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(285) ポカポカ 殴る (なぐる)

  (285) ポカポカ殴る(なぐる 

  普段は立派な紳士で、乱暴なことをされない G.K.様(84M、要介護2、デイサービスをご利用)です。先月の中ごろ、夫人の気付かないうちに、雨の中を徘徊され、2時間後に帰宅されました。夫人は思わず「警察に捜索願い を出そうと心配したのよ . . . 」と詰問(きつもん)されたところ、怒って「ワシは出てゆく」と玄関に向かわれました。夫人は玄関に先回りし、体をはって夫が出て行くのを阻止しようとしたところ、彼は興奮して、夫人をポカポカ殴り始め ました。パールに電話が入り、職員3人が救助に向かいました が、そのころには、彼は落ち着いていました。この一件は「一過性虚血発作」なのでしょうか? いつもの 精神科・O先生のご意見です。

♣ < O 先生 > この方は 雨の中を徘徊されるくらいだから運動麻痺はない;つまり「徘徊」という言葉から連想されるように認知症」による行動であろう。お尋ねの「一過性脳虚血発作」というのは、心臓でいえば「狭心症」に相当し、「脳血管の狭窄(きょうさく)」が起こす一過性の脳卒中のような麻痺症状が見られる。もし脳虚血発作であれば、先行き本物の「脳梗塞」を起こすかも知れない。

♣ この方の場合、私はアスペルガー症候群を疑う。この症候群は「自閉症」(じへいしょう1) グループにはいる脳障害の一つで、次のような特徴 がある:-

① 自閉症を思わせるほど、社交に無関心、人と目線を合わせない

知能は「並み~優秀」、特に「瞬時記憶」に優れている例:机の上にこぼれた楊枝の数を一瞥(いちべつ)で 123本、などとすぐ言い当てる;「こだわり」が強く、自分で決めた順に物事を飽きずに繰り返す、など);

想像を絶する記憶力の持ち主である(例:円周率(パイ)を100桁以上覚えている)。近代科学の巨人・アイザック・ニュートンや「相対性理論」のアルバート・アインシュタインはアスペルガーであった。あなたの周りに こんな方がいるのではないだろうか?

♣ アスペルガーは子供の頃からの天性であり、認知症とは違って「加齢による病気ではない」。しかし、アスペルガーといえども、高齢になれば「認知症を併発する可能性はおおいに有る」。この方の場合、近年の日本の人口高齢化による両疾患合併の可能性が高い。根本治療はムリであるが、良い介護が命 であろう。

♣ ケアで出会うその人を、よーく よーく観察しよう。

参考:1) 自閉症は先天性の脳障害であり、人との摂食・モノの認知などに問題があって、「自閉」と呼よばれる 独特の行動様式を示す。たとえば、笑わず泣かず、人と視線を合わさない;反復行動に興味を示し、特定の習慣や儀式にこだわる;会話としてオウム返し(反復語)が多い、などがある。

職員の声

声1: アスペルガーって初めて聞きます、一つのことに並外れた知識をもつとは「天才ではないでしょうか?(係り:ニュートンは500年に一度の天才、アインシュタインは100年に一度の天才と言われます)。

声2: こぼれた楊枝の数をパッと123本だと言い当てられる知能はマジックとしか言えません(係り:いい話ばかりではなく、たいてい社交は下手;最近では 長生きによって認知症も加わります)。

声3: 「天は二物を与えず」という言葉があります;「天才 = 奇人」とみられますが、どうでしょうか?(係り:精神的に健康だった天才もいっぱいいます例:プラトン・アリストテレス・ガリレオ・ダビンチ・バッハ・ハイドンなど;天才の70%は精神的に健康です)。

声4: アスペルガーは300人に一人の頻度だと聞き、そんなに多いのか?とビックリです(係り:統合失調(分裂病)は100人に一人、聞くとたまげます;しかしアスペルガーは40年ほど前に分かった症状であり、なお詳細が十分わかっていません)。

声5: パールにとって、アスペルガーって新しい言葉ですね、人間にはいろいろな人・症状があり、不思議でなりません(係り:私はアスペルガーの子供に接したことがありますが、厚い電車の時刻表を全部覚えていました ! )。

声6: 私は忘れっぽくて、自分が「若年性痴呆か?」と思うことがあります(係り: あなたは正常です;だって痴呆では、自分が忘れたことすら 意識に上がりません)。

声7: 人は長生きして、かえって不幸せな場合もあるのですね(係り:こればかりは自分で選べません;自分が変でなかったら、周りの変な人を助けてあげましょう)。
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ふじひろパール

Author:ふじひろパール
「ふじ」=新谷冨士雄
「ひろ」=新谷弘子

社会福祉法人 パール
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