王 ラムセス2世” です)。

声 2: 最近 90歳代のご利用者がとても増えています;80歳を越えたら癌の積極的治療はしなくなっています(係り:癌治療法は三つ:放射線・抗免疫薬物・手術;この順に侵襲(しんしゅう)が大きい;つまり手術を諦める)。

声3: 私は常々「神仏期の高齢者」に対する検査・医療のあり方に疑問を抱いてきました;「いたわりの心と天然介護」で克服できないものでしょうか?(係り:やがて合理的なスエーデン式に変わって行くでしょうが、日本は国民皆保険の原理通りいくつの歳になっても治療・治療です)。

声4: 私はすでに「老人期」(50歳以上)に入いり、ショックです;しかし細々ながら頑張る(係り:昔は50歳になること自身が困難でした;でも今の50歳代は力持ちです;しかし「人間期」(50歳まで)の時代に行った逸脱(いつだつ)が原因となる病気が次々と出て来る時期でもあります;もう遺伝子はあなたを守りませんよ —— 癌・心・脳に注意 ! )。

声5: 私は悪い「人間期」を過ごしたので、どんな「報い」が来るのか気にしています(係り:このところテレビを見ると、信じられないことながら、家庭で 老人が 酸素療法をしながらタバコを吸い、火事・焼死に至る例が少なくありません;タバコは 終生 やめられませんから、「老人期」になったら 火の用心を ! 他人の命まで巻き込みます )。

声6: 「神仏期」(85歳~)の方々に対しては、スエーデン式の「天然介護」に賛成です、「敬老といたわり」を主とした介護で行きたいです(係り:大昔の庶民人には 祖父母がいなかった今は その上に 曾・祖父母さえいる 5) どっちがいいかは選べないけれど;どっちが幸せかは考えることができます)。

声7: スエーデン式の「天然介護」という言葉は とても「良い響き」を持っています;パールのお看取りケアを見ていると、医療から介護への流れが滑らかで分かりやすく、特にご家族の臨終参加が心を打ちます係り:パールでは この5年間、病院死は例外的です)。

声8: 100歳老人でも個人差はさまざま;いっそのこと 老人期という古い言葉を廃止して「神仏期」に変えたらどうか思います。

声9: 50歳以下の「人間期」では大した努力もなく生命が維持されます;50歳を超えた「老人期」では そこまでにどのように生きたかで命が支配されます;85歳を越えた「神仏期」の人々は遺伝子の力を借りずに生きて行ける まさに「神仏」だ と思います;しかし、私の目の前にいるご利用者なら 年齢にかかわらず 「神仏に等しい」 と思うことができます;そのような「大きな愛」は私を豊かにしてくれます(係り:あなたは 本当に 心の豊かな人だなー !! )。

  参考:パールの安全管理 5)  # 215 : 曾-祖父母の進化。
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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