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(283) 新人 と ベテラン の違い

  (283) 新人とベテランの違い   

  デイサービスをご利用中の M.U.様(86F 認知症 要介護2)は、性格が短期で怒りっぽく、活動中に不穏になります。新人職員が対応すると、さらに怒りっぽくなりますが、ベテラン職員なら、まったく同じ対応なのに落ち着きます。ナゼでしょうか?彼女の脳に何が起こっているのでしょうか? 精神科の O先生のご判断です。

♣ <O 先生 > この方の脳は「認知症の脳」であろう。言葉掛けは「全く同じ」と言うから、バーバル反応は新人とベテランでは同じであろう —— バーバル(英 Verbal)とは、“言葉の”と言う意味で、「声を使って接遇する」ことだ;これに対して “non-verbal” とは 声を使わない接触、つまり“笑顔・態度・雰囲気”などで対応することである)。だから、問題は「ノン・バーバル領域」の対応の違いであろう。言ってみればプロとアマの相違である。たとえば、ピアノの鍵盤を一つ二つ叩いてみる。きっと、プロもアマも同じような音を出すだろう。でも音楽を弾くとなると、プロとアマの相違は歴然とする

♣ 認知症に対する接遇もプロとアマの違いは、当の本人にも 傍の他人の目にも ハッキリと違う。どこが違うのか?それはノン・バーバルの領域での行動である。上記の“笑顔・態度・雰囲気”のほかに“自信・経験・毅然とした姿勢・包容力”などが挙げられるが、それを日本語では「スキンシップ」と呼ぶ1) 。言葉は“口でしゃべる”からオーラル・ランゲッジ”(oral language)と言い、体で伝える会話の一つはスキンシップであり、または“ボディ・ランゲッジ”(body language)と言う人もある。新人はスキンシップを磨くように努めて欲しい。

♣ 彼女の脳の中で何がおこっているのか?という次の質問であるが、彼女の脳の中には、珍しい出来事は何もない ! そもそも認知症とは、単に「新脳 2)の喪失」に過ぎない。人間の脳がサル以下の動物の脳になるのだ。認知症の研究者は「脳細胞レベル」の研究をするが、実地の行動レベルに手を出さない。他方、認知症の臨床家は「行動研究」をするが、原因を究明しない。結局、認知症の実態は、ただ今「不毛」である。

 参考: 1)  スキンシップは、家族関係や、ごく親しい友人同士が抱きしめ合ったり手を握り合うことにより、互いの親密感や帰属感を高め、一体感を共有しあう行為を指す言葉である。和製英語ではないが、日本でしか通用しない言葉である。——(フレッシュEyeペディア、による) 2) 新脳:ヒトとチンパンジーとの決定 的な違いは、脳の形式や構造として、言葉を使用できる新脳の機能があるか、どうかによる。

職員の声

声1: 「バーバル」「ノン・バーバル」という言葉を初めて知りました係り:言語対応・非言語対応)という意味ですね)。

声2: 物語の「桃太郎」は、お供の「犬・猿・雉」との会話を言語(バーバル)で行なったのではなく、心や態度(ノン・バーバル)で伝えた訳ですね(係り:認知症では言葉が通じないこともあり、自分が「桃太郎」になった気分で接すればよいのです)。

声3: 人間の意思疎通には、いかに非言語的要素が多くを占めるか、を学びました(係り:目は口ほどにモノを言い”という川柳がありますよね)。

声4: 子供も認知症も、相手の雰囲気を敏感に感じ取る;顔は笑顔でも、心がイライラでは、疎通も難しいです。

声5: 私は新人の頃、ベテランの振る舞いを真似たのですが、やはり「場数」(ばかず)を踏んで 自分が落ち着いたときに、ご利用者も落ち着かれました(係り: すごい ! )。

声6: 経験は「宝」、私たちは、ある意味で「俳優」として演じる必要があると思います。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

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