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(273) 開け ゴマ ! (Open sesame !)

(273) 開け ゴマ ! (Open sesame ! )

アラビアン・ナイトの「アリババと40人の盗賊」では “ Open Sesame! ”(開けゴマ ! 、オープン・セサミ)と唱えると、宝物倉庫の扉が開きました。あなたはこの物語をご存知ですね。でも、これはファンタジーの世界の話です。

♣ 科学は、万人の追試に耐え、間違いなく「因果関係」が認められるとき、初めて「まっとうな判定」を下します。医療の世界では、およそ25年前から「確証に基づく医療」(EBM1) という合言葉が流行し、 「確証に基づかない行為」を行なわないように指導されています。たとえば、テレビや雑誌で人気の「代替医療」(だいたいいりょう)——「Open sesame !」とか、「ビタミンCと長寿」などの「おまじない」は EBM ではありませんので、禁句です。

♣ これに対し、因果関係がはっきり認められる例は「抗生物質・ループ利尿剤・副腎ステロイドホルモン」などです —— これらは 人の歴史や習慣にかかわらず「有効」だからです。

♣ ところが、ヒトとは不思議な存在であり、プラセボ効果 2) がバカにならず大きな成績をもたらします —— でも、これは 「暗示」による効果だから、EBMと言えない のです。また、高齢者介護には「確証に基づく科学」は期待薄ですよ;なぜなら、確証を裏付ける大数実験を高齢者に行なうことは困難だからです—— 子供と高齢者には プラセボ実験は禁止です。ここに「声の大きい人の思いつき次第で“ Open Sesame ! ” がまかり通る のです(例:筋トレ 3) サンタ 4) )。

♣ これは、苦々しいことですが、あながち無根拠とも言えません。つまり「人間は間違うことがある生き物」であり、body languageが有効でもあるからです。

♣ そこで結論 私たちは、できるだけ「確証のある科学」に従ってケアをいたしましょう。確証のない事態」に直面したら、心いっぱい “ Open Sesame ! ”を念じ、でも実際には、「ホウレンソウ5) で物事を解決するよう 心がけましょう。

  参考:パールの安全管理 1) EBM = Evidence Based Medicine. 2) # 36 : プラセボのひみつ。 3) # 181 : 筋トレに関する三つの誤解。 4) # 29 : サンタ。 5) # 148 : ホウレンソウ。

職員の声

声1: 「確証のある医療」も “ Open Sesame ! ”も大事だと学びましたが、ナゼ「Sesame」なのですか?(係り:セサミ= 植物の胡麻;「アリババと40人の盗賊」に出てくる願望のおまじないです —— チチンプイプイのようなもの)。

声2: 認知症の方には、理屈よりも「開けゴマ ! 」が有効 かもしれません、特に精神科の領域では。

声3: 確証のない事態に遭遇したら “ Open Sesame ! ”を念じますが、実務的には、仲間や上司との「ホウレンソウ」で解決 します。

声4: 私は入社2ヶ月、 「ホウレンソウ」の大事さ を しみじみ学んでいます。

声5: 福祉では「結果良ければ全て良し」が多いです;原因のない結果はないハズですが、原因までさかのぼることは難しい です(係り:生命現象には すべて遺伝子が関わっています;しかし遺伝子も万能ではなく、ヒトの場合、遺伝子寿命は約50年。ところが 介護保険の対象は それよりずっと高齢者であって、遺伝子の働きは期待に沿わないことがしばしば;言ってみれば「期限切れの体」のお世話だから EBM が そのまま適用されるとは限りません —— 矛盾との抱き合わせの介護ですね)。

声6: 営業業者は違法ギリギリの広告をテレビに 出します::- この果汁は皮膚炎に効く--- (これは薬事法に違反)、美肌に効く--- (これならOK——病名をつけると、薬事法の審査を必要とします)。

声7: 筋トレ」はテレビで大げさに報道されますが、まあ「ルーの法則」を知らない人ばかり !  

声8: 私たちの身の回りは 科学だけではこなせません;小さな子供の打ちみ傷を 親がなめてあげると 早く治ることがあります(係り: EBM か、それとも“ Open Sesame! ”か、肝心の親 または介護者がそれをよく認識しておけばOK だと思います)。
プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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