(262) 超高齢者 の リハビリ

(262) 超高齢者のリハビリ  

現代の日本女性は 世界一長生きの記録を25年連続一位を保持しており、やがて90歳を越えます。平均年齢が90歳ということは、100歳を越す人も多数あるということです。1951年(昭和26年)の女性の平均年齢は49歳だったので、「遥(はる)けくも 来つるものかな !」と驚嘆の目を見張ります。

♣ でも人が90歳を越えることは、やはりタダの路を歩んで来た訳ではありません。テレビやドラマで活躍された「女優の原久子さん 96歳1) は瞑想法・内観呼吸法などの研究をされていましたが、やはり歳には勝てず、階段昇降や正座が苦手となってリハビリの指導を受けておられました。これ以上の体力低下には、どのような食事やリハビリが効果的なのか、が話題となりました。超高齢者の場合、介護者はどのような見識で見守り役をすればよいのか、整形外科のY先生に伺いました。

Y 先生 >:-昔は 超高齢のお年よりは稀だったから、いま 中年以上の年齢の医師は 超高齢の患者さんを看る機会は稀であった。しかし 病気でない 元気な超高齢者を 病人と同じ目で見るのは不見識であろう。また 近年増えてきた90歳を越える人々の生理学は 十分熟知されている訳でもない。そこで 運動器について 常識的に推論できる事実を述べる。

人は高齢になると、誰でも体の細胞数が減り、痩せてくる。つまり 神経細胞も筋肉細胞も減ってくる;言ってみれば、馬力が落ちる。これは「天然現象」であり、気にしても しょうがない。もし 歳をとっても体重が減らない人があるなら、それは「脂肪組織」で体重を補っているのである。脂肪は筋肉と異なり、運動能力を持たない。だから 階段昇降は苦手になってやむを得ない。問題解決をするなら、体重減少が気にならない量の摂食を勧める。 リハビリテーションという言葉は「リ」と「ハビル」の二つの合成語である:「リ」は「再び」、「ハビル」は「体が動く」という意味。つまり、怪我や卒中で、いったん動かなくなった体を「再び動くようにする」のがリハビリの「本来の意味」である。事故にも遇わず、高齢だけが理由で だんだん動かなくなった体は それこそ天然現象そのもの であり、リハビリの必要性がどこにあるだろうか?

♣ 運動は、本人が「充足感」を感じる程度に限って行うこと。やらないと「廃用萎縮」に陥るが、「やり過ぎ」は最悪の結果をもたらす2) 目標を設定し、ほどよく妥協するのが良い。

  参考: 1) 原久子:2005年12月4日21時32分、家族と夕食を終えた後に意識を失い、東京都内の病院へ搬送中の救急車の中で心不全のため死去。96歳没。最期の言葉は「ごちそうさまでした」でした。2) パールの安全管理 :# 151 : 残存機能の保持。

職員の声

声1: 超高齢者がだんだん動けなくなる理由は、天然現象としての「体の細胞数の減少」が原因だと説明され、なるほどと納得です(係り:臓器にもよりますが、人の細胞数は25歳をピークとして あとはチビチビ減ります;この原理は超高齢だけでなく、普通の人でも 年齢とともに起こります;だから運動選手のピークも長くはないのです。でも 天然現象とは言え、日本女性は世界一の長寿成績です ! )。

声2: 細胞数の減らない臓器はありますか?(係り:しいて言えば、免疫リンパ球くらいかな?他はほぼ全部減ります;脂肪細胞も減りますが、脂肪細胞の各々の中に溜まる油が増えるので、結果として肥満となります。信じ難いでしょうが、ウンチの成分中、一番多いのが水分(60%)、次が腸壁細胞の死骸(20%)、大腸菌類の死骸(15%)、そして食物カスはわずか(5%):それほどに 私たちの体は 細胞の「多量喪失~少量補充」のバランスの中で生きているのです)。

声3: リハビリテーションとは「怪我などで、いったん動かなくなった筋肉を、今一度動かせるようにすること」とは知らなかった;「リハ」と縮めて言うと、カタカナが一人歩きし、元の意味が分からなくなります(係り:朝のラジオ体操とは意味が違いますよね)。

声4: 訪問リハで、本人が無理して やり過ぎて、翌日から筋肉痛で動けなくなった例を経験します(係り:高齢者のリハは「自分でできる能力を温存すること」に尽きます)。

声5: 歳とともに筋力が落ちるのは、なるほど天然現象でしょうが、私は自分自身に心得る何か対策があるのでしょうか?(係り:目に見えやすい比喩を挙げると:- 10歳ころに生えた永久歯は 誰でも年齢とともに 歯肉が落ち、歯は長くなったように見えます。歯肉が落ちるスピードを緩くするためには、歯の衛生が大事で 歯磨きをします。昔は、歯ブラシなどが無かったので、還暦のころには「歯無し」になりました——歯は人生50歳用に遺伝子設計されているようです —— 他の臓器も 似たり寄ったり ではないでしょうか)3)

参考: パールの安全管理 3) # 174 : ご利用者の生きる意欲。
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Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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