FC2ブログ

(265) お話し願望の 充足

 (265) お話し願望の充足 

 デイ・サービスのご利用者は 要介護のレベルが「要支援 1」(最低)から「要介護 5」(最高)までの全範囲の方々がご利用です。活動レベルの低い方々を「ほのぼのクラス」と呼び、別個に対応しています。今日の話題は 認知レベルの怪しい ご利用者との会話(トーク)の方針についての勉強です。

♣ Y.K.様(82F 要介護1)は自立歩行の不自由な方ですが、会話の中で「今朝も公園まで散歩に行ったの」とか「夜中に孫に起こされてね . . . 」など、“ハテナ?”と思うことをおっしゃいます。初めのうちは信じていたのですが、どうもおかしい のです。それが本当かどうかを訊き分ける方法があるのでしょうか?また、どんな対応が望まれるのでしょうか? 精神科 O 先生 にお聞きしました。

♣ < O 先生 >:-「本当」を知りたければ、「その公園の名前は? いつ、誰と行ったの? お孫さんの名前は?」のように畳み込んで訊ねればよい。しかし、真実を確かめて、何か利益があるだろうか?

幼稚園のクラスの中には、キャラクター・グッズが沢山あり、子供たちは夢の中の主人公たち と遊んでいる。あなたは 子供たちに「そんな英雄は この世にいない」と、たしなめますか?

夢を奪ってはいけない。この程度のことなら、ウソと決めつめないほうが良いだろう。この症例は「作話さくわ)でも「健忘けんぼう)でもない ! しゃべってリラックスしているのだ。公園に行けたらいいな、という「願望の充足」なのである。無理に否定せず、話を合わせ、その場の雰囲気を大切にするのが良い

♣ 私(理事長)も「お話おばさんの学校」という会を、児童文学者の中川李枝子さん・NHK朗読者の花形恵子さんとで主宰してきました。子供たちは お母さんとの対話で感性や想像力・表現力を豊かにします。「それからどうしたの?」「どうしたらいいと思う?」と話を膨らませてあげます。だから、お年寄りの非現実的なお話に対しても、それに関心を持ち 会話を膨らませることで、楽しみましょう。そうすることで、語るお年寄りの願望が充足されていく のだと思います。

参考: 作話さくわ)とは 作り話を語る心理現象の一つである:その中では、事実の経験でないことについて、あたかも事実であるかのように、周辺環境と辻褄が合うように語られる小説などの「語り」とは 話の目的が違う。なお、健忘けんぼう)とは、過去の“一定期間の記憶”が失われることで、単に “忘れっぽい”だけではなく、記憶の片鱗さえ残っていない。病気としての健忘は、認知症・アルコール+睡眠薬・頭部外傷のあとなどに見られる。

職員の声

声1: トーク」は介護の中で難しい手技に属しますが、傾聴しながら「否定」もせず、「願望の充足」をする意味を学びました。

声2: 会話は「キャッチボール」しなければ成り立たないのですね、“合いの手”をうまく入れる方法を研究します(係り:場が盛り上がれば、ウソにこだわりません)。

声3: 理事長が「お話おばさんの会」を結成、全国行脚あんぎゃ)をした、との紹介が一番印象的でした。

声4: 「ワシの息子が木に登っている」とご利用者;外に出て確かめてみたら、登っていませんでした(係り:ご利用者の声に反応して “外に出て確かめた”と言う点が良かった;そのご利用者もご満足だったでしょう)。

声5: 相手のお話は「まず肯定」します;良い関係になった後「否定」することもあります。

声6:話を膨らませ、しゃべってリラックス」と聞けば、それは私自身の願望充足にもなります(係り:井戸端会議にも似たところがありますね;まさにトーク and リラックスです)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
安全管理 ふじひろのページ

最新記事
全ての記事一覧
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QR