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(277) 代 謝 受 容 (たいしゃ じゅよう)

 (277) 代 謝 需 要 たいしゃ・じゅよう)  

 代謝とは、英語の「メタボリズム」、生命維持のための「エネルギー出入り」のことです。精神の出入りではなく、モノの出入りですから、「物質代謝」とも言います。

♣ 私たちは生きるためのエネルギーを食料として摂取します。食料は胃腸から吸収され、体の隅々まで配給され、生命のエネルギーとして活用されます。人は食べるから生きていられのですが、別な立場で表現すれば、体に「代謝需要」(必要カロリー)があるからこそ、食欲が発生し、食べて その食欲を満たすことにより、代謝需要が満たされます。私の言わんとするところは、代謝需要のないところにエネルギーを押し込んでも 生命はうまく機能しない ということです。このことは、とくに難しく考える必用もなく「腹へった、食った」で十分ですね。

♣ 人間は若いうちには、代謝需要が旺盛であり、3000キロカロリーほどの食料が必要です。しかし、歳をとるにつれ、代謝需要は減ってき、パールに入所の高齢者(平均年齢は89歳)は1400キロカロリー程度、中には600キロカロリーの方もあります。教科書通りのカロリーを補充すると、嘔吐・誤嚥・下痢・発熱をなさいます。特に、衰弱のひどい方や 体格指数(B.M.I.) 1) 12 近くの方に、ムリな栄養補給は裏目の結果となります。それは、つまり、代謝需要がないのに、カロリーを押し込むからです。

♣ 代謝需要の話を広げて、ビタミンの話に移りましょう。ビタミンAは視力に関係があります。ビタミンBは澱粉(でんぷん)代謝に、ビタミンCは血管の、ビタミンDは骨や皮膚の代謝に必用です。鉄は貧血の、カルシウムは骨の代謝に関係します。総合ビタミン剤はこれらを補います。しかし、普通の食事で事足りていれば、余分に摂取しても、腎臓から排出されるのみです。それどころか、油性のビタミンは副作用をもたらします。

♣ つまり、もし ビタミンの代謝需要があれば、食事添加剤としてのビタミン類は役立ちますが、需要のない人に供給しても、無駄どころか、害をもたらすのです。特に、高齢者に鉄やカルシウムを過剰に補給すると 消化器の不調をもたらします;だって、需要がないのに、ムリやりに押し込むのですから。多くの職員たちは、ビタミン過剰信仰者であるという事実があるのです。

♣ 「胃瘻」をつけている方は、ほとんど生活は絶対安静ですよね;このような方に、教科書通りの1400キロカロリーを与えますと、嘔吐・発熱・胸苦が現れます。せっかく良いカロリーをあげているのに、なぜ?と不思議に思うほどです。それは「あげ過ぎ」の徴候なのですね。私たちの注意点は、その方に「代謝需要があるのかな?」とまず 自問自答することから始めます。

♣ 「ルーの三法則2) を思い出してください:つまり、 一番いけないのは「やりすぎ」、② :次にいけないのは「やり無すぎ」、望まれるのは「丁度よいバランスを見つけること」。代謝需要は個人ごとに異なりますので、「丁度よいバランス」は“生活の様子”の観察と“B.M.I.の経過表”で確かめるのが 適当だと思います。

♣ このことは「知識の需要・供給」についても当てはまります。すなわち、「聞く耳を持たない人」に良い話をしても「馬の耳に念仏」となります。ア、「耳が痛い」ですね。

  参考: パールの安全管理 1) # 33 : 天寿の終点は B.M.I. ≒ 12。 2) # 45 : ルー(Roux)と知恵。

職員の声

声1: 日本人の必要カロリー(代謝需要)は1800キロカロリー前後と教わりましたが、施設の平均年齢90歳では 1400キロカロリー程度であることを知りました(係り:必用カロリーは歳と共に減ります——厚生省の基準カロリー表では、70歳を超えると一括カロリーです)。

声2: 衰弱された高齢者には500~600キロで良いのですか?(係り:特に、胃瘻などの処置をされた方の場合、所定以上のカロリリー投与をすると、反って寿命が縮みます —— 需要がないのに水分・栄養を押し込むと、体が水浸しになる のです)。

声3: 私は食事介助で代謝需要の事を意識したことがありませんでした(係り:意識してください。管理栄養士が個々の方の栄養ケアをしていますが、最終的には、その人の体調と体重の経過を観察して、バランスの良い代謝需要かどうか を判定しましょう)。

声4: デイ・サービスでは「ちょうど良い」バランスが難しく、好きなものしか食べない利用者があります(係り:特養と違い、昼食だけの場合は、一日の全体像が不明瞭になりますね)。

声5: デイ・サービスをご利用の方は全般的に、運動はやり過ぎの方が多いです——若い人たちの考えと同じ考えでしょうか(係り:問題があれば、B.M.I.の測定が役立つ でしょう:(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)を計算しましょう:正常値は 22±3ですが、高齢者では しばしば 低下します;17という値はファッション・モデルの値であり、それ以下で12に近づくと人生は終わり に近づきます)。

声6: 私は、自分の代謝需要があるのに、仕事の都合で食べられなかったり、逆に需要のない「お菓子」をたべたりで、食事の現実は厳しいです(係り:い方々は、カロリー計算でなく、体重の管理だけで十分でしょう)。

声7: 私は果物が好きだったのですが、血糖値が上がり、青汁に変えました;昔は「塩と水」だったと聞きます(係り:サプリメント食品は業者の宣伝に踊らされる ことがしばしばです;私は今でも「塩と水」です)。

プロフィール

ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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